鎌倉日記(極上生活のすすめ)

フリーマーケットの楽しみ方


値段の交渉をゲームのように楽しむのだ。相手を、ジョークを挟んだ会話でくすぐりながら、値段を落としたときは、妙な快感を覚える。

「耳もとで、百回キレイと言うから、100円負けてよ。」
と私が言うと。
「私は、百回キレイと言われるより、今の100円のほうを、信じる。」
などと、切り替えされた。

最近の若い人たちは、このての駆け引きは随分とうまくなったと思う。そういう時は、こちらも負けを認め、素直に言い値で払うようにしている。

若い人たちは、古着に対する抵抗感も、ずいぶんと薄くなっている。

イギリスの貴族は、運転手を雇うときは、自分と同じ足のサイズの人間を選ぶという。
何日も皮靴を履かして、充分になじんだところで、自分が履くそうだ。
英国映画に出てくる貴族に仕える執事は、仕立てあがった服やシャツを、着慣らして、主人のために着心地をよくするのも、仕事のひとつだったという。
19世紀の英国紳士たちは、新品を身に着けるのは、むしろ嫌っていたようだ。

「じゃあ、執事のいないイギリス人はどうするんだい。」
と、友人のイギリス人に尋ねると。
「雨が、降っても傘をささないで歩いている連中が、執事のいないイギリス人だ。」
と、教えてくれた。


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