部屋とYシャツとわらG

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小学校3年生 2学期 その2


体験入級 (2) [ 最近のことの日記 ]
 過日、Sが来年度から通う予定の養護学校(特別支援学校)の体験入級に行った。

 同じ学年のクラスに入り、朝の運動・国語算数などに参加した。

 この場所は、休日のPTA活動などで「遊び」に来ていることが多いので、初めての場所で出るような緊張はなかったのだが「何だよ、いつもの遊びはねえのかよ?(推定)」とばかりにだんだん不機嫌に。

 朝の運動は、養護学校の先生にすべてお任せして親は遠くから見学。校庭に出るとすでにみんなは、マラソン(と呼んでいるようだがもちろん42,195km走らない)を始めている。そこに入ったSは先生より先に走り出す!

 「やる気モード全開」…かと思いきや、そのままローラー滑り台まで走っていった(笑)。そうそうここに来て、あそこで粘って遊んだことがあったっけ。

 やっとの思いで先生が滑り台から引き離した時には泣きモード。いやいや周回しているが、滑り台付近になると猛ダッシュしてまたひと滑り(笑)。やっとの思いで先生が引き離し…と3周それを繰り返していたが、4周目からは先生に先回りされて、抵抗を試みるも敗れ去っていた。

 そのころには大泣き状態だったが、「はいはい大丈夫(推定)」とか言われながら軽く流されて、次の運動50mダッシュの場所に移動。ダッシュといっても各人それぞれでのんびりとした感じもあるのだが、全体的にはみんなかなりちゃんと走っているなあと感心。

 そんな中、日頃、小学校での『10分マラソン』をただの『10分お散歩』に変えてしまうことの多いさぼり男のSは、泣く泣く先生に押されるようにしてスタート。ダッシュの前半はイヤイヤながらもまわりにつられて走るのだが、距離が長いと感じるらしく、1本ごとに後半は立ち止まったりひっくり返って泣いていた(笑)。

 それでも、休ませてもらえないとわかると割り切ったのか最後の1本では猛ダッシュ! 徒競走のような走りを最後まで見せて、ぶっちぎり! ぜひ一度でいいから運動会でやってくれよ…という力走でまわりを驚かせていた。

 運動の後、先生たちは何人も「足、速いですねえ」とほめてくださっていたのだが、その逃げ足の速さに来年度から先生たち悩まされることになりますよ…とは言わずに照れて頭をかいておいた。

 授業の方はみんなで集団学習。お店屋さん(宅配便)ごっこでお買い物学習をしていたのだが、みんながじっと待つ中、うちのSの離席ばかりが目立っていた。荷物運び用の台車に強引に乗り込む(体をくの字に曲げて乗車)のを他の子が真似をし始めたり、最後は我慢の時間に耐えきれずに隣の子の髪を引っ張りだしたり、なかなか自分らしさを全部さらけ出していたようだ…。

 でも、親がいるからといってちやほやせずに(まあ、通常よりはかまっていると思うけど)、泣いてもやらせることはやらせる姿勢に、「自閉症の子は最初が肝心」ということもよくわかっているように思ったし、とても好感が持てたのであった。

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2007/11/15
特学の遠足 (2) [ 最近のことの日記 ]
 これまた過日のことだが、小春日和の中、Sは小学校特学の遠足に行った。

 近場の乗り物主体の遊園地なのだが、平日とあってほぼ貸し切り状態。

 それでも着ぐるみの謎の動物がサンタクロース姿で迎えたりしてくれた。Sは何の躊躇もなく、開いている口に手を突っ込んでいたが、そこは中の人の「目つぶし」になるだろうに…どうもすみません。

 他の子もしっぽをひっぱったりバンバンやったり…しゃべらない(しゃべってはいけない?)着ぐるみ君は、係のお姉さんの「優しくしてあげてね」の声にやっと救われていた(笑)。

 いざ乗り物に…となって、とにかく待たなくて乗れるのですばらしい。まあ逆に「お勉強」にならないのではないかという気もするが、今日は楽しもうということで乗れる限りいろいろなモノに乗った。

 Sは相変わらずスピードが出るモノ、高い場所を行くモノが好きなのだが、実は私、今はあまり得意ではないのでイヤイヤ乗っている。この遠足も毎年同じ所に行くのでもう3回目、さすがに慣れてきて平気になってきたが、ジェットコースターもどきにも今年は2回乗ってやった。

 Sは昨年、このジェットコースターもどきに私が恐怖心いっぱいの中、スピードが上がるーーと思いきやすぐにブレーキが掛かりスピードが落ちる動きに「安心」していると、Sは、「ウー」と立ち上がって怒るのであった。ジェットコースターもどきだから安全バーがあるはずなのになぜ立てたのか…その謎は二人横並びで並んで一本の安全バーが固定されるからだと今年わかった。

 ぎりぎりメタボな私に合わせた安全バーは、となりのSにはスカスカであることが判明し、おもしろがって落ちないように腕を回して乗るのであった…。「落ちてしまう」ではなくて「おもしろがって落ちる」心配をしなくてはならないのもうちならではか…。

 落ち着いて乗れるけど、目が回るからつらい「コーヒーカップ」のコーナーは、人が来たら初めて動くという、他以上に空いている状態。50m先くらいからお姉さんが出てきて、こちらに向かってほほえんでくれているので、今さら逃げるわけにも行かず近づいていく…。

 それにしても、遠くからほほえんですばらしいサービスだな…と思っていたら、お姉さんは「お久しぶりです」とあいさつをしてくれる。ここでばったり会うとは…8年前の教え子であった(笑)。その明るさと積極性で授業を盛り上げてくれていた中学生女子は、現在は明るく優しくコーヒーカップを回したり(本人の手動ではないが)、遊園地を訪れる人の笑顔に一役買っているのであった。ちょっと感動した。

 ちなみに、この日、Sと乗り物に乗った回数は何とのべ23回! ディズニーランドだとこうはいかない。団体割引や手帳割引などで1500円前後のフリーパスだったのでとてもおいしい話であった。

 「勉強にあまりならないけど…」と先に書いたが、高学年の子たちは翌日の算数で、「もしフリーパスでなくて、その都度現金払いだったらいくらになったか」(つまりいくらもうけたか)の学習をしていた(笑)。

 ちなみに黒板に書いてあった表を元にサッと私も計算すると、Sは7800円分も乗り倒していた。いやいやとはいえ、大人の私も同じ値段で入場して同じだけ乗っているので、二人分で約15000円分(を3000円で)。

 食い放題の店を荒らしたような充実感のある遠足であった。

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2007/11/17
自由! [ 最近のことの日記 ]
 今日は妻が出かけていて家で留守番。下の階には義母の友人が孫を連れてきていて、Sはその子と1階で遊んだり、一人で2階に駆け上がってきたり楽しく過ごしていた。お客が帰った後は、義母が庭で遊んでくれていたのか、Sがいないのでそのあたりの時間から私は2階でお昼寝…快適なお昼時だった。

 が、そこに泣きながらSが上がってきて、うるさいなあと思いながら一緒に添い寝。彼もご機嫌を直して一緒にゴロゴロしていた。

 ふと目覚めるともう横にいなかったが、2階の窓も閉まっているし、下の階に行ったのなら人がいるから大丈夫と思いそのままに。そこからまたしばらくして起きた時に、下に様子を見に行くと、Sと義父がいなくて靴もなかったので、「遊びに連れて行ってもらったのかな?」と思ってまた2階へ。

 よし、これからピアノでも練習するか…という矢先に下から、「S君、ごはんですよー」の声が。

 「え、Sは上じゃないですよ。おじいちゃんと出かけてないですか?」と答えると、義母は大あわて。私ももう一度2階の他の部屋を見るがいない。いつもは玄関のチェーンロックまでするのだが、たぶん義父が庭仕事をする時に出てそのままにしたのだ。(外からもひもをかけられるようにしてあるのに彼はこうして油断することが多い)

 靴がないから外だということで外を探すのだが、何も打ち合わせずにただ走り回る義母…を尻目に私は義父と手分けをして、川方面と公園方面をそれぞれ捜索。どちらもいないので、「俺は車でもっと先の公園に行くので、連絡係で誰か家にいた方がいいのでお願いします」と義父に頼んで予感がした次の公園へ。どう考えても義母が電話番してくれてると車も2台出せていいのだが…まあ緊急時にいつも取り乱すタイプだからしょうがない。

 探し始めてから20分近く立っていたし、いなくなった時刻がわからないので相当たっているかもしれず、それで、3つの公園巡りコースではないかと思ったのだ。

 その前にも徒歩で探したA公園は家から150mくらい。ただ、ここに行くには車の通行も多い大通りを渡らねばならず、毎朝押しボタンの練習をしているとはいえひとりでは…という感じだが、この先のコースを後追いした。

 周りを注意深く見ながら、そこから500mくらい細い裏道を行った先にある神社のB公園に到着。そこにおばさん二人とともに全裸の少年の姿が…!

 ひとまず生きてて一安心。おばさんは今日うちに来ていた義母の友人。もうひとりはその親戚でB公園の近所の方。全裸でブランコ遊びをしている子がいて、「前見たあそこのうちの子かなあ…」と思って、うちの義母の友人に電話をして確認にきてもらい、それからうちに電話をしたけど話し中…というところだったらしい。

 お礼を言い、毛布を借りたりお世話になり、Sを車に乗せて帰りながら、服を探すのだが見つからない…。B公園までの道のりを逆にたどりながら、最初のA公園で、靴と靴下のセットを発見! ここの花壇に踏み込んで、汚れた靴を脱いだな…ということはわかったのだが服はなし。とにかく家に帰った。

 その後でもう一度服を探しに出たのだが手がかりはなし。ところがじいちゃん(義父)がC公園で脱ぎ捨てた服のセットを見つけて帰ってきた!

 えー! C公園はB公園のさらに300mくらい先…。そうなると、Sはまず家を出て150mのA公園で遊び、靴と靴下を脱ぎ捨てて裸足で500m先のB公園へ。この時にB公園に寄ったかどうかは謎だが、その後、300m先のC公園で遊び、そこで泥遊びか何かで服が濡れたらいきなり脱いだということか…。で、今度は全裸のままB公園に戻り、そこで『裸ブランコ』を楽しんでいたところをとらえられていた…ということだったのだ。

 裏の細道は車も結構通るのでひかれなかったのが何よりだが、裸足で走ったり、裸で走ったり、田舎のこの町とはいえなかなかすごい…でも結果的に裸だったからこそ知り合いに気づいてもらえたのでなんとも複雑なところだ。

 こちらの心配や動揺をよそに、彼は推定1時間くらいの『自由』な時間を大喜びで満喫したに違いない…。
やみつきになられてはたまらないが、いつも監視付きの彼のこれまでの人生を思うと、そんな自由な時間が一度くらい合っても良かったのか…。

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2007/12/27
宿泊訓練 1 (長い夜、長い文) 「障害児と生きる日常(37932)」 [ 最近のことの日記 ]
 3学期早々にSの小学校の特学の宿泊行事がある。

 去年も行った旅館なのだが、この夏は家族の入院で遠出してないし、春先の旅行はほとんど実家に泊まったし、夜よそに泊まるとどうなるか心配…ということでこの冬休みに「宿泊訓練」という名の1泊小旅行に出かけてきた。

 終業式が終わって、家で昼食を食べてから出発。東京都心に出て、東京ドーム周辺で過ごすという予定。

 阪神ファンである私がなぜ敵の聖地に…って、朝食付きで一人5000円、人工炭酸泉の大浴場付き…という好条件を見つけたからである。もちろん東京ドームホテルとかそういう立派なものではなく、「ドーミーイン水道橋」という、ちょっとドームと関係あるようなふりをした感じがすてき(笑)。

 さて、夕食がてらドーム周辺を散策。イルミネーションがきれいで、きらきら好きのSも喜んでいたのだが、あまりの人の多さとその勢いにけおされてしまう。まだ25日だったので、クリスマスを過ごすアベック(古い表現か?)の群れなのか、ものすごくたくさんの人。

 ガラガラの所をちょっと乗るか…なんて思っていた観覧車は、なんと120分待ち!! じゃあ、どうしようか、他のアトラクションにするか…なんて言っていると、学校にも行ったし電車にも2時間以上乗って疲れたSは突如道にひっくり返って大泣き。光の回廊の地面で、一人寝ころび泣きわめく子の頭に、自分の片足のクツを差し込んで知らんふりをしている男親の姿(しばらくそっとしとかないと復活しないから)を「虐待か?」と思いながらチラ見して、100人くらいの人が横を通過していった。ほんの1~2分の出来事なのだがさすがに恥ずかしかった。

 その後すぐに復活して食事に。ラクーアというビル内のお店はカップルの行列で、あきらめかけたが、こういう時にやはり「ギョウザ」は敬遠されるのか、中華料理屋さんは空いていたので予定通り入って食事。Sはやたらといろいろと食べて、とてもお利口。初めてのお店でも食べることに成功。

 さて、大浴場のついたビジネスホテルにもどって過ごすのだが、和室の練習もしたいけれど、ベッドがないとジャンプできない…ということで、和洋室を探してここを選んだのであった。浴場は大浴場といっても、湯船に10人は微妙…という大きさ。ただ、すごくいい感じの癒しムード満点の浴場である。入る時にいた数人のビジネスマンズもちょうどあがり、Sとふたりで貸し切り状態でゆったりした。

 そして、肝心の「寝る練習」である。実は内側からのカギがひねるとすぐ空くようにできており、Sは一度出ようとして自分でドアを開けられることがわかったので、脱走されては大変…「Sが寝ないと私たちは寝られないね」と、夕方、妻と話したところであった。

 しかし、炭酸系の飲み過ぎか、パジャマが新しいからか、部屋が楽しいのか、Sはいつまでも、走り回る、飛び回る、疲れた気配なし…でいっこうに寝ない。電気を消すといつもだったら入ってくるはずの私の布団に寄ってもこない…。

 私はアルコールも入っていてすごく眠いのだが、入り口付近の畳の上の布団に横たわりながらも寝られないままだ。

 しかし、10時半にベッドですやすやと寝た女がいる。気がつかないうちに勝手に一人すやすや。お酒飲まないのに…。この人の睡眠は、職員会議であろうが何だろうが誰にも止められない。

 Sはその後も同じ感じで、落ち着かず興奮しっぱなし。無理矢理布団に入れて抱きついて押さえていても、そのうち抜け出していく。

 1時くらいにやっと布団でじっとし始めて、その頃に私もうとうと。

 ところが変な電子音で目が覚めた!

 ああ、なんと買ったばかりのせいもあり、携帯電話のメール着信時の着信音をまだ切っていなかった。そして、マナーモードにし忘れていた。そこに来て、夜中に大量のスパムメールがちょうど来たもんだから続けて鳴ったのだ。

 音に目覚めた私は、背中合わせのSをのぞくと…目が開いている…。

 今起きたのか、ずっとかどうかはわからないが、また行動開始。

 その時に、妻は一度起きたが、「S君寝ようよ…」と寝言のようなことを言い、交代で起きようというそぶりなく、また寝た。

 その後も寝ないSに対して、そしてその後も起きない妻に対して、そしてついでにこんな時に新品のパジャマを持たせた義母(家で就寝中)に対して、言いようのない怒りがこみ上げてくる。

 そして、怒りの3時半…。この男をほっておいてドアの前に布団をひいて寝ようと決意。そこは一段下がっていて、寝にくいし少し汚いのだが、もう知らん。ところがそんなところに布団をずらすとSは寄ってくる。怒った顔で、布団を元の場所に持って行こうとするのだ。「お前は来るな!」と布団越しにキックで蹴ったり、となりのベッドに投げ捨てたり…もうぶち切れ。 今度は何度もその繰り返し。

 音の大きさに妻が起きたのが4時頃。ちょうど私はトイレ大に。行きたくてもそれも行けなかったのだ。

 そんな中、やけくそで思ったことは、「どうせ寝ないのなら風呂にでも誘うか…」

 日頃、家で風呂に誘うと布団にもぐり込むからちょうどいいし、いざとなったら早朝風呂行ってもいいやと思った。

 「S、お風呂行きますか?」  

 ニコッと笑って手を挙げた…。

 タオルを持って、廊下を歩き始めると、なんとスキップ…(笑)。もし他の人が見ても、早寝早起きの二人とは思っても、まさか徹夜中の親子だとは思うまい。それにしても、さっきまでもう少しで殴り倒しそうだったところから、このご機嫌なほのぼのぶり…自分でもおかしくなってもう笑ってしまった。

 そんな午前4時過ぎ…それでも先客がいた。お年寄りの早起きもすごいな。が、その人が上がるとまた貸し切り状態。

 Sは笑顔でシャンプーをさせたり、少しずつ湯船に使ったり、お湯の中を大きくゆっくりまわったり、中心でくるくるまわったり楽しそう(笑)。

 部屋に帰ると、満足したのか、今度はおとなしく布団に入った。が、結局目はつぶらずにゆったりするだけであった。いったいどうなっているのか…。脳内にドーパミンとかがドバーっと出ているのかも。私は2時間くらいだけ寝られた。

 翌朝の朝食後、チェックアウトまで後1時間。さあまだ寝るかなと私が思っていると、Sはパンフレットを持ってきて、風呂を指さしてアピール!

 最後の一風呂…3回目の入浴をすることになったのであった…。温泉でもないのに3回入る人は普通いないぞ。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

2007/12/28
宿泊訓練 2 「障害児と生きる日常(37932)」 [ 最近のことの日記 ]
 泊まった翌日は、「東京ドームアトラクションズ」で遊んでから帰る。その昔の「後楽園ゆうえんち」のことだ。

 フリーチケットはなぜか「紙でできているテープを腕に巻き付けて貼る形状」のものだった。もちろんこんなものをつけるとSは3秒でちぎるので無理。私がポケットに入れた。しかし、最初のアトラクションで「ルールだからダメです。」と言われて乗せてくれない。「つけられないならもう一度チケットセンターに行って、証明書を書いてもらって欲しい」と言われる。「割引があるかもと思って(結局なかったが)障害手帳を見せたのにその時特に何も聞いてないですよ」とこちらもちょい怒り。ここで乗り物を目の前にもどったら朝からSの怒り爆発だ…。それにこちらにそんなにも落ち度があるわけでなく、チケットをごまかしているわけでもなくここにあるのだ。

 そういう押し問答の末、この1回に限りOK、その後すぐにチケットセンターに行くということでそのまま乗れるように押し切った。そこまで苦労して乗ったのだが、水の上を走る乗り物に喜んでいたS、最後に高いところから滑り落ちるとさらに喜んだのもつかのま、水をバシャーとかぶって泣くのであった(笑)。

 その泣き方で、「ただものじゃない」ところを見せられて、こちらも義理が立った?というものだ。

 さて、どのアトラクションも前日とはうってかわってかなりガラガラ。都会の遊園地は昼の方が空いているのか。うちの方では17時までで夜は営業してなかったりするけど…。

 前日夜は120分待ちだった観覧車も、待ち時間なしで3回、メリーゴーラウンドにいたっては5回、他も乗れるものはほぼ2回ずつ乗って十分 元を取った。

 観覧車から、観覧車の内部(普通あるはずの軸がなくてそこを通っている)を通る恐ろしいコースターが見えるのだが、一番高いところからはどうみてもまっさかさまに落ちている…。そんなところを両手を上げて乗っているような人の姿を見るとかなりびっくり。

 もちろん年齢的にそれにはうちのSは乗れないのだが、高いところ大好き、スピードの出る乗り物、高いところから落ちる乗り物、回転するもの…何でも好きな息子に対して、私は高いところに行くのも嫌だし、コースターも特にふわっと落ちるのが苦手。なんだかんだ避けているアトラクションがあったのだが、「あれ」(観覧車の中を通るコースター)にくらべれば他はたいしたことないな…と勇気を出して、高さ61mまであがるというパラシュートみたいなヤツに3人で乗った。

 6歳より上の人はOKとあったので正直なめてかかった。

 カゴの中に乗ってみるとなんだかこころもとない。

 「2回行きます」というお姉さんの声。

 するすると上がると遠くを見ていてもそこがすごく高いことがわかり気が遠くなっていく…。

 恐怖のあまり、「そうだ、さっきの、ちょっとしか揺れてないけど画面を見ているとすごく動いた気になるアトラクションに乗ったつもりになろう」と思わず目を閉じた。

 体が浮き上がるような感じで、すさまじくふわーっとして下まで落ちて(降りて)いった。恐怖で血の気がひいていく中、となりの少年は、ゲラゲラ笑っている(笑)。

 「もう1回行きます」と言うお姉さんに思わず断ろうかと思ったが、Sは大喜びで、指を出してもう1回の合図や、両手を合わせてのお願いポーズまで飛び出してアピール。こちらも腹をくくってもう一度チャレンジ。

 といっても、今度は、最初から最後まで完全に目をつぶって他の考え事(何を考えたかまったく不明)をして、目を一回も開けないことをがんばった。すると、さっきより恐怖半減! ふわーっと落ちていることだけはごまかしようがないが、夢の中のような気分でごまかせた?ようだったが、地上に降りると足がよろけた(笑)。私の苦手な部分を集めたかのような乗り物であった。

 こわい乗り物大好きな有償ボランティアをいつか募集したいと思う…。

 とりあえず、たぶん一睡もしていないS、帰りの2時間以上の電車の度も寝ずに帰宅。家に帰ってちょっと泣いたらさすがに爆睡した…。となりで爆睡した私も旅先から帰って生まれて初めて「やっぱりうちがいい」と思うのであった。

© Rakuten Group, Inc.
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