☆バンデバ☆~fumoの番茶も出花~

『卍』谷崎潤一郎

『卍』


キターーーーーー(((>w<)b

遂に『卍』を読んでしまった~~!
ちなみに、卍(まんじ)って読みます。ちょっと分かりづらいよね。

この本の舞台は関西です。

主人公の若き未亡人「園子」(23,24歳くらい)の独白と「先生」とよばれる、作者?なのかな学者っぽい人の対話風に物語が進んでいきます。

園子は、何不自由なく育った箱入り娘で、親の選んだオトコと結婚してます。その夫は弁護士で特に相性がいいというわけではないのですが、悪いと言う訳でもなく、単調ではあるけど、まぁ幸せな日々を過ごすのです。
家の中には使用人もいて、園子はすることもないので自分の趣味であった絵画の専門学校に通うことにします。
園子はそこで知り合った美しい女性「光子」に夢中になります。

光子も同じように園子を気に入り、「ねえちゃん、ねえちゃん」と慕って、学校をサボっては宝塚に遊びに行ったり京都に行ったりします。

園子はどんどん光子にのめりこみ、夫をわずらわしく思うほどになってしまいます。

そのころ、光子の恋人と名乗る男「綿貫」があらわれます。

彼によると、光子は自分と結婚するつもりで、綿貫以外の縁談を断るために、園子と同性愛であるといううわさを広めたと園子に言います。

園子は自分が利用されていたと知り、ショックを受けもうこんな人の道をそれたような恋愛は終わりにしようと誓うのです。

ところが、光子はあらゆる嘘をついて、また園子の前に現れます。
「ねえちゃんから借りた避妊の本を参考にしたのに子供が出来てしまった、助けて」
といって。
園子は結局まだ光子が好きだったので、妊娠は嘘だったのですが、また光子にのめりこんでゆきます。

側から見ていた 園子の夫と 光子の恋人綿貫は気が気じゃありません。

この綿貫は異常な嫉妬深い人で、独占欲が強く、園子に敵意をむき出しにしてきます。
終いには「姉弟の誓約書」という、自分と園子が光子に対して抜け駆けをしないようにするというものを作り出し、園子にサインさせ、血判を押させると言う、正気の沙汰では到底出来ない手段に出ます。

まさに元祖ストーカー。綿貫は、やばいです。まじで。

園子は何度も自分の気持ちについて考えるのですが、そのたびに光子に
「うち、ねえちゃんが一番や」
とかなんとか言われて、もう抜け出せなくなっていきます。

そして、遂に、園子の夫までもが光子の色香に魅せられて、光子と関係を持ち、光子をめぐる奇妙な三角関係が始まります。

光子は園子と夫の自分への愛を確かめるために、毎日毒を飲ませるようになります。園子と夫はどんどん弱っていき、光子のおもうがままになって行きます。
最後は、三人で死のうと言うことになるのですが、なぜか園子だけ生き残るのです。
園子は言います
「…明くる日眼エ覚ました時にも、直きに二人の跡追おう思いましてんけど、ひょっとしたら、生き残ったん偶然やないかも分かれへん、死ぬまで二人に欺されてたのんやないやろか云う気イしましたら、(死ねなかった)…」(P193)
と。

そして、でも光子を愛している気持ちは変わらないと。

う~ん、すごい話だ。

この物語の登場人物で一番共感できたのは、光子です。
光子はとにかく自分が可愛くてしょうがない自己顕示欲の強い人なのです。
自分を可愛がるためには手段を選ばない女なのです。
平たく言うと我が儘娘ですなぁ。
人を振り向かせるためには嘘八百だって何だって厭わない。
なんか、その哀しい卑怯さが共感できます。

逆に、光子をめぐる男女は、光子を観音様のように崇めることによって、
自分の存在価値を見出しているような気がする。

まさに、需要と供給ですねぇ。

恋愛じゃなくても友情でも仕事でも、身近なところに程度の差こそあれ、
こういう出来事はあると思います。

おもしろかった^-^




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