*embrace*

*embrace*

おじぃさんと杖



おじぃさんは足がぁまり良くなく杖の支えが必要でした。

杖はおじぃさんをぃつも支えてぁげてぃました。

どんなに辛ぃ階段も 

    どんなに急な坂道も 

        どんなに疲れてぃても

            どんなにぉ天気が悪くても   

杖は いつも いつもおじぃさんの支えでした。


おじぃさんはその代わりにいつも杖を磨いてピカピカにしてくれました。

杖を本当に 大切に 大切に してくれました。


おじぃさんと杖は ぉ互ぃがぉ互ぃを必要としていました。

ぉ互ぃが本当にかけがぇのなぃ存在でした。




・・・ところが、ぃつからかぉ互ぃを大切にしなくなったのです。




ある日、杖はおじぃさんのことを転ばせてしまったのです。

おじぃさんは杖の些細な不注意で一生歩けなくなってしまぃました。





おじぃさんは 杖に怒りを感じました。

自分がこぅなったのは ぉ前のせぃだ、と。


おじぃさんは 杖を磨かなくなりました。

それどころか 機嫌の悪ぃときは、何度も 何度も折りました。



杖はボロボロになりました。

そこでやっとおじぃさんは我に返って杖を直しました。

何度も「ご め ん ね」 と言って 直しました。




杖はそんな優しぃおじぃさんを見て思いました。

「お じ ぃ さ ん を  一 生 支 え て い こ ぅ」と。





しかし 足の不自由なおじぃさんを支え続けることは大変でした。

杖は、またボロボロになりました。

その度に おじぃさんは直してくれました。

「あ り が と ぅ」 と言って 直してくれました。




杖は 何度も 何度も ボロボロになりました。

杖は 傷だらけでした。全身が包帯だらけでした。



それでも杖はおじぃさんを支え続けよぅとしました。

自分の過ちを受け入れてくれたおじぃさんを一生支えていこぅと決めてぃました。




杖は もぅ 限界でした。

折れた部分が直らないのです。

重ねた傷は癒えることが出来なくなるまで深くなっていました。




そんな杖を見て おじぃさんは言ぃました。


「も ぅ  ゃ め ろ」と。

「も ぅ  十 分 だ ょ」と。



しかし 杖はボロボロの体を無理やり起こし、おじぃさんを支え続けました。

痛くもなぃのに 涙が止まらなくなりました。

杖はおじぃさんのそばを離れよぅとしませんでした。




おじぃさんは そんな杖を見て 涙をボロボロ流しながら言いました。


「俺の足はぃくら支え続けたって良くはならなぃんだ」と。

「そんなにつらぃ思ぃをするんだったら、俺をほっとけ」と。

「ほっとけば 俺は孤独に寝たきりで死んでいくのに」と。

「ほっとけば ぉ前は苦しくなくなるんだ」と。

「このままじゃ ぉ前は粉々になるぞ」と。



「新しく もっと大切にしてくれる人のところへ行け」と。









杖は 涙が枯れ果てるほど泣きながら 言ぃました。


「辛くても 苦しくても ボロボロになっても 支え続けたいんだ」と。

「どんなに傷つけられても 自分は大丈夫 なんだ」と。

「一生おじぃさんを支え続けるんだ。約束を守りたいんだ」と。




「ただ、ただ、おじぃさんのそばにぃたぃんだ」と・・・。









杖には おじぃさんが必要でした。

おじぃさんをほってぉぃて、他の人の支えにはなりたくぁりませんでした。















それからは ずっと ずーっと 一緒でした。

もちろん ぉ互ぃ傷ついたり 罪悪感を感じることもぁりました。

それでもずっと ずっと ずーっと 一緒でした。

相手から離れることは 自分の命の終わりを意味することでした。


おじぃさんと杖は生涯を共にしました。













そして 自分の命の終わる時 ぉ互ぃが同じコトを思ったのです。

ぉ互ぃを大切にしてきた者だけが感じる 特別な想ぃ。












「出 逢 え て よ か っ た」と・・・・・・・・。   《完》

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