2020.09.09
カテゴリ： 読書感想
堅い本の合間に読む柔らかい本です。
即答力なんて本を読んだだけで身につくはずがないのは誰でもご存じでしょう。
会話というものが、テレビに出てくるアナウンサーや芸人のような気の利いたものだけであるわけがありません。
私の場合、すぐに誰かの話に反応してゴニョゴニョ言ってしまいます。
即答力があるのかないのか甚だ疑問ですが、でも相手の言うことが理不尽だったり自分と違う意見の場合は何と言っていいか分からず黙り込んでしまいます。
そうしていつまでもそのことについて考え、言葉が発せられた原因をずっと分析したりしています。人には色んなタイプがあります。何か言って終わりの人もいますよね。
この本は、即答力が大事なのは、自分が目立ったりまず先手を取ると言ったことではないと言っています。「人の話を全部聞ける柔軟性がありながら、センスよく、人に不快感を与えない程度に自己主張をする」とあります。結構ハードルが高いですね。
また言えばいいというのではなく、すぐに次の問いが返って来るように発言するのが大事だと。これはよく言われますね。大切なことでしょう。（でもあまり出来ない、客観的にはなかなかなれない）
また、会議などで、自分が準備していなかった質問や回答を求められた場合、咄嗟に当てずっぽうや思いついたことを言ってごまかしてしまう場合があります。
そんな時、わからない事ははっきり「分かりません」と答えるのも即答だとあります。それはそうですよね。この場合、「いつのどの時間までに解答します」と具体的な回答期限を作るのがいいようです。
即答力は誠実さと正直さが必要なそうです。
読んでいく内に「おうこれは」と思った部分がありました。書いてみます。
「口が堅い人が『成功する人』の条件となる」
口が堅いことは信用に関わること。コミュニケーシュンを上手ﾆしようと思って気の利いたことを言い、人に好かれようとする。
いいことは発信しなければならないと思って、人のプライバシーや秘密をネットで発信したりする。これはダメです。
自分がどれだけ口が堅いか、胸に手を当てて考えるべきです。
成功している口の堅い人は黙っていてもパワーがある。
寡黙であれ。元気であれ。明るくあれ。と著者は書いています。
もう一つは、同じ事をしていると、少し高い所へ行くには「これは挑戦だな」と思う場合があります。その時はちょっと無理をして、挑戦してみる。
それが身の丈から脱し新しい自分の土台を高める事になります。
自分で目標を決めてコツコツ頑張るのは大事。しかし、そこに安住しているといつまで経ってもそのまま。その後は行き詰まりがやって来る。それまで掘り続けてきたトンネルが固い岩盤に突き当たったようなもの。
そんな時どうするか。今までと違う事をしなければならない。意識を変えなければなりません。
まず重要なのは人脈です。岩盤を突破するのに必要なのは、自分を助けてくれる人と、支えてくれる人、応援し、力になってくれる人です。
二つ目は、組織の力。個人の力ではなく、組織を巻き込む力が必要です。人と組織の力を借りて更に自分の行動力を拡大していかねばなりません。
こういう総合的な洞察力が要ります。
つまり突破力なのでしょう。耳が痛い言葉です。安住し、狭い所にいるとそれがなかなか気づかないのです。
この人は長年「暮らしの手帖」という本の編集長をしていて２４時間、この本の事を考えているそうです。
だからか、もし突発的な何かがあった時の注意や仕事の優先順位の柔軟性についてなど、現場で培った仕事のエッセンスが書いてあります。
即答力とは何なのか？
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