★パズル☆第五章~熱湯の中の冬鳥~


都会のような繁華街の騒音や人ごみの中の雑音がないせいか
駅を出たらすぐに学校から聞こえる応援の声援が聞こえた。
山に響き、風に流れ、夏の暑いこの空に響き渡った。

夏果はおもちゃを買ってもらえる子供のように
きらきらと目を光らせていた。

学校に着くと騎馬戦がおこなわれていた。
僕のクラスは青組みだったので応援席は校庭の入り口からすぐだった。
クラスのみんなに見つからないようにこっそりと応援席に座った。
この炎天下の中夏果はノースリーブにミニスカートだったので
僕は持ってきていたジャージと帽子を夏果にかぶせた。
後ろから龍史とその彼女青山景子がやってきた。
「海人!やっときおった。」
僕は龍史の言葉より景子のことがきになった。
「海人・・・久しぶり。」
少しの間沈黙が走ったあと龍史は夏果に目をやった。
「かいと~!!!めっちゃ可愛いじゃん。か・の・じょ」
「ばっ・・・そんなんじゃねーよ。」
僕からはよくよく見えなかったけれど
夏果の顔色があまりよくないようにおもえた。
「海人、龍史、そろそろ男子の競技始まるわよ?」
景子が掲示板を見ていった。
「じゃ俺ら行くから。」
龍史は僕の腕をつかんだ。

校庭の真中から今さっきまでやっていた騎馬戦の選手が退場していった。

熱いこの熱気の中僕らの間に冷たい風が吹いた。



© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: