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2005/08/26
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カテゴリ: 雑感
教わらなかった会計 経営実践講座 教わらなかった会計 経営実践講座

前回のおまけ話です。

Eへの増資については、Jの意思でできますが、
邦銀のスイスにある子会社銀行からお金を借りることは、
ただ「貸してください」「はい、お貸しします」
なんて、そんな気前のいいことはしてはくれません。
「担保を出しなさい」
と日本の子会社銀行はこう言います。



担保の方法としては、
 1.保証
 2.保証予約
 3.経営指導念書
 4.無保証
とあります。

スイスにある日本の子会社銀行は、
Eの親会社であるJに保証を要求します。
でもJは保証はしたくない。できれば保証予約もやりたくない。
そこでJは、今後責任を持って、この25億円借りたその範囲において
Eの経営を指導することを銀行に約束します、という念書を入れます。

(ちなみにバランスシートの注記というのは、1の「保証」だけでしたが、
 いまは、1から3が全部「保証」になります)

会社としてはなるべく無保証にしたい。
無保証で借りたいと、銀行と折衝・交渉します。
今回の場合は、交渉した結果、経営指導念書になりました。


ここまでは大した話ではありません。

M&Aが新聞に出る数日前、金児さんにトップから電話がありました。
「金児君、君は日本の銀行をいじめているんじゃないか。
 世に言ういじめである」
「私はいじめてはおりません」
「いや、経営指導念書なんか出して、それで向こうが納得するというのは、
 よっぽど金児君がいじめたからだと思う」
こうトップに言われました。
つまり向こうは本当は嫌だった。
銀行としては、保証ないしは保証予約をもらいたかったと。
(ちなみに保証予約とは、将来のある時点で、銀行が保証してほしいと、
 Jに言えば、その時点でJがEのために保証状を出すということで、
 経営指導念書よりも上位にあるというものです)

それからM&Aが新聞に出て、その日本の銀行の副頭取Hさんから
金児さんにお祝いの電話がかかってきました。そして
「これからおたくのトップの方にお祝いの手紙を書きたいが
 どうでしょうか」と聞いてきたので、
「2,3日後に届く手紙よりも、今日新聞に出たのだから、
 今すぐトップに電話をかけるほうがよいと思います」
と答えました。
その時、金児さんはトップに叱られた話をして、
「私は、あなたの銀行をいじめていますか」
と言ったら、Hさんは、
「そんなことはありません。
 合意のうえで経営指導念書を出してもらったのですから、
 金児さんにいじめられたという気持ちは私は持っていません」
と答えました。

そして、HさんはすぐにJのトップに電話をしました。
そして「おめでとうございます」と言ったら、
「どうもありがとう」のお礼の後で、トップに、
「あなたは昔からの知り合いだからお尋ねしますが、
 何で金児君ごときと折衝して、
 経営指導念書でお金を軽々しく25億円も貸したのか」
というふうに詰問されてしまいました。

要するに、なぜ保証を金児から勝ち取らなかったのか。
そんなことで金児に屈服するようでどうする、と。

Hさんもトップを尊敬していて親しいので、
「金児さんと一生懸命に二人で話し合った結果、
 こうなったのですから、それはそれで私どもは結構です」
と答えたのですが、それに対してトップは、
「とんでもない。おたくの銀行はそんなこと、
 そんな甘い経営をやっているから、不良債権が増えちゃったのだ。
 そして世間を騒がすような状態になっちゃった。
 ちゃんとした経営をやっていない」
こう言われてはH副頭取はぐうの音も出ません。

それで「叱られた」ということを、
今度はHさんが金児さんに全部連絡してきました。
「金児さんがトップに叱られた話を聞いておいて良かった。
 それで私もこういうふうに叱られたけれども、
 金児さんが叱られたというと何か一脈通じるところがある」と。

新聞発表から2,3日して、金児さんはトップの部屋へ呼ばれました。
そうしたらトップは、
「銀行のH副頭取からお祝いの電話がかかってきたので、
 とりあえずお礼は言ったけど、おたくの銀行は全くなってない。
 金児君ごときにやられて、経営指導念書を出させて、
 それで担保を取ったなんていうふうに思っているような
 甘っちょろい経営をやっているから不良債権を抱えちゃうんだ。
 うち以外のところでいっぱい債権放棄したり、国から援助を受けたり、
 そんなことをやるような、そういうことになるというのは、
 きちっと経営していないからなんだ、と厳重に注意しておいた」
と言うのです。そして
「ここにある、C1、C2、C4、C5というのは、
 全部世界的な優良会社だ。世界的な優良会社にEは製品を売って、
 お金がまだ入ってきていないのは売掛金。
 Eのいいところはそこだけ。
 ずっと赤字だし、100億円も累積損失があったし、
 100億円も借りていたし、士気も衰えているから生産性は上がらない。
 そして、売れば赤字になっちゃう。そうなって、もう全然力はないから、
 悪いものばかりで、いいものたるや売掛金だけ。
 その売掛金は、ここでつくった製品を原材料として買ってくれる
 世界的な優良会社にものを売っているのだから、
 この売掛金は優良債権だ。ある意味じゃ超優良債権だ。
 なぜ、このちゃんとした超優良債権の売掛金があるのに、
 それを担保に出せというふうに、あんたは言ってこないの」
と。
「そういうふうに言っておいたから、承知しておくように。
 だから、いずれ近いうちに経営指導念書はお返ししますから、
 売掛金を担保としていただきたいというふうに、
 H氏が金児君のところに来ると思う。
 そうしたら受けてあげるように。
 経営指導念書っていうわけのわからない、ふわふわしたものを出して
 君も納得しているけど、何で銀行に保証を要求しなさい、
 というくらい強く言ってあげないのか」
なんて言われてしまいます。
金児さんからすれば、無保証をねらって仕事をやっていたのですから、
引っくりかえる話です。

さらにトップは続けました。
「H氏がもし、経営指導念書はお返しします。
 25億円の担保として売掛金をくださいと言ったら、
 即刻、言われる通り売掛金を担保として差し出し、
 そのかわり、この25億円の金利を下げてくださいと言うように」
と、トップ命令を出しました。
そのほうが大変です。
さすがトップは、ただじゃ起きません。
そういう経営をしていかなければ、
会社というものはアッという間にダメになってしまうのです。

トップはしたたかです。







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最終更新日  2005/08/26 09:01:46 PMコメント(0) | コメントを書く
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