Apple Bear

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コイン3話 学校での出来事


「話があるんだけど…いい?」
「…いいよ」
好きだ。なりふりかまわず叫びたかった。進はもう行ってしまう。絶対嫌だからーこんな苦しい思いで一生すごすのは。

ーどうせならきちんと彼に伝えたかった。

「進…私ね、初めっから好きだったんだあんたの事。明るくて顔も良くてみんなに好かれるそんなあなたの事がー。でも仲手川が死んだ時の進はー本当に強がってて、後でこっそり泣いてたの見た時なんか私の想像してた強い進じゃなくてさ。」「失望したとか?」
「最初はね。多分皆と一緒でミーハー気分だったんだと思う。でも隣の席になってから優しくて以外に弱い進が見えてきて、でもそのくせ自分の考えはしっかりもっててー初めは友達としての感情だと思ってた。でも一緒にいたいとか自分だけに優しくしてほしいとか、会う時のドキドキは、恋なんだってきずいて。進が恋できないのは分かってた。仲手川を失った進がそんな事考える余裕なんてないってーでもどうしても伝えたかったーこの気持ち。」

「ねぇ、私泉李估は山崎進の事が大好きなんだよ?本当にっ…何でこんなに好きなのかなぁ」

その整った顔に涙がつたうのを見てこんな時に非常識だと思うけど綺麗だと思った。
「本当に…俺だって泉のこと好きか嫌いかっていわれりゃ当然好きな方だし、こんな女子で仲いいのお前だけだと思うけどー俺、今は考えらんない。」
進が言うと李估はその頬につたった涙をそででふくと悲しそうな目で進を見る。「どこに…行くんだっけ?」

「桜梅中。」

嘘だ。
本当はそんな所行っても俺はいなくて。転校した事になってて。
俺はもう、泉と話す事はないんだろうな、と思った。
「そっか。私も行く!桜梅中!」

「は?」

突然の申し出に進は思わず間抜けな声を出す。
「い~でしょ?今は駄目でもいつか好きにさせるんだから!だからっ…」
「泉っ!」

本当は無理なのは分かってた。桜梅中は途中からの編入は認められない。しかし進はIQ300以上の天才だ。途中からの編入でも喜んでうけいれられただろう。進だから出来た事だ。私が入れる訳がない。
「うっ…なんで…いっちゃうのよ…」
「泉…俺…ごめんな。でもリンサは裏切れないよ。」


ー今、声にでてた!?


その言葉を李估が聞き逃すはずがなかった。
「リンサ…っ?何それ?誰?もしかしてその子が桜梅中にいるの?だから転校するの?だからフったの!?」
「あ…それは…確かにリンサには協力してもらったけどさ。そーゆーのじゃないってば!?」
「何それ!私よりその人の方が好きなの!?ねぇ!答えなさいよ!答えてよっ!」「リンサは…そりゃいい奴だけど…そーゆーのじゃないっつってんじゃんか。わかるだろっ?」
「好きなんだ?その人の事。」
「好きだぜ。けどそーゆーのじゃないって」
「ほんとに?」
「…ほんとだって」
「でもその人は進の転校先にいるんでしょ?」
「…ああ。」


これからも今もあの真っすぐな眼差しがむくのは自分じゃない。

あの笑顔がむけられるのも自分じゃない。

今日は4月1日、エイプリルフールだった。誰か嘘って言ってよ。

ねぇ!


くやしいより悲しいって感じ。
進は自分の事をいつか好きになってくれるって少し思ってた。

いつかーなんてないのに。

泣くまい、と努力した。
けれど自分の意志と関係なく涙はポロポロと流れる。どうにもならない。彼は遠いトコにいっちゃう。
みじめだ。
みっともない。
だかそれ以前にまだ彼の事が好きで好きで仕方がない自分を憎んだ。

「ごめんっ…私平気だから。だだちょっと…つらいなぁって。」

進は何もいわなかった。
きっと何を言っても私には言い訳にしか聞こえないから。
肝心な時は黙るんだ。
気を使って。

だから好きなの。

一緒にいたいの。

だけどこれからは彼を見る事はできない。

……っだめだ。また泣くなんて。

でも涙があふれる。

私はその場を立ち去った。
涙があふれてこぼれるその前にー。

「あいつー泣いてた。…俺だってつらいじゃんか。」
泉の真剣な気持ちに真剣に答えたかっただけなのに。

バカだ、俺。

こんな時にリンサに会いたいなんて。

会って相談したいなんてさ。

泉はかわいいしいい奴だから俺なんかより絶対良い奴いるのに。
何でこんなに泉の事傷つける俺なんかを好きになったんだよ。でも泉は他の女子とは違った。悪いトコは叱ってくれるし考えもしっかりしてる。

わかってた。

多分俺の顔だけを見て好きになったんじゃないって事くらい。
でも今の俺はどんないい奴も好きになれない。そんな事してる場合じゃねーもん。
リンサとは違うタイプだ。
リンサはメチャクチャで考えなしに何でもやっちゃうもんな。でも優しくて健の事もちゃんと考えてくれる。いい人だ。


「あんたのせいじゃないわよ。」


「!!」


この声は!

「リンサ!?いたのかよ?」
「ずっと見張ってるって言ったじゃない」

「言ってない、言ってない」

そう言い進が手を横にふるとリンサは少し顔を赤くする。
「言ったっていったら言ったの!分かった!?」
「はい」
リサってけっこう天然?
「ところでさっきの話なんだけど」
「え、リンサ…全部聞いてたんだ…」
「ええ」
「あれってやっぱ俺がいけないんだよな?あいついい奴なのに…泣かした。こんなんじゃ誰も守れないよ。守られるんじゃなくて守りたいのに!俺は何もできないッ!」
「分かってる。これから訓練して強くなりゃいいって。それに…泉さんといつでも話せるよ?」

「へ?」

「家族や友達をのこしていきたくないアテライトにはこう言うの。星には異星電話があっていつでも話せます。しかも映像がついてて向こうの顔も見れます。あと映像テレビもあっていつでも相手の姿が見れます。手紙もポストにいれれば着くようになっています。そしてなんと!アテライトで良い成績をとれば地球に遊びに時々帰れるようになります。だから全然心配ありません。ってね。だからあの子にもいつでも話せるわよ。」
「そうなの!?リンサ、ありがとな!」
「そーいわれると照れるんだけどな…」

「…俺、リンサの事好きだよ」

優しい笑みを浮かべ言ったスー。
「へ!?」
「あ!違うって!ただそーゆー性格ってゆうかさ、友達になってたら俺ら普通に仲良くなってたかもなっ!」

「そうね」

いい奴じゃん。
こんなアテライト初めてよ!この人は他の人とは違うと思った。ちゃんと私の中身をみてくれてる。

「じゃ、よろしくなっ」

そう言って笑った君が素直にかわいいと思った。
でもそのくせスポーツやってるあいつは信じらんない程かっこよくて。そう、リンサが見張ってる時体育の授業でバスケをやってた進は本当にかっこよかった。点もばんばんいれてて、汗をかきながら一生懸命に走る君は、本当に素敵だったんだ。かわいくて、でも本当にかっこよくて、今までいいよる男の中にはまぁまぁかっこいい奴はいたけど。こんなかっこいい奴はいないんじゃないかって。それにあんなに性格のいい奴はいないんじゃないかって思った。


終わり。
やっぱ才能がないっ!新キャラの泉は学校のアイドルで怪力の持ち主でも普通の女の子だったって事らしい。てか進はけっこうやんちゃで元気。でも怒るとリサの事アンタっつって真剣になる!

質問・感想・修正点等あったらどんどん言ってください♪



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