~Ayu's Protection Room~

ドグマチール細錠10%

ドグマチール10%

概説 胃の働きをよくするお薬です。また、うつ状態を改善したり、気分を安定させる作用もあります。
作用

【作用-1】


胃の粘膜の血流をよくして、胃潰瘍の治りを助けます。また、胃腸の動きを活発にして、吐き気やもたれの症状をよくします。胃腸症状に対しては、比較的少量を用います。


【作用-2】


気分が晴れず落ち込んだり、悲観的になったり、眠れない・・そんなこじれた心の症状「うつ」を治します。脳の活動をよくして、気持ちが前向きになるのを助けます。脳内の神経伝達物質ノルアドレナリンの放出を促進する作用があるといわれます。この場合、やや多めの量を用います。


【作用-3】


心の病気の一つ「統合失調症」は、脳の情報伝達系に不調を生じる病気です。現実を正しく認識できなくなったり、思考や感情のコントロールが上手にできなくなります。幻聴や幻覚、妄想を生じることもあります。

このお薬を多めに用いると、そのような脳内の混乱を改善する作用がでてきます。おもに、ドーパミンという神経伝達物質をおさえる作用によります。とくに陽性症状(妄想、幻覚、幻聴、混乱、興奮)によい効果が期待できます。

統合失調症は、120人に1人くらいかかる普通の病気です。特別視することはありません。きちんと治療を続ければ、普通の社会生活が送れます。
特徴 安定剤としては作用がおだやで、副作用も少ないほうです。いろいろな精神症状の改善に広く使われています。
注意
【診察で】
持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
他の薬と相互作用を起こしやすい性質があります。別に薬を飲んでいる場合は、必ず医師に伝えておきましょう。
副作用について、ご本人、できたらご家族も含め、事前によく説明を受けておきましょう。

【注意する人】
プロラクチン分泌性の下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)、または褐色細胞腫の疑いのある人は使用できません。
高齢の人や体の弱っている人は、副作用がでやすいので慎重に用います。心臓病、低血圧、パーキンソン病、腎臓病の人なども注意して用います。


【飲み合わせ・食べ合わせ】


他の安定剤など脳の神経をしずめる薬といっしょに飲むと、作用が強くなりすぎたり、副作用が強まるおそれがあります。逆に、パーキンソン病の薬では、お互いの作用が弱まることがあります。


飲み合わせに注意..他の安定剤、パーキンソン病の薬(レボドパ製剤など)、吐き気止めの薬(ドンペリドン、メトクロプラミド)。
アルコールといっしょに飲むと、眠気やふらつき、立ちくらみなどの副作用がでやすくなります。飲酒はできるだけ控えてください。

【使用にあたり】
指示された用法用量どおりに正しくお飲みください。決められた期間、きちんと続けることが大切です。
少量より開始し、増量していくことがあります。
副作用(ふるえ、こわばり)を予防する薬と併用することがあります。
急に飲むのを中止すると反動で症状が悪化することがあります。自分だけの判断で、急に中止したり、飲む量を変えてはいけません。

【食生活】
眠気がしたり、注意力や反射運動能力が低下することがあります。車の運転など危険な作業は避けましょう。
口が乾いて不快なときは、冷たい水で口をすすいだり、小さな氷を口に含むとよいでしょう。

効能 胃・十二指腸潰瘍。
うつ病・うつ状態。
統合失調症。

用法 胃・十二指腸潰瘍..スルピリドとして、通常成人1日150mgを3回に分割経口服用する。なお、症状により適宜増減する。
うつ病・うつ状態..スルピリドとして、通常成人1日150~300mgを分割経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日600mgまで増量することができる。
統合失調症..スルピリドとして、通常成人1日300~600mgを分割経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日1200mgまで増量することができる。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。

副作用 わりと多い副作用は、ホルモン異常(生理不順、乳汁分泌)と錐体外路症状(ふるえ、こわばり)です。それほど心配いりませんが、ひどいときは早めに受診してください。錐体外路症状は高齢の人に多く、表情が乏しくなるので、痴呆やうつと間違えられることがあります。

長く飲んでいると、口周辺の異常運動や舌のふるえが続く「遅発性ジスキネジア」を起こすことも知られています。これは治りにくいことがあります。長期服用時、とくに女性や高齢の人は注意します。

めったにありませんが、抗精神病薬には「悪性症候群」という注意を要する副作用があります。体が硬直して動かなくなり、高熱がでてきたら、すぐに医師に連絡してください。高齢の人、体の弱っている人、また薬の量を増やしたときに出現しやすいものです。ご家族や周囲の方も注意してください。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
悪性症候群(Syndrome malin)..体の強い硬直、じっとして動かない、ふるえ、意識がはっきりしない、発汗、高熱。
遅発性ジスキネジア..口の周辺がピクピクけいれん、口をすぼめる、口をモグモグさせる、舌のふるえ。
けいれん。
重い不整脈..動悸、頻脈(120/分以上)、徐脈(50/分以下)、胸の痛みや違和感、めまい・ふらつき、立ちくらみ、気が遠くなる、失神。
肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が褐色。

【その他】
生理不順、乳汁が出る、男性の乳房がふくらむ
錐体外路症状..指や手足のふるえ、筋肉のこわばり・つっぱり、ひきつけ、目の異常運動(正面を向かない、上転)、舌のもつれ、じっとできない、そわそわ感、無表情、うまく歩けない
不眠、眠気、めまい、口の渇き、吐き気、便秘




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