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■ 全力疾走 ■



流れる景色
唸る風
乱れる息は
白い靄
暴れる髪に
光る汗
今私は走っている
今を私は走っている







■ 雨ノチおひさま ■



曇りガラス
水滴たらり
残った落書
過去の足跡
今日という日の記念にひとつ
あした掃除のおじさんヒトリ







■ 染まる ■



夕日

染まる

綺麗
怖い
キレイ
恐い







■ 嫉妬 ■



キミはまだわからないんだ
どんなひどい殺戮より
たった一言の善意の方が
えげつないことがあるって事
無意識のうちにヒトを傷つけてるって事
まぁ別に
僕にとってはどうでもいい事だし
わざわざ教えてやる程
僕は親切なわけでもないし
ただひとつむかつくのは
アイツは全然ダメージをくらってないって事
まるでキミの所有者みたいな
でかい面した
鼻持ちならないあの男こそ
キミの善意の刃でズタボロになるべきじゃない?
本っ当 不公平だよ
むかつく 







■ 自分で壊したくせに ■



この世界に必要な人間なんていないんだよ
むしろ本当に地球の事を思うのなら
僕らは滅びるべきだと思わないかい?
今のやつらはまるで自分達がいないと
環境保護活動をしないと
地球はだめになるなんて
恩着せがましく思ってるみたいだけど
本当に救いようのない馬鹿だな






■ 早春 ■



空は雲ひとつ無くて
目を細めるほど日差しは降りそそいでいるのに
とても寒い
コートなしでは耐えられない
きっとそれはこの風のせいだ
砂を巻き上げ 髪を掻回し
それでも
座ったベンチの温かさに
僕は小さく微笑んだ








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