月の旅人

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クレーターにできた町ネルトリンゲン

クレーターにできた町ネルトリンゲン


さらにロマンチック街道を3時間ほど進み、街道沿いの小さな商店でトイレ休憩となった。店内のキーホルダーやミネラルウォーターなどの商品は全く売れている気配がなく、観光客のトイレチップで稼いでいるような、寂れた感じのお店だった。チップを取るのに、トイレも綺麗ではない。しかも小さくて行列になってしまうため男性トイレも使用して時間を短縮し、そのお店の向かい側に見えるネルトリンゲンの町を目指した。
出発時間まで15分ちょっとしかなく、行きたい人だけどうぞということだったが、せっかくだから行っておかねばと、妹と早足で町へ向かった。
ネルトリンゲンはなんと1500万年前に巨大隕石の落下でできたクレーターの中心らしく、円形の市壁に囲まれた中世都市である。大戦時の爆撃を免れ、ほぼ完全な形で中世の町が残されている。この付近で、NASAは宇宙飛行士の訓練を行っているようだ。アポロ計画で月に行った宇宙飛行士は、月面とここの地質が似ていることから月面調査の訓練を行い、ここでとれた岩石を月に持っていったという。逆に月から持ち帰った石がネルトリンゲンのリース盆地博物館に展示されているとか。
見たかった~っ!!


横縞のない横断歩道を渡り、町の北西にあたる門『BALDINGER TOR』を目指す。門の横には町を歩く目安となる順路の示された地図が設置されていた。でも、残念ながらその順路どおり廻れる時間などない。
とにかく急ぎ足で目指したのは、ザンクト・ゲオルグ教会の塔、通称ダニエルの塔だ。ロマンチック街道を走っているときにまず見えた、ネルトリンゲンの象徴ともいうべき塔である。89mの高さを誇るこの塔は、教会の鐘楼として1539年に建てられたもので、旧約聖書のダニエルの書の中に記されている「王はダニエルに高い位を授け、統括する者の長とした」という言葉から、円形盆地を上から見下ろし統括するように建つこの塔を、19世紀頃からダニエルの塔と呼ぶようになったという。
ネルトリンゲンのダニエルの塔ネルトリンゲンの歴史は2000年ほど前にまで遡れるそうで、ローマ帝国が宿場を開いたことに始まるらしい。そして監視塔の置かれた駐屯地でもあったらしく、市内の歴史博物館にはローマ時代の発掘品も展示されているそうだ。
ダニエルの塔は中世以来夜警の見張り場であり、現在でもそれは続いているらしい。塔と教会はこの地方で採掘された石を使って建設されており、近くで見るとその中に隕石の破片と思われる黒い岩石のかけらが含まれているのが解るとか。
く~っ、見たかった~!!


頑張って頑張って石畳の道路を進み、5分ほどで塔を望める広場に到着した。できることなら塔に登りたかったが不可能な話なので近くまで来た証として写真に収め、再び早足で来た道を戻った。本当に“歩いただけ”の状態である。いつか、じっくりと観光してみたい町の1つになった。


ロマンチック街道を北に進み、ネルトリンゲンから50分ほど走った所でディンケルスビュールという町が見えてきた。この町も市壁に囲まれていて、中央に大きな教会のある広場があり、それを囲んで美しい切妻の木組みの家が競い合うように窓にたくさんの花飾りを並べている、ドイツの中世の町の典型であるらしい。
が、内部に牢獄があるというローテンブルク門を右手に見て通り過ぎただけだった。
またいつか……観光できるといいなぁ。(/_;)しくしく

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