ビューティフル・ネーム
ものにはすべて名前があり。
わたしたち、
ひとりひとりにも名前がある。
名前。
外見が人の表玄関ならば、
名前は言わば表札のようなもの。
カマボコ板で出来ていれば、
「この家、家計が苦しいんだ」
おどろおどろしい筆字で書いてあれば、
「なんか、怖い家」
雨に濡れたシミの跡で文字が消えかかっていると、
「年季、入ってるわー」
カラフルでポップなアルファベット表記ならば、
「なんかオシャレな人が住んでそう」
でもこの「名前」という表札、
本人の断りなしに作成される・・・。
自分の、名前なのに。
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自分の名前は、
自分が口にする事は少ない。
時々は、「私は」「僕は」の変わりに、
「ユキッペ、淋しいんだもん」とか、
「父様、タネヒコは反対です」←真珠夫人の見過ぎ
とか、そういう人もいるけれど。
それにしたって、
自分の周囲の人達の方が、
明らかに自分よりも自分の名前を使う事が多いだろう。
自分の名前、
好きですか？
自分に相応しい、
丁度身の丈ほどの名前が、
あなたには付いていますか？
私の名前は、
聞いただけでも元気で前向きで明るそうな女子がイメージできるような、ちょいと派手な名前である。
そう、イメージ。
そこが大切。
勿論、人間のイメージは、
外見、服装、声、仕事、表情、
様々なものが絡み合って形成されているものだけれど。
名前のインパクトも、
絶対に無視できないのである。
各々が、
その名前に持つイメージは様々なのであろうが。
例えば。
よしこ→真面目そう、生活は質素、やりくり上手
あけみ→派手好き（スナックの名前に多いから？）、魔性の女
まりこ→妹タイプの可愛い女の子
れいこ→美人タイプ、男子の憧れの存在
たろう→長男、両親は真面目で、平凡な普通の家庭に育つ
りょう→ちょっとクールな不良タイプ
だいすけ→勉強よりスポーツが好きな体育会系、女子にモテモテ
ゆうや→バーテンダーやミュージシャン志望のクールなナイスガイ
など。
初対面の人には、
「私、なんていう名前だと思う？」
と聞いてみるのもいいだろう。
「いくつに見える？」
よりは露骨でもなく、また相手が抱くイメージをしっかりと把握する事ができる。
また会社の部長さんや、来客の人を、
「あの人は、○○っぽいよね」
とか、当てっこをするのも楽しいであろう。
クラスメイトにエリコという名前の女の子がいた。
ところが周囲からは「エリコっぽくないよねー」と言われ、
勝手に「トシコさん」というあだ名を付けられていた。
おそらく、みんなにとっての「エリコ」は、
美人タイプでお嬢様とか、髪はパーマがフワフワのオシャレな女の子あたりを想像していたのだろう。
そのエリコは、勉強が出来て、真面目で地味なタイプ、黒淵のメガネに緑のポロシャツ、青いリュックを背負った女子だった。
だから「トシコさん」なの？
つまり「トシコ」はそんなイメージって事か・・・。
本人はどうしてトシコさんと呼ばれていたのか、
皆目見当もつかないようだったので事なきを得たけれど。
なんかちょっとダイレクトすぎるぞ。
また、昔アルバイト先にいたおばちゃん。
意地が悪く、プライドは天より高く、わざとらしくいつも山の手の奥様風口調で話すそのおばちゃん。
どうみても「カバコ」がいいところなのに、
姓は姫なんたら、名は美和子ときたもんだ。
どうやらそのおばちゃんは、
その名前をぶら下げて、自分を過信していたようだった。
名前パワー恐るべし。
また最近の子どもはびっくりするような名前がついている子が多い。
「下條アトム」が精一杯だった私たちの世代とは、比較にもならない。
例えば。
三人兄弟で「杏」「憧」「登路和」（アン・ドゥ・トロワ）
「輝人」でキラト。
「茉莉花」でジャスミン。
とか。
もはやイメージすら喚起されない。
世界に一人だけの名前も素晴らしくはあるが。
日本は、諸外国に比べると名付けに制限が少ない国だと思う。
その分、名前は無限大。
親御さんも迷うだろうし、自分の子どもには特別素晴らしい名前を付けたいと思うのは自然なことだろう。
その位、名前は重要なもの。
だからここで一つ提案。
自分のサブネームを自分で作るというのはいかがだろう。
クラブのお姉さんや、芸能人、役者、作家やアーティスト、芸事の師範さんや家元、俳人などサブネームを持っている人は多い。
でもここは敢えて、特に必要もないのにつけてみる。
もしくは誰かに付けて貰う。
きっと。
あなたのイメージや人生、性格、
ちょっと変わるはず。
よろしければ。
皆様の文面だけを拝見して。
わたくしが勝手にお名前をお付け致します。
皆様、いかがでしょうか？
↑いらねえか^_^;
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