7






■ 手のひらの中の ■



空が見えたよ
駅の屋根の隙間から
小さな雲が浮かんでた
手の中にしまえそうな
小さな小さな空







■ 雫 ■



ピタン ピタン

雨水が

ピタン ピタン

落ちてくる

ピタン ピタン

私の心に

ピタン ピタン

染みこんでくる







■ 染まる ■



扉をあけると
広がっていた淡い赤紫
何て神秘的で美しい空だろう
足が動かない 視線がそらせない
手が僅かにふるえだす
いつまでも見ていたいと思う
全てをなげだしても見ていたい
ああ・・・
なんて恐ろしくて 美しいのだろう







■ 風車 ■



くるくる くるくる

風にふかれて

くるくる くるくる

回る 回る

くるくる くるくる

風が止んでも

狂々 狂々

マワル マワル







■ 脈 ■



頭の中に脈の音が響く
ザッ ザッ ザッ ザッ
まるで新雪の上を
歩いているような
冷たい音
でもカラダの中は
熱くてたまらない






■ ふきぬける ■



耳の横を風がとおる
この風は何処からふいてきたの?
1m手前?
それとも大陸を越えたどこかから?
きいても答えてなんかくれないけど
髪を揺らしながら静かな音と共にさってゆく







© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: