アルネのやねうら

アルネのやねうら

ダウン症の赤ちゃん


不妊治療の末やっとできた待望の赤ちゃん。その子はダウン症で、心疾患を合併していた。手術しなければ生きることができない。でも、両親は頑なに手術を拒む。結果的には最終的には手術するんですが・・

このドラマを見た時、私はBちゃんのことを思い出さずにはいられませんでした。
Bちゃんはダウン症でした。うちの病院で生まれた赤ちゃんです。
見た目は元気そうでしたが、ミルクを飲ませるとBちゃんの顔はすぐに青くなりました。検査すると、Bちゃんにはひどい心疾患がありました。
小児科医は、小児科手術ができる病院に紹介状を書き、Bちゃんは退院しました。

それから数ヶ月立ち、Bちゃんがうちの病院に再入院してきまいた。
それは、ホスピスケースとしての入院でした。

Bちゃんは退院後、紹介先の病院を受診したそうです。
そこで「手術しなければ助からない」と言われたそうです。
Bちゃんの両親は「手術をしない」という選択肢を選んだのです。

Bちゃんは風邪を引き、それがキッカケとなり、もう助からない状態になっていました。
せめて生まれた病院で死なせてあげたい、との願いで、Bちゃんはうちの病院に再入院してきたのでした。

チアノーゼは悪化し、血圧も下がり、Bちゃんの呼吸は荒くなり、あっと言う間に状態は悪くなっていきました。
そして、入院して数時間後、Bちゃんは亡くなりました。

数ヶ月前、「おめでとうございます!!」
と言われながらこの世に生まれたBちゃんは、生まれた病院で亡くなったのです。
子供が死ぬというあまりにも残酷な現実に、私は茫然としてしまいました。
そして、「なぜ、手術しなかったのか」と考えるようになりました。
Bちゃんがダウン症だから?健常児なら手術していたの?命に違いはないのに・・なんで??
・・・だけど、一番辛かったのは私達医療従事者ではなく、ご両親だったのは確かです。
斉藤英二郎のように、手術を強要することはできません。
矛盾や憤りを感じながらも、何が正しくて、何が間違っているのか分からなくなりました。

もし、あのドラマを見た人なら、もしかしたらBちゃんのご両親を責める感情が出てくるかもしれません。
でも、そんな簡単じゃない。現実は、ドラマのようにはいかない。
どうすればよかったのか、私には分かりません。
考えて、簡単に答えの出る問題ではありません。

せめて、天国で楽しく過ごしていてほしい・・そう願うばかりです。

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