亜矢羽ノ国

041+樹海



  2人で死のうね。 」


そうやって約束した日から。

どれだけの月日が流れたのでしょう。


あのころの僕達は。

死と言うものに憧れていました。

誰も体験したことがないからこそ。

感覚を味わいたいと思っていたのでしょう。


会う度にそんな話しばかりをしていましたね。

岬に立って。

2人で手をつないで飛び降りよう。

強い海流に流されても。

つないだ手は離さないよ。


樹海にも入ってみたい。

全てを狂わす場所に行ってみたい。



とても楽しかった。

貴女と一緒に過ごせた時間が。

今になってとても愛しい。

取り戻せなくなってから分かったこと。


雪解けの季節がきたら。

僕は1人で樹海へ行くことにしましょう。

貴女がくれたコートを羽織って。

何も持たずに真っ直ぐに歩き出しましょう。


貴女を愛したままで。

貴女と夢を語った場所へ。

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: