☆バンデバ☆~fumoの番茶も出花~

『蛇を踏む』川上弘美




『蛇を踏む』川上弘美



『蛇を踏む』のほかに、『消える』『惜夜記(あたらよき)』
の合計三作品が入っています。

『蛇を踏む』

4年間女子高で理科を教えていた元教師サナダヒワ子は教師生活で心身ともに「消耗」してしまい、近所の「カナカナ堂」という数珠屋さんの店番として働いている。

そんなある日、出勤の途中蛇を踏んでしまう。
その蛇は踏まれたとたん50歳くらいの女性に変化し、毎晩ヒワ子の部屋で夕食を用意して待つようになります。

その蛇に、蛇の国に来て一緒に暮らしましょうと誘われます。

蛇は自らをヒワ子の母だと自称し、その日あった出来事や思い出話などを語り始めます。

最初ヒワ子は、蛇のことを気持ち悪がりますが、次第に人間にはない蛇の温かさに惹かれていきます。
人間には人と人との間に必ず「壁」を感じるのですが、蛇にはその気配がないところに、どんどん魅力的に感じ始めます。

最後は、
蛇は蛇の国に来ることを要求し、ヒワ子はかたくなに拒み続けながら
蛇とヒワ子は首を絞めあいます。

これは、「世にも奇妙な物語」みたいな印象でした。
何かを揶揄しているんですよね。
昔話みたい。
浦島太郎みたい。

蛇の国は魅力的だけど、でも、自分のプライドを捨てきれないヒワ子。
これは、現状に満足せず、けっして幸せとはいえないけれど、変わる事に臆病になりがちな人間。
ヒワ子が蛇の国にいったら今より幸せになれるのでしょうか…

蛇の国に行ったとしても、人間世界で暮らし続けるとしても、幸・不幸は自分自身の中にあるものなのかもしれません。
考え方次第ってことだと思います。

案外、幸せはもう手にはいっているのかも。

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