桃さんの読書日記

桃さんの読書日記

2020.10.21
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カテゴリ: 読書感想
タックスヘブンと言う言葉を誰でも聞いた事があると思います。
大金持ちが税金を逃れる為に自分の国から別の国に財産を移し、様々な画策をしています。それほど日本の税は重いと言っていいのでしょうか。
例えばシンガポール、ケイマン諸島、スイスなどの国です。

この小説の主人公は元野村證券の営業員でしたが、きびしいノルマに嫌気がして転職しシンガポールのバンカーになりました。
資産を持つ富裕層を相手に、租税回避の手伝いをし、資産運用する仕事です。
主人公はまずある会社に入りますが、ちょっとした事からまた転職し、別の会社に移ります。

客は日本人が殆どですが、いずれもそれぞれの事情でシンガポールに滞在しています。
ひと財産築き、もうこれ以上稼ぐ必要がなくなってすごろくの「あがり」のポジションとなった人。
または相続税対策のために5年間だけシンガポールにいる人。海外で5年間生活すれば海外資産に日本の相続税や贈与税は課されないのだそう。
そういう人々に主人公の杉山は口座を作らせ、保険や貯蓄、資産運用全般のアドバイスをしています。

対象者は日本での資産が10億以上の人。中には数百億の人たちもいて、主人公達が取ってきた口座に合わせて報酬が支払われるのだから彼らは自ずと高収入です。
しかし日本から、国税局職員が調査に入っていて目を光らせていますし、油断は出来ません。

他にも様々な成功者が紹介されます。IT長者や伝説の先物相場師など…
日本には1億以上の資産を持つ人たちが220万人いるそうです。
そのような人たちのニーズがあるからこそ、このような資産管理業が成り立つのでしょう。

読み終えて、これは小説なのか?と思いました。
最後に元上司の逮捕騒ぎがありましたが、淡々と業界話を説明しており、起床転結がありません。途中で飽きて読むのを止めようかと思いました。
けれどまた盛り返して面白くなったのでどうにか完読しました。

こういうのが小説でいいのか、という疑問がまだ残ります。実名の人物が次々に出て来ます。ルポではないのか?
私は単純に、富裕層の人たちの空しさを感じました。
上がりの人生となった人、若くして財産を築きもうすることがなくなった人の空虚さがヒシヒシと伝わって来ます。
その人たちは恥ずかしそうに、人と群れず、孤独な生を生きています。
そしてプライベートバンカーたちの仕事も基本的にはサラリーマンと一緒です。
部下の仕事をかっさらったり、失敗を責任転嫁したり。金額が大きいだけに、皆ずる賢く立ち回っています。

気になったのはこんな高収入の主人公なのに、金銭感覚が細かいところです。
病気で100万の治療費を払わなくてはいけなくなった時に、オーナーが支払ってくれたと喜んでいますが、それくらい自分で払えよと思ってしまいます。
小さいことがケチなのです。かといって大きな支払いは迷わず出すそうですが。金銭感覚がおかしいです。
一体お金ってなんだろう。幸せの手段ではあるけれど、期せずして目的となってしまったら、その先はどう考えても退屈な日常など不幸が待っているとしか思えないのです。

読んでいる間は興味津々でしたが、本を閉じると同時に消えてしまいます。自分と縁のない儚い世界でした。






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最終更新日  2020.10.21 09:00:06
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