鎌倉日記(極上生活のすすめ)

勝利の法則


これは、私の好きなヘミングウェイの小説の言葉だが、アメリカの社会というのは競争の激しい社会だけあって、勝ちや負けに対する考えを前面にだすような本や雑誌が多いと思う。
 日本は聖徳太子の頃から、すでに「和をもって尊し」とする、みんな仲良しの社会だから、勝ちに執着するときも、個人より、集団が優先される気がする。

 おもしろいのは、アメリカでは、この勝利の法則もなんらかの形で分析しようと試みる本が多いことだ。
成功の服装、成功する喋り方、成功する時間管理、人脈の作り方、説得の技術、などなど。

 「自分を売り込む本」というのを読んでいたら、250の法則というのが載っていた。
 著者のジラード氏は世界一の自動車セールスマンとしてギネスにのっているそうだが、
年間1425台の車を売ったらしい。

 この人はおもしろい人であらゆることを数字で分析する。
 葬儀屋の友人に、いきなり葬儀を依頼されたときには、何枚の葉書を印刷するかと訊ねた。すると、250通印刷すれば、過不足ないと答えがかえってきたという。
 つまり、ほとんどの人間は身内、親戚、学校時代の友人、ビジネスの仲間など、250人の人間と生涯つながって生きるらしい。

 彼はさらに分析する。
それは婚約発表や結婚式の通知も250通で間に合うこともわかり、さらに、ユダヤ教の寺院の集会所も250人で設計されていることをつきとめたそうだ。

 それから、ひとりの人間のうしろに常に250人の顧客がいると考え、成功したと、本には書かれている。

 おもしろいのでこの類の本をつづけて読んでいたら、いろんなことが分析できると思った。そして、あらゆることの回数と時間をカウントするようになってしまった。

 駅に行けば、階段の数、乗客の数、・・・さらに、食事の数、煙草の数、・・セックスの数・・・・・・。

 ほどほどにしよう。


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