旅立ち


次の病院は1ヵ月後の11月1日。

それからの数日、呼吸は荒いものの元気も食欲もあり
毎日、正午過ぎと寝る前には外に出て遊んでいました。

ところが14日は朝から元気がなく
呼吸が今まで以上に荒い。
ハウスの中は十分に温めていたはずなのに。

急きょ病院へ連れて行くことも考えましたが、
この状態で外へ連れ出すのは反って危険。
家でそっとしておいた方がいいと思い、
もし元気が回復したら明日病院へ連れて行こう。
そう決めました。

この日は出掛ける予定があり、ギリギリまで悩んだけど
傍で見ていたり、時々見に行くだけでも
こちらを気にして可哀想なので
早めに切り上げることにして午後に出掛けました。

3時間ほど外出して帰宅、
舞ちゃんの様子を見たけど変わらない。
夕方5時頃、早めに寝かせてあげようと思い
ハウスの掃除、餌と水の交換。

何時もだったら、この時もハウスから出られる嬉しさで
ひとりパタパタ歩き回るのに
この日は殆ど動かずじーっと終るのを待っていた
舞ちゃん。

ハウスに戻す時、いつも嫌がって
ジジっ!ジジっ!と鳴きながら逃げ回るのに
抵抗する力が弱いし、声も出ない・・・

回復してきてたのに、
一体どうしてしまったんだろう?
低気圧が近づいているという不安もあるけど
今まで何度も乗り越えてきたし、
保温にも気をつけてきたつもり。

とにかく早く寝かせてあげよう。
明日になればきっとまた元気な姿を見せてくれる。
そうしたら病院へ行こう。

この日は何時もより1時間早く
5時半頃寝かせました。
ハウスの上から布をかけ、横からそっとお休みを言ったら
まだ寝たくないという仕草をしてくれたので少しホッ。。。

そして夜11時頃また様子を見に行き、
暗がりの中でいつもの様に
ハウスの角にいる舞ちゃんと目が合い、
うん、大丈夫だ。と思って
またお休みを言って私も就寝。

翌朝6時50分。
様子を見に舞ちゃんが居る部屋の襖をそっと開けた時、
いつもだったら動いている音や
元気な時は、早く早く!と言った感じで
ジジっ!ジジっ!と舞ちゃんらしい鳴き声が聞えてくるのに
この時はいやに静か・・・

うそ・・・やめてよ、うそだよね。
まだ寝てるんだよね・・・

そう思いながら布を少しだけめくって
恐る恐る覗いてみたら・・・




2005年10月15日未明、
舞ちゃんは11歳(推定)の生涯を閉じました。




10年前、迷い鳥だったインコを友人から引き取り
優雅に舞うようにと
「舞」という名前を付けたのにも関わらず
飛ぶのが下手だった舞ちゃん。
その人生の半分は病気との闘いでした。

今回は、病気プラス11歳という老いとの
闘いでもあったようです。
それでも最後まで闘い抜いた舞ちゃん、
本当に偉かった。

セキセイインコの寿命は7~8年とか
10~12年とか言われたりして
未だハッキリしませんが
舞ちゃんは5年も病気と闘いながら
11歳まで生きてくれたことに感動すら覚えます。

こんなに大きな人間の私が
あんなに小さなインコの舞ちゃんから
色んなことを教わりました。
いい相棒だったな。

また何時か、健康な姿に生まれ変わって
私の所に戻ってきてね。
ずっと待ってるよ、舞ちゃん。

見返り

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