魔法と小説



現代の魔術師はほうきに乗ったりはしないし、杖もほとんどは先端に水晶を埋め込んだりしても内部に不死鳥の羽根を内臓したりはしません。魔法を使うのにドラクエみたいな短い呪文も唱えません。大体、ハリー・ポッターの世界での魔法使いはどう見ても”魔女”です(ほうきに跨り薬草を使って魔法を行う)。

しかしハリー・ポッターの世界がどんなに現実の魔術師とは違っていても、私たちはそれを否定したり蔑視することはしません。なぜなら「ハリー・ポッター」はあくまでも空想のお話だからです。しかし、こういった空想の小説にも実際の魔法の世界を垣間見えるものがあります。これらは恐らく、魔法使いや魔女から初歩的知識を得ているのでしょう。また、そういった専門知識はなくても、それを読むだけで魔法的考え方が身に付くものもあります。

例えば「魔法使いになる方法」です。原作者はダイアン・デュアンです。かつて富士見書房で2巻まで発売されていましたが、現在は廃版です。この本の復刻を望む声は多いですよ( こちらを参照 )。しかし原書では発売されています。原題は「Diane Duane's Box of Wizardry (Young Wizards)」です。

「魔法使いになる方法」は、苛められて本屋に逃げ出した少女が1冊の本”魔法使いになる方法”を手にした時から始まります。その本に書かれていた、”本当の魔法使いになれる人は枕の横に何冊も本を重ねている人”など現実の魔法使いの心得に即したものが書かれています。

「赤い魔女シリーズ」などは、実際の西洋魔術や魔法使い・魔女たちから知識を得て書かれています。この本も廃版になっており、復刻を望む声があります( こちらをどうぞ )。作者は札幌出身で、クトゥルフ神話ものも書かれているようです。作者の情報は こちら をご覧下さい。

本物の魔法使いになるための道はこのように、いたるところに転がっています。でもどこにそんなものがあるのか分からない人が殆どです。それに気づく人は、それこそ”枕の横に本が何冊もある”人なのではないでしょうか?

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