亜弥が生まれた日のお話


「なんか出てる!」

何が出てるのかわからなかったが、どうやら破水してしまったようである。
しかし、出てくる量があまり大量ではなく、チョロチョロ出てくるようで、心配になり産婦人科へ電話を入れたところ、「恐らく高位破水でしょう。もう少しすると陣痛が始まると思いますので、陣痛が10分間隔になったら来てください。」とのこと。

準備してあった産後用パッドで処置して、家内を安静にさせる。
しかし、破水は依然として続いているようで、家内は不安がることしきりであった。

こういう時、旦那というのは非常に弱い存在で、何も出来ずに、高位破水がどんなものなのかも知らない状態で、今思うと情けないやら、悲しいやら…
取り急ぎ、入院の準備をカバンに詰め込み、ネットで高位破水やら陣痛について調べ、とりあえず横になる。

明けて12日、午前6時前に家内が「痛いよ~!それに間隔が段々短くなってきてる」というので、産婦人科に電話を入れ、今から向かうと連絡を入れる。
かなりな痛みのようで、歩くのもタクシーに乗るもの大変な様子。
家内を支え、でかいカバンを持って、タクシーで産婦人科へ。

早朝だったため、いつもなら20分かかるところ、わずか10分で病院へ到着。早速、家内は処置室へ、私は喫煙所へ(笑)

「旦那さん!こちらへ」と呼ばれて、医師から説明を受ける。

「子宮口の開きは約4センチです。早速、帝王切開の準備に入りますので、宜しくお願いします。」とのこと。

実は、胎児は逆子で、お尻が骨盤にはまった状態でいるらしく、自然分娩は難しいらしく、帝王切開の予定を12月3日にしており、誕生日まで決まっていたのだが、破水してしまった為、急遽、手術になってしまったのである。

早速、家内と私の実家に、至急病院に来るよう連絡を入れ、家内が処置室から出てくるのを待つ。

家内は、8時過ぎに処置室から点滴をしながら、歩いて出てきた。
「大丈夫か?」
「とりあえずは…それにしても痛いわ!」
「じゃ、頑張ってきてね」
「うん」と手短に会話し、手術室へ。

ここからが、長かった!
生まれるまでに約1時間の長いこと長いこと!
タバコを10本以上吸ったでしょうね(汗)ほとんどふかすだけなんですが…
それから無性に喉が渇いて、缶コーヒーを3本ほど。(飲みすぎだって!)

そうこうしているうちに、家内と私の両親が到着する。
第一声が「もう生まれた?」
どちらの両親にとっても初孫なので、仕方ないが、家内や私の心配など微塵もない様子で、ちょっとがっかりしたのを覚えている。

「まだ生まれてないよ。いま手術室で頑張ってる」
「間に合ってよかった!」(ほんとに孫のことしか考えていない様子…)

そして、午前9時30分!「フギャ~!!」と手術室から産声が聞こえ、新しい家族が誕生した。

声を聞くと、男の子のような威勢の良い泣き声だったので、内心がっかりしていた。(女の子が欲しかったし、逆子で性別判定する部分が見えなかったため、性別については一切聞かされていなかったんで)

「お父さん!こちらへ」一瞬自分が呼ばれているのか、認識できなかったが、「あっ!俺のことか」と戸惑いながら看護婦さんのところへ。

「2380グラムの元気な女の子ですよ」(やった!女の子だ!!)
「はい、抱っこしてあげてください」といわれ、紙に包まれた生まれたばかりで、まだ濡れている女の子を抱き上げる。

「わっ!軽っ!」というのが第一印象。
なかなか子供を抱っこしたことがないので、非常におっかなびっくりで抱っこしたのを覚えています。

記念写真をとってもらい、看護婦さんに返して、産湯へと向かう。

さて、今度は家内が無事かどうかが気になりだす。なかなか手術室から出てこないので、やきもきしていたが、産後の処置にはかなり時間がかかるようで、30分以上たってから出てきた。
顔色は少し悪いが、意識ははっきりしており、一安心。

「ご苦労様。大変だったでしょ」
「少しね。」
照れくさそうに話す家内の顔を見て、少し涙ぐんでしまった。(恥)

© Rakuten Group, Inc.

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: