Apple Bear

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コイン6話 ほんとのリンサ


化物とか言った…謝んなくっちゃな…。

「進、あれがリンサ!?私じゃ確かに勝ち目なしね~!あんな美人見たの初めてッ!」
「ああ…ただの美人じゃないぜ。気が強くって、しっかりしてて。優しいんだよ…」

自然にでる言葉。

リサが本当に鬼だったらわざわざ泉と俺の事気ずかったりしない。
バカすぎて…自分にあきれた。一度でもあんなヒドイ事言って傷つけたんだ…。「泉っ…」
「ん?」

「やっぱ俺、アイツが好きなんだ。」

「な!ノロケてんじゃないわよ!?」
「そーゆー意味じゃないんだけどさっ…///」
「でも私と会った時、優しい顔で「あいつをよろしく。私じゃ駄目なのよ。嫌なトコいっぱいあるから。」って言ったの。あんな事言う人が素敵じゃないはずないものね。いきなよ」

「え?」

「あの子と喧嘩でもしたんでしょ?」
「すっごい…ありがと!俺行くよ!後でまた電話して!」

プチッツーツー…。

(本当に…まっすぐすぎるくらいまっすぐね…貴方は…私も負けない!あの二人に間がなくても、絶対にっ!)

李枯は電話を置くとベットに横になった。



悲しい。

本部に通信しなきゃいけないのに、手が動かないよ…体が動かないよぉ…。

人形になったみたいに…ただひたすら私はその場を動かなかった。

「死のう?今私死のうって思ったの?―だめだ!両親を生きかえすまでー私は死ねない!」
そう言って通信機をとった。

これは罰なんだ。

あの時何も出来なかった自分に対しての。

私は死んでもいい。

今まで生きてきたのは二人を生きかえすため。

ほんとならもうとうに死んだ身。

つぐないすらできないなら今生きてる私は何だかわからなくなっちゃう。

あの事件で皆死んだ。

初めはシャプライズを殺そうと思ったけど、それで二人は生きかえらないと師匠に教えてもらった。

だけどそんな師匠も死んだ今。

泣くに泣けなかったけど、ずっとおしころしてきたけど。


会いたいよぉ師匠!


誰もアテになんなくて両親がいなくなり、死にそうだった私にあたたかい言葉をかけてくれた師匠。

師匠の為にも両親を生きかえすんだ。


ピー。通信完了。


通信機がなり私はびくっと肩をふるわせた。
私はプロテクターだ。
しっかりしないと。

「こちらはマキラ星情報部。」

「こちらリンサ。」

「誰だ?番号と所属する支部を言え」

そうか。センじゃないんだった…。
「えープロテクター、ΝΟ,112。リンサレットワンス・リィランレートであります。」

「そうか。ではリンサレット、何か報告があるのか?」

「はい。実は…」

ぶちっ!

「!!」
回線が切れた。

これは!?

「何やってんだよ!」
気ずくと回線のための線が引き抜かれてた。
「何するのよ、スー」
リンサの後ろで線を抜いたのはスーだった。
「それはこっちのセリフ。いい加減目をさませよ!気ずけって!リンサ!」

「あんたに…何がわかるのよっ!何がわかるのッ!!?」

「…わかんないよ。」

「!?」

「わかる訳ないじゃん。俺はアンタじゃねーもん。でもな、今アンタがやってる事は間違いなくおかしいよ!ほんとにアンタの意志なのかよぉっ!」

スーは涙を流して私に言った。

「何よ…」
「?」
「何で私がスーなんかの言うこと聞いてんのよっ!」

そう言ってリンサは通信機を鞄にしまった。

「それがアンタの意志だからだろ?」

スーはにやりと笑ってそう言った。


私の…意志?


「アンタが両親にこだわってるのはわかるよ。でも違うだろっ!友達を裏切ってまで生きかえらせて欲しいなんて、アンタの両親が思ってると思うのかよっ!?」

「…それは!」

「両親は自分が生きかえるよりアンタが友達と幸せに暮らすのを願ってるんじゃないのかよっ!?両親生きかえして自分は死ぬなんて、そんなのアンタの勝手な考えだろっ!?少しは両親とか…俺とその上官の気持ち考えろよ!淋しいじゃんか…俺はアンタが死ぬのなんか嫌なんだっ!だから勝手に死のうとなんかするなよ…頼むからっ…」
「スー…」
そっか。皆の気持ちなんか全然考えてなかった。スーをこんな悲しませるなんて…思わなかった。いつも元気なスーがこんな感情的になり私が死ぬのは嫌だって言ってくれた。両親以外は皆他人だと思ったのに…ダメだ。スーが…身内以上に大切な友達だって…気ずいちゃったじゃない。上官の優しい言葉思いだしちゃったじゃない。

「両親以外にも…アンタの味方はいるじゃないかっ!だから少しは…少しでいいから…俺たちのそばにいろよぉっ!!」

スーの言葉に目がさめた。両親ならいつでも生きかえせる。今無理しなくても生きかえす。無理してまで、スーやセンを失いたくないって気ずいちゃったから。

「ごめん…ね?」

「まぁ…許してもいいけど?ただ…アンタが無事でよかったよ。」

「スー…。ありがと!スーと上官のおかげよ!」

「へへっ…」


そして私とスーは談話室に行った。
談話室の中は広かった。小さな宝玉なようなものが部屋の隅にありそこから暖かい風がでてるためこの部屋はあったかかった。かわいらしい小物がタンスの上に並び、丸い形のシンプルでかわいいテーブルにふわふわの座りやすそうなピンクのソファーなどの家具もそろっていた。
二人はそのふわふわのソファーに座る。
そして星についてからの事をスーに説明した。

「…それで、このまま順調に行けばあと一日でマキラ星につくわ。そしたら私とスーはもうお別れ。アテライトはだいたい科学者になったり魔法使いになったりする例が多いから二度と会う事もないかもね。会いたいから会わせてもらえるって訳じゃないから」
「…でもアテライトって不思議な技使えるんだろ?それで逃げ出したりできないのか?」
「無理ね。まだ訓練もしてないし弱っちい魔派をだすくらいが限界。訓練はほぼ毎日あるから。訓練は死ぬ程やるって訳」
「ええっ!じゃあまさか一生訓練で終わるとか!?」
「それはないわよ。だって貴重な存在のアテライトはちゃんと訓練の時間も決まってるもの」
「な~んだ…よかったぁ…って、じゃあ何で!」
「ものの例えよ。」
「って、アンタはいっつもそればっかじゃんか」
「例えは必要不可欠なの。わっかんない?」

「アンタはどうなんだよ?」

「ん?」
「大切な友達の…センってやつ…早く手伝いたいんだろ?」
「まぁ…」
「アンタってつくづくお人好しだよな。」
「そうじゃないって。シャプライズは恨んでるけどやっぱ上官が努力してるんなら手伝いたいし、守りたいって思った」
「やっぱりそうじゃんか。それがアンタの…リサの意志なんだから仕方ないよな。俺も手伝うよ。」
「スーが?」
「うん。ずっと訓練じゃ疲れるし。リサ…って一人で手伝う気だったのかよ…?」「まぁね」
苦笑いを浮かべてリンサは言った。
「はぁ~よくそんなんで今まで生きてこれたな?」
「まぁね」
そして二人して笑った。

「でもどうするんだよ?星についたらそのなんとかっていう宿舎にはいるんだろ?」
「『スィーミクル』ね。それはシャプライズさんの力でダミーと時々入れ替わらせてもらえば…」
「へーっ!でも厳重警備なんだろ?俺だってまだ子供だし。そんな所から逃げきれるのかよ!?だいたいその力ってなんなんだ?」
「それはっ…。」

続。中途半端ッ!とりあえず今日はここまでにしときます。
次も一気にアップするのでしばらくかかるかも。

それでは!また見て下さい!
これからもよろしくお願いします!!



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