部屋とYシャツとわらG

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小学校1年生 春休み 下関帰省


 今日、5日間の旅から帰ってきた。下関への家族での初帰省は、思ったよりも順調でとても楽しかった。

 今までだったら「無理だっただろうな」という場面がたくさんあった。しかし「今だから」乗り切れるようになっていた。おかげで、楽しく過ごすことができた。

 なりよりも親孝行(Sから見れば、じじばば孝行)になってよかった。

 数々の出来事については、あさって以降また順次掲載予定。(明日は飲み会のため)
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Sの帰省 3月26日 [ 最近のことの日記 ]
 下関への帰省は我が家からは果てしない新幹線の旅だ。昨夏、練習も兼ねて少し乗ったが、今回は自宅からホテルまで計8時間(乗り換え込み)の長丁場である。新幹線に乗るまでに2時間以上かかるので、大人でも結構イヤになるほど遠いのだが、Sはどうなることやら。

 新幹線に乗り込むために用意した物の数々…写真カード(新幹線とか海とかこれから会うじじばばの写真とか墓参りに行くお墓とか観光予定地の写真)、鉄道雑誌(写真が多くて薄い雑誌をめくるのが好きなので)、いつも家で持ち歩くパウチカード(小学校の授業風景)、昼食の鳥からあげ、○ツ矢サイダー、お米でできたお菓子、小タオル、大タオル、イヤホンラジオ…ぐずっても気がそらせるように、やたらとSの荷物ばかりだ。

 身軽にするために荷物は前々日に送っておいた。なんとダンボール2箱…。日頃同居している妻の両親(Sのじじばば)が驚いてあきれていたが、4泊するし、ほとんどがS関係のグッズ(大きめの本とか慣れているおもちゃとかアイーンビデオ)なので仕方がない。おかげで結構軽くなった。

 電車・新幹線の様子は…『Sが乗り物好きの男でよかった!』

 時々飽きてきて、「ワオー」と叫んだりはしたが、いわゆるパニックはまったくなかった。もしなったら抱っこしたまま、車両のつなぎ部分のデッキに行ったり、車内をウロウロして、「みんなに泣き声のおすそ分け」をするつもりだったが、ならなくて助かった。それでも何度もトイレに行くことで散歩するのが気晴らしになったようだった。

 中国地方に入ると、トンネルばかりのモグラ新幹線になる。トンネルが苦手な自閉症児もいるという話を聞いたこともあるが、そうでもなくてよかった。ただ、耳がキーンとなるのを自分で直せないので、飲み物を飲ませたりしながら、ついに下関に着いた。

 そして最初にホテルにチェックイン。新下関駅そばのビジネスホテルだ。宿泊はほとんどビジネスマンばかりで観光用ではないせいか、ツインの部屋といいながらも仕切りがあってシングルが二つという感じだ。向こうも気を遣ってくれて「明日はトリプルの部屋が空くので、料金はそのままで使ってください」と言ってくれた。こちらに2泊、じじばばに慣れてから実家に2泊の予定だ。

 さて、じいちゃんは出かけていたので、ばあちゃんがホテルを訪ねてきた。2年ぶりの対面(その時は向こうに来てもらった)である。ほとんど人見知りしないし、もともと『自分と遊んでくれる人はすべて味方』のSなのですんなり握手とかしていたが、ばあちゃんの方は「覚えとってくれたんよー」と興奮気味である。

 一緒にベッドに並んで座り、さっそく仲良しだった。たぶん誰とでもそうなるだろうとは思うが、ばあちゃんの勢いに負けて、「やはり、血だね。わかるんだね」ということになった(された)。

 晩ご飯の買い出しなどに車で出かけたあと、ばあちゃんは帰った。その後、夜遅くになって、「出かけよう」とばかりにSは突然靴下をはいたり靴をはいたりし始めた。たぶん、ディズニーランドに行った時に、夜ホテルから出かけたのと勘違いしているのだろう…。「ここは、夜は何にもないよ」と一生懸命説得。やっとあきらめたようだ。

 そして1日目の宿泊。ベッドがあったおかげでジャンプしてだいぶ発散できたのもあり、普通に10時くらいに寝た。

 で、安心していると…なんと夜中の1時に起床!

 変な表情で、ウロウロしては、声を出している…。窓から外をながめてはまた叫ぶ。どちらからというとご機嫌なのだが、環境が変わって落ち着かないようで、まったく寝る気配なく…。

 昨夏の宿泊はとなりと薄い壁一枚のコンドミニアムだったので、この場面で無理に押さえつけて静かにさせようとして、『大パニック』になった。体を押さえられて大泣きだった。まあ『大笑い』しながら走り回られるより、親としてはまだ格好はついたが…。

 その反省から、この日は野放しでウロウロさせた。ただ、カギを開けて外に出たがるため、見張り続けるしかない。

 私はイスを置いてドアの前に陣取って、あきらめのコーヒーなどを飲んだ。

 修学旅行の引率みたいだな…。

 午前3時頃、急にウロウロをやめて、妻の布団にもぐって眠った。

 こちらは目がさえて眠れずに、小説など取り出して読みながらやっと寝られた。

 明日からも、夜が心配だ…。

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Sの帰省 3月27日 [ 最近のことの日記 ]
 朝はなぜか早起きしたので、ホテル付近の公園へ。なぜか南国風・またはアラビア風の公園で、他の人は誰も来ない貸しきり状態で1時間以上遊んだ。

 そしていよいよ実家へ。家に着くと、不思議なほど臆することなく、まるで何度か来たかのように中にズンズン入っていった。靴を脱いで、靴下まで脱いで、いろいろ探検を始めた。

 うちの実家は建売住宅を勝手に増築(じいちゃんが自分で作る)していて、その建て増した部屋から外飼いの犬と遊べるようになっている。リョウという名のなかなか激しい犬だが、Sはなぜか飛びつかれそうになっても大喜び。老犬(11歳)リョウとS(7歳)のご対面がついにできたので嬉しかった。

 どっちが強いか(カブトムシとクワガタムシみたいだが)、とても興味があった。前半は、べろべろ頭をなめたりして優勢なリョウだったが、途中から手につばをつけて塗るSの攻撃?が始まってからはSが優勢になった。そのうち、Sはリョウの耳をつかんだり、目玉を触ってみたり! なぜリョウがそんなことをさせているのかは謎なのだが、どうも主従関係の決着がついたらしい…。

 実家で少しくつろいだあと、母方のお墓参りへ。どこかの宗教みたいに『先祖のたたりで自閉症』とは思っていないが『御先祖様への供養』もしといた方がなにかといいだろうと、今回の帰省で両家のお墓に行く予定だった。どちらも観光上とてもよい場所にあるのだ。

 母方のお墓は、小高い山の上、普通の霊園にあるのだが、そこからは関門橋も海峡ゆめタワーも下関旧市内の街並みも一望できる。お墓を立てた頃はただの山だったのだが、あとから人工物ができて絶景になっている。Sもお墓の仕切りの上を歩いたりしながらウロウロしたが、こちらのお墓にはいつも関東地方の墓参りでいじる『玉砂利』がなかったので不機嫌だった…。

 その後、関門橋を眺めにみもすそ川公園に。ドラマの影響で観光客を増やすためか、いつのまにか源義経と平知盛の銅像(しかも義経は何となくタッキー風)ができていたり、長州戦争とか四カ国連合艦隊下関砲台占領の時の大砲?が再現されていたり、すっかり様子が変わっていた。一方で関門トンネル人道前のうどん屋が閉店していたのはショックだった。

 関門トンネル人道は今は無料で通れる。エレベーターで下りて途中から入るような形になるので、全長は800mくらいだ。門司側のめかり公園に、私が小学生の頃は『徒歩遠足』としてよく登ったものだ。小学校の日帰り徒歩遠足で、『本州から九州へ』行けるのはたぶん下関市内のこのあたりの学校だけだろうなあ…。

 さて、Sにも歩いて九州へ初上陸させようと、人道へ。不思議な空間を楽しんでか、よく歩いた。そのうち、手すりくらいの高さの両端のあるコンクリート部分を手で触りながら進む。誰もさわらないし、そう掃除もしていない場所なので、あっという間に手は真っ黒だ。それでもやり続けて、だいぶ人道の掃除をしてあげていた。さらに今度はそのコンクリート部に登りたがり、その段に登ったまま手をつないで歩いていった。

 飽きた頃、ちょうど山口県と福岡県の境目に到達。本当の九州上陸はおあずけにして、海底で九州に達した記念写真を撮って引き返すことにした。戻ってから人道の入り口のイスで遊んでいたが、疲れたのか小パニック…で泣いた。トンネルはよく音が響くので、下関側の入り口から遠くまで泣き声が反響していたようで、びっくりして多くの人がふりかえっていた。でも1分ですぐにおさまった。

 そして昨日のホテルへ。今日はホテルの好意で日頃はトリプルとして使用している部屋へツインと同じ料金で泊まる。1つ目の部屋が普通のツインベッドルーム、2つ目の部屋は和室で、でもなぜかベッド。Sはそのベッドをコタツのようにして入っていた。今日は広々としているので、走り回る場所がより広くなりよかった。

 そのホテルの食堂で大人4名はフグコースを食べた。一人5500円で、フグ刺し、フグチリ、フグからあげ、ぞうすいなどお腹いっぱいのコースだ。他のお客は、仕事で泊まっているような一人客ばかりなので、数人が飲んでいても店内はとても静かだ。Sが騒いでもうダメとなったら交代で部屋に行くつもりでこの店にしたのだが、時々フグのしっぽをつまんだり(笑)、自分用にとった野菜炒めをつまんだり、持ってきた本を読んでいたり、窓から外を見つめたり…となかなかいい子で過ごしていた。

 はしから2番目の席で、はしっこには人が入らなかったので、多少うろうろ歩くこともできた。とはいえ、なんと2時間も店にいられた! びっくりした。

 そして、心配した夜…今日は夜中に目覚めることもなく熟睡してくれて、2日目の夜はふけていった。

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Sの帰省 3月28日 [ 最近のことの日記 ]
 あいにくの雨となったこの日、予定を入れ替えて水族館(海響館)へ行った。下関の水族館は、以前は違う場所にあり、ものすごく古い展示方法でありながら味がある…という感じで、それはそれでおもしろかったのだが、数年前に現代的な水族館へと生まれ変わった。

  雨の中の移動で気が立っていたのか、入場券を買う間に後ろの小さい子から「やめて!」と声が聞こえてきた。Sが髪を引っ張っていた。いきなりの謝りスタートである。

 水族館は以前『しながわ水族館』に行ったことがあるのだが、その時はSはあまり魚を見ていないようだった。今回、その時よりも少し興味を見せた。特に自分が水中にいるような形の展示だと、いろいろな方向から来る魚を見上げてご機嫌だった。ただ水槽は明らかに過密状態…。前の水族館の時の方が広大な土地があったから、せまくなって処分に困って、個別展示できないのは全部一緒に放り込んだのか???

 イルカショーは時間が合わなくて、終わったあとのスタンドへ見学に行った。かなり大きなすり鉢状の階段スタンドだ。ちょうど『特別料金』か『抽選』で選ばれた人たちがイルカと一緒に記念撮影などをしていたのでイルカが間近で見られた。

 と、その時、私とSの後方の階段から「ドーン」と大きな鈍い音がした。ふりかえる前に何が起こったか私には何となくわかってしまった…。

 吹き込む雨で濡れてすべりやすくなった階段で、足をすべらせた妻が思いっきりしりもちをついたのだ。しばらくは動けそうにないので、ショーの終わった会場で時間をつぶすこととなった。Sはイルカプールを見るよりも半円形の会場を楽しく駆け回っていた。

 それにしても、両手に荷物いっぱい持っての転倒…相変わらず妻の得意技である。うちのばあちゃんは、「ビデオカメラを守って手もつけんかったねえ。かわいそうに」と言っていたが、実はもともと手をつくような運動神経がないことを私は知っている…。ちなみに旅行から帰っての病院の診断は『尾てい骨に小さなひび』であった。

 その後、見学を続け、最後に『イルカのプールが下から見られる』場所に出た。先ほどのプールが水中のガラス部分から見られる。水上では見えなかったイルカたちのものすごいスピードに、見ていた人たちはみんな思わずのけぞった。中学生女子は「こわいー」とか言って逃げてはまたおそるおそる近づいてくる…。

 そんな中、一番前に平然と座り込んで、さっき買ったのにもう噛み割ってしまったビニール風船をかみかみしている男…それこそSである。イルカをじっと見てニヤニヤしていた。そのうちスピードも落ちてきて人々も落ち着いたが、(まさかお前がコントロールしていたのか?)という疑いを抱かせた。

 魚市場で土産物を買ったあと、夜は再び実家へ。今日から2泊はこっちに泊まる。2階の寝る部屋になじむように、私が小学生の時に使っていたおもちゃ(前日私が倉庫から引っぱりだして拭いておいた)なども用意しておいた。親子二代に使われるなんてすばらしい…と思いながら出したのだが、その壊れぶりに衝撃!
ソフトビニール製の怪獣も超合金(本当はただの金属だろうが)の○ジンガーZもみんななにかがとれている。大切に遊ぶというよりは、友だちと戦わせたり、3mのがけ下に置いておいて上から直径10cmくらいの石を転がしてどれが生き残るか…などすさまじい激戦を生き抜いたおもちゃなので(笑)、みな負傷兵となってしまっていた。

 ミニカーにいたっては、たくさんのレースをくぐり抜け傷んだ塗装を直そうと、すべて金色(笑)で塗られていた! しかもその塗り方の下手なこと!

 そして出てきた『スーパーカーの下敷き』 これは比較的状態がよかった。Sはこれを気に入り、ずっと眺めていた。(おもちゃを拭いた労力は無駄となった)

 夕食で、やはりうまさが違うのか、いつも以上に魚をよく食べた。その後、酔っぱらって布団に早々と入ったじいちゃんの横へもぐっていった。

 そしてじいちゃんを寝かしつけた(笑)。

 眠れなかったのか、しばらくして起きてきて、また部屋でウロウロ。そして、2階で寝ようと私が誘って、じいちゃんの寝ている部屋を通り抜けようとすると、またじいちゃんの布団にもぐりこんだ。

 しばらくして、スヤスヤと眠っていた。ばあちゃんと妻から、『父と同じにおいがするのだろう…』といい加減なまとめがされて、その日は終了。寝たままのSを必死の形相で抱えて、急な階段を登った。いい子で寝てくれてよかった。

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Sの帰省 3月29日・30日 [ 最近のことの日記 ]
 この日は父の田舎に墓参りへ行った。豊北町という所だったのだが、平成の合併で下関市内となってしまいなんともややこしい。ちなみに、尾てい骨を打った妻は家で休むこととなった。

 この墓参りコースは山陰の海がよく見える道を通っていく。関門橋もそうだが、この山陰の海を見ると『帰ってきた』ということを実感できる。

 さて、父方のお墓は、勝手にお墓を作ってよかった時代?の山の中の墓だ。山の中だけあってそこに行くまでの道は険しい。人が住まなくなり、墓参りをする親戚も減ってからは、年々、道が険しくなっているようだ。

 じいちゃんが先頭で、なたを持って竹を切りながら進む。Sは竹で杖を作ってもらうと、それをずっと持って、一丁前のツラで進んでいる。山道をよく歩く。20分くらいしてやっとついた。

 土葬なので相変わらず傾いているお墓もある。そして、その一画だけは草が生えていないというのも不思議だ。誰も草刈りはしていないそうなので、やはり土葬でなにかの成分が出ているのか、それとも…。

 Sもお参りというか、お墓の間を縫うようにウロウロしてから手を合わせた。

 そこから10分、来た道を戻って、昔、父の実家(茅葺きの農家があったが住まなくなるとつぶれた)があった場所へまず戻って休憩。そこから20分くらいかけてもっと古い代のお墓へ行った。ここは荒れ果てていた時期が長かったのだが、たまたま他の誰か(たぶん中山忠光卿かその暗殺グループの農民について)の研究をしていた大学教授が捜索の過程で整備してくれたらしい。恐そうな感じの竹やぶを通る道で、夏でも涼しいような道だ。こんな所に一人でおいて行かれたら、大人になった今でも泣ける。

 今回は、しばらく誰も通っていないのか、至る所に倒れた竹があって道が閉ざされている。険しい道を歩くうちにSはイヤになったらしく、竹の棒を杖にしていた一丁前の男は、「抱っこマン」に変身してしまった。大変なのは私だ。20kgの児童を抱っこしたまま倒れた竹のすきまをくぐる。果てしなくて、重たい道のりだったが、やっと視界が開けた。まるで我々のお参りを拒否するかのような道のりだったが、着くと空まで晴れ渡り、歓迎ムード?となった。

 Sも少し歩き始めて、時々墓石に乗ってしまったりしながらも、相当昔からのご先祖様を供養した。「この場所は、じいちゃんが死んだらもう来られないなあ」とばあちゃんとも話した。ちなみにばあちゃん(母)は、初めてここに来たらしい。

 昔の家(私にとっては田舎のばあちゃんの家)があったさっきの場所に戻り、ブルーシートをひいて昼食をとった。今は『やぶ』とはいえ、またこの場所で『家族団らん』があるとは思わなかったので不思議であった。そうした場所だからか、ひいじいちゃんの霊でも寄ってきていたのか(笑…いや笑えないか)、Sもなかなかご機嫌だった。

 帰りに角島(つのしま)へ寄った。昔は船で渡っていた所だが数年前から大橋ができた。島によって波の方向が2方向に分かれて潮目ができ、そこがまっすぐトンボロ地形になっているすばらしい所だ。にもかかわらず、大橋の通行料も入り口の駐車場も無料である。

 入り口に車を停めて、橋と波をかたどったオブジェでSは遊びはじめた。海に向かって突き出た橋のデザインがまるで飛び込み台のようになっている。遊んでいるところを3人(私・じじ・ばば)がそれぞれカメラを手に撮影しているので、まるで期待に応えるかのように、最後はその飛び込み台のような所を猛スピードで駆け上がり、ピタリと端で止まった。

 私は(やるだろうな)と思って、ついていたので、そのスピード以外には驚かなかったのだが、じいちゃん・ばあちゃんにいたっては、心臓が止まるかというくらいに驚いていた(笑)。その向こうがすぐ海だと思ったらしい。(遊ばせる前にそれくらいチェックしろよ)

 家に帰って、入浴・夕食のあと、夜は、「もう寝よう」と言わんばかりに、じいちゃんを誘い、ばあちゃんに布団をひけと手を引っぱり、あっという間にすやすや眠った。とてもじいさん孝行だった。

 翌朝は、早くから起きてほぼ一日、新幹線と電車の旅だ。新下関駅まで二人とも見送りに来て、下で時間をつぶしたあと、いつもは行かない『ホームへの見送り』まで来た。たぶん、ホームまで来たのは私が大学に入学する時以来(笑)だ。ばあちゃんの涙に何かを感じてか、Sは何度も手を差し出して『タッチ』の大サービスだった。

 帰りの新幹線もなかなかいい子に過ごした。そばにいたどこかの小学生ゲーム小僧(時々ピコピコ電子音がする)よりもよっぽど静かに過ごせた。

 帰ってくると、行きにつぼみだった桜が八分咲きくらいになっていてびっくり! まるで浦島太郎のような気がした。

 家に着くと「あー、やっぱり我が家が一番」と言わなければいけないお約束?があるが…まったくそうは思えないマスオさん生活がまた始まるのであった…。

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