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■ 流れ ■



世界にひとつだけのものって
そんなに尊いものですか?
よく考えたら
世界にひとつじゃないものなんて
この世に存在しないのに
どうして皆その事に目を向けないで
馬鹿みたいに提供されたものに飛び付くんだろう







■ 散髪 ■



足下に広がる海
黒い海
幾万 幾千からなる海
私の一部だった海







■ 勘違い ■



たとえアナタが何かを与えられる存在だとしても
アナタは偉くも何とも無い
だって受け入れてくれる存在がなければ
アナタに意味はないのだから







■ 愛 ■



苦しい 苦しい 苦しい

どうしてそんなに憎むの?
どうしてそんなに啀み合うの?
どうして信じられないの?
どうして近付こうとさえしないの?

関係ない私も苦しい
関係ない私が痛い 







■ 急いで! ■



光る二つの回転灯
赤い
大きく開いた口に
暗い
吸込まれていく君
怖い
ゆっくりと滑出す
車体
遠ざかる二つの赤
静か
取り残されたボク
独り
瞳に映る一つの動
白い






■ 最後って言葉はどんな事にもつきまとって いろんな感情をおいていく ■



これで多分
教科書というものをもらうのも最後
小学校から数えて
もらった教科書を積み上げたらきっと
今私のいる2階のベランダより高くなるんじゃないかな
国語、算数、
数学、英語、
生物、化学、
塾の教科書、学校の教科書
自動車教習所の教科書、
解剖、生理、寄生虫…
ここ2年くらいが一番量的には多いかな
こうして人は大人になっていくんだね
こんなに沢山の事を自分は教えてもらったんだね
自分の生きてきた証し
目に見えるほんの一部分だけどね
そういえば
教科書を好きだと思ったことなんて
今まで一度だってなかったけど
何故だろう
今はとてもとても愛しいよ








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