部屋とYシャツとわらG

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2006年 冬 その2



スキー教室 3 (室内編) 「障害児と生きる日常(20073)」 [ 最近のことの日記 ]
 宿舎では、通常級の宿泊行事のような夜の戦いがなかったし、子どもたち同士もとても和気藹々だった。

 「部屋のスリッパをそろえる」というのが、ここまで徹底されたのは初めてだ。中学生の通常級の団体は「そろえていないと怒られる美化係 VS 普通に脱ぎ捨てる人」の永遠の戦いが続く。 小学生を異学年で引率したときも、「一生懸命やろうとする4年生 VS まったく気にしていない6年生」の戦いで、これもいつまでたっても今ひとつだった。

 ところが、今回(中学校特殊学級)は完璧である! 彼らは素直である。一生懸命努力する。言われたら「あっ、やばい」とすぐに直す。とりわけ、最初は脱ぎ捨てだった自閉症のD君が、「ちゃんとそろえる」ことを覚えたのが大きかった。

 彼は他の人にとっては十分そろえてあるスリッパでも、まっすぐに、美しく、並べ直してくれた。彼の活躍もあり、どの部屋もスリッパが整然と並んでいたのには感動した。 

 その彼は、環境の変化には弱いので、いろいろとおもしろい行動があった。寝る前に、いつもの場所(自宅)と違うせいで不安になるのか、廊下に出てはウロウロしたがるのだ。就寝時間後は、もうトイレ以外は廊下に出させなかったので、2回くらいトイレに行った後は、一度布団にもぐらせた。

 出てこようとしてふすまを開けると、私がそこにいて怒る…というのを2回ほどやった。そしてそのまま入り口の廊下に私は座っていた。薄明かりの中で生徒のその日のしおり(日記)をチェックしてひとこと記入する…以前の担任時代の習慣である。ようは、「見張り」をしながら、仕事をするのだが、これはそれぞれの流派があるようで、廊下に寝そべる人や、布団まで出す人…いろいろと見てきた。

 が、今回は「スキがあれば女子部屋に忍び込む…」とかそういうことはないので、別に廊下で見張る必要はなかったのだが、単なる習慣で入り口にいただけなのだ。

 で、30分くらいたって、物音ひとつしない自分の担当の部屋をそっとのぞいた。みんな寝ただろうと思っていた。

 ふすまを そおおっと 開けると、そのふすまの真横にD君がうつろな目で座っていた! 悲鳴を上げそうなくらいこっちはビビった。

 30分間も、ふすま一枚だけ隔てた私に気配を感じさせないとは…。で、しかって、また布団に連れて行って、やっと寝てくれた。

 ところが、さらに、朝の5時。入り口付近の布団で寝ていた私の上をなにかが通過。ハッと飛び起きて廊下に行くと、D君がウロウロ…。

 トイレかなあ…と思って見ていると、トイレを通過してさらに遠くへ行こうとする。あわてて追いかけて、「どこ行くの?」と聞くと、うつろな目つきで「ここはどこ? あなたは誰?」という感じの表情(無言)。目の玉がきょろきょろ動いていた。これぞまさに「挙動不審」という感じだったが、「Dはスキーに来ています。おうちではありません。」と言うと、ハッと我に返って部屋にもどってまた寝たのであった…。

 「ここはどこ?」って、なることはあるだろうけど、布団の上だけでやって欲しいんですが…。

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発表会&撮影会 「自分らしい生き方・お仕事(63308)」 [ 最近のことの日記 ]
 君たちはえらい! と思わずウルウルしてしまった。某中学校の男子2名しかいない選択社会科・社会福祉コース、今日はまとめてきたレジュメを使って発表会をおこなった。

 私を入れて3名では緊張感に欠けると思ったので、「発表をビデオカメラで撮って、あとで1年生に見せる」ということにした。といってもそちらも4名なので、気にするほどではないのだが、「カメラ」が入ると急に緊張するからなかなかかわいいものである(笑)。カメラなしで7名がいたのならそれほどでもないはずなのに…。

 で、緊張しながらも、今まで調べたことをしっかりと発表していた。基本的には撮り直しはしないつもりだったのだが、質問に対して、「うその答え」を言ってしまった後などは、「カット!」の合図と共に、本当の答えを伝えて、もう一度…と撮っていった。おかしいのは、もう一度同じ質問をしたり、「あー」とか「へー」とか納得するもう一人の生徒…これぞ「やらせ」である。

 家に帰って、1年生に見せるための編集をしたのだが、メイキング映像があまりにもおもしろいので、本人たちにはないしょで、同じ質問に対してのテイク1とテイク2…みたいにつなげてつくっておいた。テイク1のドタバタぶりとテイク2の芝居がかったスムーズさの対比は、笑えた。

 同じような選択を今後やるときに、「見本」として使える映像がとれて、感謝している(適度な笑いもふくめて)。

 それにしても、この二人には本当に感心した。一年を通じてちゃんと取り組んで、テーマを深めてくれたし、意識が高かったなあと思った。一人は欠席の時でも静かに作業をやっていた。(ちなみに私はストーブの前で寝ていたのに)

 二人とも公立高校に推薦で合格する…という天からのご褒美も「神様、さすがよくみていらっしゃいますなあ」と思えた。おかげで、四角柱の鉛筆転がしの効果は、確かめられなかったようだ(推薦入試は面接と小論文。落ちて一般入試を受ければ、鉛筆転がしの必要があったのだが…)。

 自分が直接、障碍児教育に関わるよりも、「社会的弱者に対して優しい人や福祉関係者を育てる」という間接的な支援を…と思って始めた昨年度の総合的な学習と今回の選択授業、こちらはまずまずの成果であった。

 さて問題は、すっかりだれてしまって、いいかげんな原稿づくりといいかげんな発表が続いている、自分の住む街…の学校の選択授業(社会福祉コース)。最後に立て直さないとなあ…こっちは、直接自分たち家族にはね返ってくる人材だし…。

 何がすごいかって、5月に、「障害者」を「障がい者」とか「障碍者」と書く人がふえている理由…とかをやったときには「へー」とか言ってたくせに、今回の発表で作るレジュメの中に、そう書いた生徒は12名中0名…。こちらは女子ばかりなのだが、かえってやりにくくて、いまいちこちらも本音が伝えきれてなかったかな…。

 ちなみに私は、荒れた学校の生活指導部だった頃も「女子の指導において、私の『左』に出る者がいない」と豪語していた男である。(「みんな右から抜いていく」…の意です…)

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テスト問題 「自分らしい生き方・お仕事(63308)」 [ 最近のことの日記 ]
 ちょっと(いやだいぶ)早めだが、学年末テストを作り始めた。

 今年は楽だ。 なぜなら過去問をほとんどそのまま使えるからだ。

 とある塾では、○○先生の○年度の問題…とかいう感じでファイリングしてあって、テスト前にそれをコピーして生徒に解かせたりしていたそうだ(生徒からの情報)。

 「でも、長くその学校にいる先生の問題用紙しかないじゃん?」と挑発すると、「うちは大手だから、前の学校の地区から受け渡ししたりするんだよ!」とかなり機密情報?っぽいことをその生徒は教えてくれた。

 もう10年近く前の情報なので、今時もそうなのかどうかはわからないが、定期考査の得点をどんな手段であれ上げられれば、塾としてはかなり評判上昇まちがいなしだろうから、その話を聞いて以来、警戒心を強めるようになった。もちろん、同じ学校に長くいれば、兄弟姉妹のこともあるから同じものを使うことはないが、転勤したての時は油断して前の学校のをそのまま使ったりする人も多いはずだ。だから結構実力以上にとってしまうケースもあったのだろうなあ…塾の営業努力ってすごいなあと思う。

 かといって、自分のテストでそんなマネをされるのは気分が悪い(笑)ので、意地でも内容を変えてはいる。とはいえ、同じ人間が問題を作れば、大体似てくるのもいなめない…記号だけ覚えて正解する…とかでなければまあいいか…という気がしないでもない。

 で、今年はなぜ安心して過去問も使っているかというと…「私の足取りをつかめる塾などあるはずがない!」と自信があるからだ。

 2年前に養護学校に異動した。1年前に小学校の講師になった。で、今年、中学校にもどってきた。この足取りは、地域の遠さと学校種別の違いから、絶対つかめないはずなので、「つかめたならば、おめでとう、点をあげます!」という気になっているのだ。もしかして、向こうは必死に探しているかもしれないので、生徒には3年以上前にいた学校名を絶対に言わないようにしている。

 ちなみに、私のテスト問題は、ギャグやおふざけあり、子供だましのひっかけやいじわるあり、おとなげない満点阻止問題あり…の、「まともな塾の先生に見られるのが恥ずかしい…」シロモノである…。

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CDケース 「今日の出来事(65535)」 [ 最近のことの日記 ]
 オーディオ好きの人には当然かも知れないが、「聴けりゃいいや」的な私が驚いた「普通の」CDやDVDの取り出し方

CDの本当の取り出し方へジャンプ

 今まで、固いヤツとかだと、親指で「オラオラオラー」と押したり、CDが割れんばかりになるまでひっぱっていたが、ケースの方が手前にそれば、CDがすっと出てくるとは…目から鱗が落ちたので、思わず報告。

(たぶん、自然にできてた人もたくさんいるのだろうか?)

 追伸:うまくジャンプしないので、どうしても気になる方はこちらを入力してください。
http://allabout.co.jp/computer/av/

 面倒な方のために簡単に書くと、
1 片手でCDケースを持つ(その際に真ん中の裏側を持たない)。
2 反対側の手で真ん中の所を押す。するとケースが手前にそる力で、CDが持ち上がる。

 私はいつも置いたままの状態でやろうとするから出にくかったようだ。

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家庭が悪い? 「自分らしい生き方・お仕事(63308)」 [ 1年以上前をふりかえっての日記 ]
 ちょうど朝日新聞の投書欄で、「担任のひとことに傷ついた」とか「先生も言った後であれこれ悩んでいる」みたいな話題があったのを見て、思い出したことがある。

 4年くらい前だったか、A先生がある3年女子の指導をしたあと、夜7時くらいになって親から苦情の電話がかかってきた。たしか指導は、女子同士のケンカというか、何人かで囲んで文句を言ったとかそんなたぐいのことだったと思ったがよくは覚えていない。

 で、A先生は珍しく早く帰っていたので、代わりにその学年の主任のB先生が電話に出て応対していた。「こちらでも調べてまたご連絡しますね。」と物腰やわらかくB先生は電話を切った。

 電話を切って、B先生が首をかしげている。「いやあ、指導そのもののことが不服なのではなくて、指導の時にA先生が『家庭が悪い』と何度も言ったと娘から聞いて、ご立腹なのよ。でもA先生がそんなこと言うわけないしねえ。」

 A先生は、怒ると大変な人ではあるが、我が校きっての「人権派」である。ましてや、ベテランの域に入る人が、親の悪口など、そんなタブーを犯すわけがない。

 できれば今日のうちに解決を…とB先生は、A先生の自宅に電話をかけた。しばらく電話のやりとりは聞こえなかったが、B先生の笑い声とともに「なんだか大丈夫そうだな…」と数人しかいない夜の職員室には安堵感が広がった。

 B先生は、電話を切るとすぐに先ほどの親に電話をかけた。そしてまず親に話して納得してもらったあと、娘と代わってもらい、そちらにも説明をしていた。その内容が聞こえてきて、職員室には失笑がもれた。

 「あのね、A先生は、あなたたちのことで、『もう仲直りできている』という『結果』はよくても、呼びつけてみんなで取り囲むという『過程』がよくないって言ったのね。この『過程』は、あなたのおうちのことじゃないのよ。この前、英語でやった『プロセス』の方の『過程』なのよ。えー、わかんない。じゃあ、あとで国語辞典をひきなさい。過程の過は過ぎるって字よ。程はのぎへん…。『途中経過』みたいな意味ね。仲直りできたとはいえ、『やり方』がよくないって話だったのよ。 A先生は他におうちの人の悪口とか、育て方が悪いとか言ってないでしょう? ねー、突然、『過程』が悪い…とだけ言ったのね。うん、そうね、だから、そういう意味じゃないのよ。でも、気になるようならまた明日教えてあげるからね。」

 日本語はむずかしい! 生徒指導は「簡単なことばで」やる必要があることを痛感。

 その後しばらく、「うちは『カテイ』に問題があるのでもう帰ります」と、ひそかな流行語になった。

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バレンタイン [ 1年以上前をふりかえっての日記 ]
 バレンタインの思い出。

 今年は「チョコ持ち込み禁止」の学校に行く日だったので、特になし。家に帰ったら、去年の教え子(今小学5年生)から一個届いていて感激! 収穫少なすぎ!

 「持ち込み禁止ではない」中学校(珍しい)にいたときはちゃんともらえた。でも、はっきりと「練習したヤツ」とか「義理です」とか「担任だからしょうがない」とか断りつきがやたら多かったが…。

 その前の「持ち込み禁止」の中学校の時、嬉しいかどうか微妙な、名前もなく、朝、職員下駄箱の上履きの中(洗ってないので臭い)に入っていたパラソルチョコ…嫌がらせなのか愛なのか謎だった(でも食べた)。

 相当さかのぼって、若き22歳の時に女子校で講師をやっていたとき…あるクラス(高校の3年2組)で、紙袋を持って列をまわらされた…全員からチョコをもらってしまった…こんなに食べられない…と思って、ニヤニヤして家に帰って開けてみると、

 全部、ひとり1合ずつのお米だった!!! 

 日頃から「貧乏小話」とかを言い続けた甲斐があった。
本当に救われた。愛より、その日生きるための飯が必要だったので。 

 お金持ちの家が多かったせいか、日頃私が食べていた政府標準米(一番安い古米)とは違い、「ブランドもののブレンド」だったのでやたらとおいしかった。

 誰か気をきかせて、おかずもくれるとよかったのだが…。

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カーリング [ 最近のことの日記 ]
 カーリングの靴はどうなっているのか、そればかり気になってしょうがない。

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DVDの不具合 「今日の出来事(65535)」 [ カテゴリ未分類 ]
 デジタルビデオカメラで撮った「うちのSのあきれた行動」の映像を、DVDデッキのHDDにダビングし、そこからDVD-Rに落として、私の実家に送っている。内容はともかく、日頃会えないじじばばにしてみれば、貴重な成長記録になっているようだ。

 同じDVD-Rをもう一枚作って、保存用にもなるので、「世の中のデジタル化」も映像に関しては「便利になった」と思っている。

 その一方で、「エラーが起こってDVDが使えない」ことがよく起こる。DVDデッキが古いからなのか、DVD側の品質の悪さなのか、今までダメ出しされて結局捨てるしかなくなったDVDの数はかなりのものだ。それでも「相性とかあってそういうものなのだろう」と思ってきた。

 今日は、2枚続けて、DVD-R(マクセル)の不具合が起こり、これが続いてはもったいないとDVD-RW(三菱)にダビング。ところがこちらも二枚続けて、「初期化できない」とのメッセージ。これは偶然の重なりなのか、それともDVDデッキ本体(東芝)の不具合なのか。この後の調査が必要である。

 本体のDVDレンズにクリーナーをかけてみようと、とりだしたDVDレンズクリーナーに、爆笑。存在を忘れていたが、何とこのクリーナーは「阪神タイガースVロードスペシャル版(TDK)であった。しかも昨シーズンのものではなく、その2年前のものだったので、「クリーニングしながら、今岡が、金本が、桧山が、アリエスが、片岡が、矢野が…打つ!」というヤツだったので、見ていて嬉しくなってしまった。

 さらに同じDVDの中に、クリーニングはしないけれども「甲子園体験!六甲おろし」とかいうのもあって、ムーア(なつかしいなあ)が投げていたりして、あの年の興奮を思い出した。もしかして、昨シーズン、あんなには盛り上がれなかったのは、リーグ優勝までの間隔が短すぎたのだろうか…。

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続・カーリング [ 最近のことの日記 ]
 全然、このブログのテーマである自閉症についてや自分の仕事と関係のない話だが、やっとわかって嬉しかったので記入。

 カーリングのクツはすべるのかすべらないのか…やっとわかった。投げる人に関しては、片足だけよくすべるのだ! 右投げなら左足に、すべるクツ、またはクツの上から装着するものがあるそうだ。

カーリングへジャンプ
 これでやっと、カーリングの試合を普通に見られそうだ(今までは足元ばかりに注意がいっていた)。

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漢字対決! 「自分らしい生き方・お仕事(63308)」 [ 最近のことの日記 ]
 今日、中学校の特学の授業で、漢字の勉強(国語)があった。この時間はそれぞれの進度に合わせて、主に小学校の漢字プリントを1-1(1年生のその1)から始めて、1-2、1-3…と20くらいまであって、終わると2-1(2年生のその1)という風にすすめる個別学習だ。

 練習して80点以上取ると次に進んでもいい…というルールなのだが、もう5年生まで進んでいて、こちらも採点の時に「解答」を一応見ないとできないようなレベルの子もいれば、1年生を何度も何度もやっている子もいる。1枚のテストを受けるまで練習期間が長い子もいる。でも中学の3年間をかけて取り組めるので、むしろ通常級の中の国語が苦手な子よりも小学校で出る基本漢字に強くなっていると思う。

 今日、私が主についていたのは自閉症のA君と自閉症のB君だった。座席の都合上たまたまこの二人となった。A君は、形に強いこともあって、もう3~4年生くらいの漢字を書いていた。何回か練習するとたいていはほぼ満点を取る。でも二つの点ですごい。

 ひとつはその書き順。自分が「楽」に書ける書き順にこだわるのでその字ができあがるまでの順番は、想像を絶するものであった。でも今日のテスト形式では「書いたあとの結果」しか見えないので、OKなのである…。

 もうひとつは、日頃の文章には全然活かされていないこと。今までもA君が作文を書いたりする場面に私はついていたのだが、あまりのひらがなの多さに、まさかこんなに漢字プリントができているとは予想もしていなかった。障がい特性そのまんま…というか、応用がきかないようである。

 で、本日、強力だったのはB君。とにかく、めんどうくさがる。私は日頃A君と他の子数人…につくことが多く、B君にあまりついていなかったのだが、「すぐめんどうになってやらなくなる」ことは知っていた。今日はプリント1枚は絶対にやってもらおう…と1年生のプリントの練習に入った。

 すぐに鉛筆を転がして遊び始める。

 「右手に持って」と言うとちゃんと書く…という話だったので言ってみると…プリントのいろいろな漢字を書くべき欄に、「右」 「右」 「右」…と次々と書いた。

 消してやり直し。

 こちらの怒りモードとあちらの「気分の乗り」がうまくかみあうとプリントは少し進む。やっと少し進んだ。本当は答も結構わかっているのだ。

 そのうちめんどうになったか、ひらがなでふりがなが書いてある横に、そのまま「ひらがな」が書いてあった(わからないからではない)。

 「漢字で書きます」 と言って、いくつかのひらがなを消した。

 B君がまたちゃんと漢字を書き始めたので、しばらくA君の方についていて、その後ふりかえるとまた遊び始めている。「字を書きます」と伝えると「字を書きます」とオウムがえし。しばらくはそのままにしておいた。

 で、プリントを見ると「字」 「字」 「字」 …と書いてあった。思わず吹き出してしまった。うーん、でもこれはひとつまちがうと「おちょくってる」と思われて相手を怒らすに違いない。私はつい笑ったけど、今後やばいからなあ…と思い直し、強い口調で、

 「漢字書きます」 「まじめにやります」 と 正面から見つめておどした。(もちろんまわりの他の生徒や先生たちにも見えている)

 「やらない!」

 甲高い声で、はっきりとそう答えた。日頃はあまりはっきりしないだけに、みんなズッコケて笑ってしまった。あの緊張感の中ですごい…。

 で、その後も攻防は続き、プリントは終わった。次はまちがえた所をノートに書き出しての繰り返し練習だ。B君は赤鉛筆へのこだわりがあって、○をつけたがるので、「この列の練習が終わったら○をつけてよい」とした。最初の3行は大喜びで練習して、そのたびに赤鉛筆を渡すと喜んで○をつけていた。

 「よしよし、作戦成功!」

 そう思ったのもつかの間、途中で「鼻!」と叫んで、こよりを作って鼻につっこんでは、かみ始めた。いつまでも終わらない。「鼻かみこだわり」に興味は移行したようだ。

 その後、鼻紙を取り上げたり、追いかけたり、追いつめたり…、向こうからも、おなら攻撃(毒ガス連発)などの反撃もあり、そんな中、ねばってねばってやっと終わったのであった。

 帰りの会で「今日がんばったこと」を聞かれたB君は、「漢字」と言っていたらしい。 がんばったのはどっちかというと「私」です!

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特養ホームの嘆き 「自分らしい生き方・お仕事(63308)」 [ 最近のことの日記 ]
 数年前の卒業生(女子)から連絡があった。当時、お勉強はそう得意ではなかったが(笑)、いろんな行事で実行委員をはりきってやってくれ、それでいて目立ちたがり屋でもなくおとなしく、特に同性から好かれるタイプの本当にいいお嬢であった。

 福祉関係の専門学校に行ったので、もしかしてどこか仕事などで縁があるかも…と思っていたり、資格取るために勉強中とかなら、特学のお手伝いの仕事なども紹介できるけど…と頭にあったが、すでに『特別養護老人ホーム』に就職していた。

 メールでのやりとりだったので感情を押さえてはあったが、「あー、あの子がこんなに苦労するとは、福祉の現場もきびしいなあ。というか、もっと働きやすい環境にならないと、本当にいい仕事をしてくれるなり手が足らなくなるぞ!」と思うような仕事の様子だった。ちなみにこの子は中学生の頃から友だちといろいろなボランティアを積極的にやるような「尽くすの大好き」人間である。その人でもこんなに追い込まれるんだなあ…と、現実の厳しさを改めて思った。

 一部要約して紹介すると…


『今はだいぶ落ち着いて仕事行けてますけど、仕事がどんどん増えた3ヵ月目から、行くのも嫌、仕事の事考えるのも辛い状態がしばらく続いて、恥ずかしいんですけど職場で「もぅやっていく自信ありません…」って言いながら号泣しちゃったり、軽くパニック起こして家具にあたって壊してみたりと本当に今の落ち着いた状態になるまで苦労しました。

 職員だとパートさんに指示出さないといけないけど、指示が命令にとられたり、年上しかいない中でやっていくのは、周りの状況見たり、機嫌うかがったりで大変な事です…利用者がどうこうっていうより職員やパートさんとの付き合いがなにより辛い… ストレスです。

 重度の利用者、認知症の利用者もいて、対応とかどうにもならなくなると、思ったらいけないけど、「みんな死んじゃえばぃいのに」とか考えるし。でもそんな事考えたくないから、頑張るしかないんですよね…』 

 引用部分 終


 今は大丈夫って言いながらも、なかなか追い込まれている感じがでてるし…。シフトの関係で18時間連続労働とかもあるようだし、やはり24時間の施設はいろいろな所で職員が無理しすぎている気がする。職員が無理をすると、気持ちよく関われなくなる、ギスギスする、利用者も荒れる、職員が忙しくなる…と悪循環。そういう感じの所が多いのだろうか?

 友人(ZEALどらむ)の所(確か、知的の入居施設)の話を聞いたときも正職員の大変さに驚いた覚えがあるが、ゆとり持って働けるような仕事、高収入になる仕事、ものすごく社会的な評価が高い仕事…そのどれかでも認めていかないと、「有能な人材」が「つぶされて」しまうような気がする。

 福祉関係の仕事の人が大変…ということは、利用者である高齢者や障がい者にとっても大変…ということだ。しかも、確実に数が足らなくなっていく。

 こういうことって、国会のお偉いさんとか、「オリンピックで勝てないのは根性がないからだ」とか言っているような知事には、絶対に理解できないんだろうな。
(あの石○知事なら、「自閉症者は人の心を考える努力が足らない」とか「視覚障がい者は物を見ようとする根性が足らない」とか言いかねないと思う)

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突然の終わり 「自分らしい生き方・お仕事(63308)」 [ 最近のことの日記 ]
 週に一度だけ行って、選択授業だけ持っている学校がある。3年生・1年生それぞれ1枠ずつ。

 どちらも社会福祉コースだ。3年はこの1年間、1年はこの3ヶ月のみ。

 この3年生のがんばりは以前にもこのブログに書いてきた。それだけに結構感慨深いものがあった。

 ところが、今日行ってわかったこと…もう3年生の今年度の選択授業が終了となっていた!

 3年生は3月最初のテストが終わると、通常の授業をやらないことが多いし、卒業式の練習や合唱コンの練習や、奉仕活動などいろんなプチ行事が入ることも知っている。でも、この学校は、合唱も秋に終わっているし、何度か確認した時に、「さすがに卒業式の前日はありません。でも他は…学年で検討します」ということだった。

 ちょうど、今日もふくめて木曜日に進路関係で授業がつぶれることが続いていて、急に終わり…となったようだ。

 私はなぜか先週予感がしていて、「3月9日にあったらまた会いましょう。なかったら、これでさようならです。おつかれさまでしたー。」と終わっていた。なので一応終わってはいるのだが、本当はもっとほめたり別れを惜しんだり、さらに最後に総まとめを予定していたのだが…。

 教科によっては、やはり急に終わったので「答合わせしてないなあ」なんて人もいた。

 普通だと「ない」ことでラッキーと思うのだが、今回はちょっと残念! (休みならいいけど、どうせその日、1年の授業に行くし…)

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煙体験 「自分らしい生き方・お仕事(63308)」 [ 最近のことの日記 ]
 中学校で「煙体験」をした。たばこではない。火事の時の煙の怖さを知り、切り抜ける方法を練習するねらいの(たぶん)企画である。教室の半分くらいの大きさのテントがグラウンドに組み立てられて、消防署の方の説明を聞いたあと、5人くらいずつ順番に入るのだ。

 クラスごとに玉突きで行く形で、その時間の授業者が引率ということだったので、まあ普通は講師の授業に当たらないように組むものだと思うが、私は今日思いっきり2クラスも引率して外に行った。テスト範囲も終わってたし、こういうの好きだからいいけど…。

 テントの中は煙が充満している。ただのテントかと思いきや、中には不規則に仕切りがしてあり(ビニル製の壁)、煙で、どっちに進めばよいかよく見えない…という状況が体験できるのだ。もちろん煙は有害なものではない。なんだかプリンのような味?と香りだった。

 生徒の反応もそれぞれで、「先生、恐いから一緒に行きましょう」と「お化け屋敷かい!」と突っ込ませるようなヤツとか、なかなか出てこなくて、中で「ワッ」と脅かしているヤツ(お化け屋敷かい!)とか、勝手に2回入ったヤツ(フリーパス券かい!)とかもいた。かなり遊園地のアトラクション気分である。

 1クラス目は、授業の後半でお呼びがかかったので、「煙体験」の話(見えないときは手で壁を触ると良いとか、今日の煙は安全だが緊急時は火よりも煙が恐いなど)をしておいたからそう混乱はなかったが、2つ目のクラスは休み時間中にお呼びが来たので私からは何も説明できなかった。(本当は朝の学活で担任がやってあるはずだがそれもなかったらしい)

 さらに入る前に、消防署の方が「今日の煙は無害ですが…」と説明していたのだが、静かにはしていても、「人の話を聞いちゃいない」のであった。


 そのクラスは、何人かが顔を真っ赤にしてゴホゴホむせながら、涙目で出てきていた。

 「大丈夫?」と声をかけてなんだかわかった。

 「あんなに長い距離、息が続かないよ。途中で息しちゃったから思いっきり煙を吸い込んでむせた…」と語っていた。人の話を聞いていない人たちは、なんと、無呼吸で5分間くらい歩くつもりだったらしい(笑)。そして、急に吸ったからむせたのか、それが有害だと思いこんでるからむせたのかは謎だが、せきこんでいたのであった。

 教室にもどってから伝えておいた。「えー、緊急時はなるべく煙を吸わないように、姿勢を低くしてハンカチを口に当ててください。下の方が煙が少ないですから。それと、時々息をしてください。煙を吸い込んでもやばいですが息をしないと死んでしまいます(笑)。」

 「あー、そうかー」と言っている人が数名いた…。

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次は自分の番? 「自分らしい生き方・お仕事(63308)」 [ 最近のことの日記 ]
 先週、公立高校入試が行われ、例年通り、その問題と解答が新聞折り込みに入っていた。

 本日、学校でそのことについて聞いた。折り込みに入ってからすでに3日間過ぎている。「入試問題の社会科を見た人?(やってみた人ではなく、見た人である)」

 3クラス(各38名)で、10名、2名、5名…。学年末試験前で忙しいから、まだなのか…と好意的にとらえてもちょっとなあ…。ちなみに中学2年生(来年受験)である。

 一方、本日、廊下で見た「イナバウアー」の数…女子5名。こっちはまちがいなく流行っている。でも芸術点がいまいち…。

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言われてイヤなこと 「障害児と生きる日常(20073)」 [ 最近のことの日記 ]
 私が週1で勤務する中学校の特学には、「ダウン3兄弟」がいる。ダウン症の特性で少し似ているとはいえ、もちろん他人である。しかし、まるで「だんご3兄弟」かのように、助け合い仲むつまじいのだ。そのくせ、しょっちゅうケンカばかりしていて、しかられると最後は固く「抱擁(ほうよう)」しあって許し合っている…という平和な人たちなのだ。

 今日は、そのうちの二人のトラブルがあった。2時間目のあと、A君がなんだか泣いている。筆箱のファスナーの金具がはずれていて、それで切ったのか、手のひらに少し線上ののミミズ腫れがある。「どうしたの?」と聞くと、「Bが、バーンってやった」と言う。とりあえず手を水道水で冷やすことにした(ほとんどたいしたことはなさそうだが、気持ちの問題なので)。

 で、B君に、「何やったの?」と聞くのだが、へそを曲げていて、「フン」とか言ったりして、聞いても固まっている。仕方がないので『公開捜査』に切り替えた。ちょうど担任の先生が次の準備で出遅れていたので、その前にクラスのみんなに聞いた。

 私「A君とB君がなにかもめた所を見ていた人?」
 Cさんが手をあげている。
「Cさん、休み時間、ここにいなかったよ!」 突っ込まれて却下される。

 現場では誰も気がつかなかったようだ(私も室内にいたが気づかなかった)。しかし、ここで新情報が出る。

 「A君がB君に、朝から悪口を言って怒らせていたよ。」
 「あ、言ってた、言ってたー。」 
 「休み時間も言ってたよ。」 
 「あ、言ってた、言ってたー。」

 私「なに! B、 君はAに悪口を言われたから怒ったのか?」 
 B君、コクリとうなずいた後、また机の上につっぷして、固まっている。

 私「なんて言ったの?」 
 B君「☆☆☆とか***」 
 よく聞き取れない。
 こういうとき、クラスメイトの通訳がありがたい。

 友「たぶん、朝言ってたから、『テレビとかDVD』って今言ったんだと思うよ。 『Bのテレビ! BのDVD!』って言ってた。」

 私「そうか、そんなことを言ってたのか! ?????? それって悪口?」

 友「さあー」

 私「で、B、悪口言われて怒って、筆箱こわしたのか?」 
 B「ひーん(泣)」

 と大体のことがわかったあたりで担任の先生が教室に来たので、私が説明して、二人はそれぞれしかられて、それぞれの行動を反省して、謝りあっていた。3時間目中にはもう二人仲良くじゃれ合っていたので、いつも通りなのだが、よく考えてみるとおかしくてしょうがなかった。

 「悪口」を言いたいが、悪いことば(たとえば、バカとか死ねとか)を言ってはいけない…とすでに言われ、言えることばが減ってきたA君には、よくある悪口が使えなかったのだろう。なんていいヤツなんだ(笑)。

 それでも、何でもいいからと「テレビ」とか「DVD」と言っているのだが、言った本人も「悪口を言った」気になっているし、言われた本人も「悪口を言われた」気になっている。当事者同士がそうだから、「悪口やめよう!」であっているのだと思う(笑)。

 先生もいつものつもりで、つい言っていた『定番のひとこと』が、よかった。

 「A君、自分がいわれてイヤなことを人に言ってはいけないよ!」


 その通りなのですが、私は、「このテレビ!」とか「このDVD!」て言われてもイヤじゃないのですが…。

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