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食事の料金はきっちりと沙紀が払った。お酒を飲んでいる間も、ここの料金は払うんだって自分に言い聞かせていたおかげで、忘れずにおごることが出来た。沙紀は、自分が沖田先輩に食事をおごるという事が、なんだか少し嬉しかった。
店を出ると、腕時計をしていなかった先輩は沙紀に時間を聞いた。終電まではまだ時間があった。
「どうしようか。もう一軒どこかで飲もうか。」
先輩の提案に、沙紀は同意した。沙紀も、まだ帰るには早いなあと思っていたところだった。気持ちがシンクロしてるみたいで、沙紀はまた嬉しくなった。
先輩がどこの店がいいだろうと思案しているのを見ながら、お酒の回っている頭が心地よくて、先輩と居るのが心地よくて、沙紀は幸せな気分になっていた。
なんだか楽しいなーなんて思いながら空を見あげて沙紀はつぶやいた。
「あー、やっぱり星は見えないなあ・・。」
沙紀の言葉に、沖田先輩も空を見上げた。
「確かに、周りがこれだけ明るいと星は見えないよね・・・。」
「私、最近星を見るたびに地元は良かったなーって思うんですよね。ほら、高校の帰り道とか、見上げればいくらでも星が見えたじゃないですか」
沙紀は普段よりも呂律の回らない声で言った。
「確かに地元の星空は良かったね・・。まあ、でも、僕はこの街にはこの街の良さがあると思うなあ。・・・そうだ、次のお店に行くの中止にして、別の場所に行こうよ。」
「え、別の場所ってどこですか?」
「食事をおごってもらったお礼に、いいもの見せてあげるよ。」
眼前に美しい夜景が広がっていた。足元に見える木々の間から、遠くの山すその辺りまで、光の群れがキラキラと輝いている。沙紀は腰の高さほどしかないフェンスのそばで、その景色に見とれていた。
「・・・どう?」
「・・・・・すごい、きれいです。・・言葉も出ないくらい・・・」
沖田先輩が沙紀を連れて来た場所は、先輩と沙紀が通っている大学の屋上だった。大学はこの街の高台にあり、その中でも今二人が居る校舎は、大学内で一番高い建物だ。そこからはほとんど街の全貌を見渡すことが出来る。
「街の明かりのせいで星の光は消えてしまうけど、その明かりも見方を変えればこんなに綺麗な光なんだよね。」
「ほんと・・。私、今までこの街のこんな夜景見たこと無かったです。」
「ちょっとはこの街のこと好きになるでしょ?」
「うん、なります。」
屋上は風が少し強くて、酔っている沙紀には心地よかった。眼前の夜景も、本当にきれいで、この場所に連れてきてくれた先輩に感謝した。
この屋上は、普段は人が入れない場所なのだが、先輩の研究室では実験をこの屋上で行っているため、沖田先輩も鍵を持っているのだそうだ。
「普段は大変な研究だけど、その立場を利用してこの夜景が見れるって思うとちょっと得した気分かな。」
「ほんと、すごく良い場所。」
「ここが、僕がこの街で一番気に入ってる場所かな。」
今日は沖田先輩に、お気に入りのお店とお気に入りの場所に連れてきてもらった。沙紀は、先輩が気に入ってる場所に自分を連れてきてもらえたと思うと、とても嬉しくなった。
「ちょっと寒い・・」
沙紀は、ほとんど無意識でそうつぶやいた。お酒が回っていたし、それまでは寒くなかったのだけれど。沙紀はそう言うと本当に夜風が冷たくて肌寒い気がしてきた。肌寒いから、先輩とくっついていれば温かいだろうなあ、そばに来てくれないかなあなんて、沙紀は思った。
すると先輩は、まるで沙紀の気持ちを読んだかのように、そっと近づいて沙紀の肩に手をまわした。
「僕も、ちょっと寒い。」
沖田先輩はそう言って、さらに沙紀を引き寄せるように腕に力を入れた。沖田先輩の体温を感じて、沙紀は、自分のつぶやいた言葉の意味を悟った。ああ、自分は、沖田先輩と近づきたいから、寒いような気がして、寒いってつぶやいたんだ。
「寒い、ですよね。」
「うん、少しね。風に当たって酔いが覚めてきたかも。」
「寒い、から、肩を抱いてるんですよね。」
「・・うん、それもあるけど、それだけじゃなくて」
「それだけじゃなくて」
沙紀の心臓が高鳴った。もう、寒さは感じてなくて、体の芯のほうから熱が出てきて感覚が麻痺していた。
「なんとなく、もっと近くに寄りたかったから。」
先輩の言葉が嬉しくて、嬉しくて、沙紀は泣きそうになった。今日は、先輩から嬉しい思いをさせてもらってばっかりだと思うと、余計に嬉しくなった。
そして、本当に涙がこぼれた。
いつから先輩のことを涙が出るほど好きになったのだろう。ああ、きっとお酒のせいか。それともこのきれいな夜景のせいだろうか。なんて考えながら、沙紀はとにかく先輩に抱かれていることが嬉しくて、心地よくて、とても幸せな気分だった。
沙紀は、いつのまにか、こんなにも深く沖田先輩のことを好きになっていた。
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