arisize room

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それだけのこと。 +3




            1つのイスに
            ヌイグルミを2体
            座らせた。

            むりやりに
            ヌイグルミを乗せたから
            1体が転げ落ちてしまった。

            私は、そっと直した。
            元通りに直した。

            1つのイスに
            ヌイグルミを2体
            座らせた。

            ただ、それだけのこと。

            たった、それだけのこと。






    『変化』


    変わっていく自分が
    楽しい?
    それとも、嬉しい?

    理想通りに変わっていけたなら
    楽しい。
    きっと、嬉しい。

    でも、理想通りに変わらなかったなら?
    悲しい?
    それとも、腹立たしい?

    私が私らしく変わるためには
    どうしたらいい?

    いつも他人が喜ぶ事を考え、
    いつも他人の機嫌を窺い、
    いつも失敗に怯え、
    いつも笑っていれば、

    私は私らしく変われるのだろうか?

    私が私らしく変われない事を知らないという振りをしていようか?

    その方が、よっぽど、私が私らしく変われるのかもしれない






            『身体』


            これは私の身体
            あなたの指は私の肩をなぞる

            とても不思議な感覚が私を誘う

            あなたの唇が
            肩だけじゃなくて
            指や腕や首やうなじや背中や胸の辺りを
            そっと掠めていく

            とても不思議な気分に包まれる

            これは私の身体
            だけれど
            何所までが私の身体で
            何所までがあなたの感覚だろうか

            とても不思議な闇に包まれている

            これは
            あなたの感覚を持った
            私という名の愛しい身体・・・






            『ある日』


            僕は疲れていました。
            ココロもカラダもクタクタで
            立っているのもやっとです。

            突然、暗闇が訪れ
            僕はひたすら眠りました。
            何度寝返りを打ったか解りません。
            どの位寝ていたのかも解りません。
            ただ、解るのは
            僕がひどく疲れていて
            僕がひたすら眠ったという事実だけです。

            起きても暗闇に包まれていて
            言いようのない焦燥感が
            僕を襲いました。

            急いでカーテンを開け
            ユメとゲンジツを確認し
            僕はホッとしたのです。

            街灯が灯っていて
            深く吐いた溜息が
            窓を白く色付かせていました。

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