★パズル☆第三章~自転車~


起きて一番に思うことはアツイという一言だけだ。
服を着て、顔を洗って、歯を磨いて朝食を食べる。
家にはもう誰もいない。
もう時間は10時を回っていた。
ケータイには着信のあとがあった。
犯人は親友の杉浦龍史だった。
僕はとりあえず電話をしてみることにした。

「かいとー!!!おまえなにしてんの???今日スポーツ大会だって忘れたか?」
ああそうか・・・・。このくそ熱い夏に球技大会なんてするのか・・・・。
「今から行ったらなにあんの??」
龍史がしゃべるその背後から女の声がする。
たぶん・・・いやきっと彼女なのだろうと思った。
「海人、午後からドッチだろ?あとクラス全員100㍍リレーとか。」
「なら今からいくは・・・。」

自転車に乗り駅まで向かう。
家を出ると森を抜けて田んぼ道に出る。
その森の少し高いところにかつて柳川夏果が祖母と住んでいた家がある。
洋風の石でできた門に古い古城のような家である。
近頃は誰も住んでいなかったようだが
最近になってたまに煙突から煙が出るのがみえる。
夏果がたまに釜を使ってなにかを作っているのが目に浮かぶ。
僕はその家に入る路地の前でとまった。
夏果が庭で花を積んでいるのが見えたからだ。
「夏果!今から学校行くけど一緒にこんか?」
夏果は着替えてくるといって家の中にはいっていった。

学校にはまだ入学手続きはしていないようだ。
もしかしたら夏休みだけこっちにいるのかもしれない。
僕はまだこのときこのわだかまりが、何なのかわからずにいた。
けれどこれだけはわかった。
夏果と一緒にいたいと・・・・・。

自転車の荷台に夏果が乗った。
この熱い熱い空のした、僕は駅まで自転車をこいだ。



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