鎌倉日記(極上生活のすすめ)

基礎講座ボタンのかけ方


 いつでも、ボタンを掛けていれば、いいというわけではない。
たぶん、日本に洋服がはいってきた時、礼儀正しい日本人は、いつでもボタンを掛けていることがフォーマルだと教えられたようだ。
 欧米では、座ったときは、まずボタンを掛けない。このほうが、襟のうしろが膨れ上がったり、胸元の背広のゾーンが、むやみに盛り上がらないので美しいのだ。
 ゆえに、彼らは座ったら、ボタンをしない。洋服の歴史が違うとは言え、日本人もそろそろ気付いたほうがいい。

 ちなみに、三つ揃いのベストは、一番下のボタンはいつも掛けない。この習慣は、19世紀のダンデイ、ボウ・ブランメルがはじめたとも、英国のエドワード7世がはじめたといも、言われている。どちらでもかまわないが、三つ揃いの一番下はボタンをしないほうが、お洒落。

 アメリカの大統領は、演説をするとき、椅子から立ち上がり、演壇にむかうあいだに、巧みに、このボタンを掛ける動作をして、爽快感をアピールする。
 よくテレビを注意して、見ていただきたい。細かな演出だが、細かな違いが、結局は人間の違いとなる。彼らは、視覚的効果の重要性を熟知している。

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