お座敷ばんび・PIYO

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君のぬくもり・4

君のぬくもり・4



「 Wonderful Life 」

2007-05-12 08:05:11



最近、ひょんなことから講義をして欲しいという依頼が飛び込んできた。

どこでわたしを聞きつけたのか請われて引き受けたけたのだが、

依頼者から出させる講師料はたかが知れている。だがわたしは

お金の事ははじめから計算外で、儲けようと思って引き受けたのではない。



それより講義を受け持つとなれば当日京都に行くことになる。

半ば強制的に京都行きを自分に課すことによって、好きな京都のお寺や庭を

ゆっくりまわり、風物にも触れられる。いわば己の楽しみを正当化するための出張でもある。

しかし、今回の京都行きは、講義をし、お寺を巡るといった単純なものではなかった。


わたしの常宿は、三条を少しあがった鴨川の畔にあるホテルである。

東向きの部屋を借りると、正面に東山から比叡が望め、鴨川の清流が見下せる。

部屋の窓の障子を開けると、低い家並みを超えて、東山が見える。

そのなだらかな起伏の奥に、一段淡い色あいの比叡が空に鮮やかな隈取をみせている。

ただこのホテルの欠点はやや小さくて、急な予約では取れないことがままあることである。



そんな時わたしは東山の高大寺に近い旅館に泊まる。

八坂神社の表参道にそった閑静なところで、朝方など知恩院をはじめ、

辺りに並ぶ寺の、鐘の音で目を覚まされる。



君が京都に行くと言ったとき、真っ先にこの高大寺に近い旅館を考えた。

だが、静か過ぎるかもしれないところで、退屈になってはいけないとも思い、

それにゆっくりしている時間も無い。そんな事から結局、京都駅に近いホテルにした。


京都駅から中央郵便局を霞め、とおりを渡るとそのホテルはあった。

まるで、東京駅から丸ビルに向かうかのような錯覚がおもしろい風景だ。

今朝は早く起きたせいか、軽い眠気が襲ってきたので横になった。

そばで君が鞄から私物を出し、クローゼットに服を掛けているのが見えた。

その後、こちらに近づく気配を感じながら、わたしの記憶は薄れていった。



2007-05-12 08:07:59


目が覚め今自分がどこに居るのか確認し、まず時計をみた。

プリンスホテルの正面にある、国際会館で講義を終え、部屋に戻ったことを思い出す。

君は鏡に向かって食事に出る支度をしているところのようだ。

殆どもう退屈しのぎのようである。

京都に来たので精一杯お洒落をしたようだが、これでは落ち着いたところには

連れて行きづらい。君らしいのだが洋服が派手だとも言いづらく、

私はコンシェルジュに内線を廻してみた。

エントランスの奥に幾つか食事ができるところがあったはずである。

受話器の応答によれば、フレンチレストランと、鉄板の店に予約の空きがまだあるという。

どちらかといえば、君の仕度は鉄板焼きのほうに向いているだろう。

早速、その店に予約を入れさせた。



内線を切り視線を上げると、君が鏡の前でこちらを振り向いている。

鉄板焼きに反応したのか退屈さを吹き飛ばし、なんとも無邪気にうれしそうである。

意外な反応に笑ってはいけないと、軽く笑顔を作り、

君は私の心中を知らないまま、わたしの後に付いて部屋を出た。




「 BIG BEAT 」


2007-05-12 09:22:42


京都の仕事を終え帰宅した数日後の朝、

仕事の古いフェイルを整理していた中からある手紙が出てきた。

差出人は私の家の近くに越してきた親友のものだった。

どのくらい前のものになるなか、消印を見たが

インクが薄れていて肝心な年がよく読み取れなかった。


軽く読んでみると、私が親友の住んでいた都内に何らかの

用事もあり訪問をしたようである。確かに夜の高速を走り

向かった事がある。懐かしい記憶が徐々に蘇ってくる。



「人を好きになる事」について。。。

この長年の親友とは時折、そんな話をしてきたと思う。

具体的な近況は簡単にするも、親友は短気がちな私には無い

考え方を持っていて、私は何気なくかけられた言葉に、はっ!と

することが多い。それだけ、楽しいことばかりではなく、

苦しみの涙も流し悩み考え、浄化しながら様々な時間を

超えてきたからに違いないと私はいつも思っている。



そんな親友が結婚をしようか考えている と

つい先日近況を伝えてきたところだった。

今までも一人でいたのは何故だか分かっているが、

こちらが不思議に思うくらいに、本当に慎重で真剣に

今にまで至っている。そんな親友が言った、これからの人生、

私は心から嬉しく思い、幸せになってほしいと願う。。。













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