K/Night

K/Night

夢追い人


自分の後ろにも無数の足跡
だけど今ここにいるのは自分だけで
見上げると、まるで自分を嘲笑うかのような雲1つ無い青空
太陽の光の為か、それとも砂埃なのか、ジワリと涙が溢れてくる

自分は独りだ
夢を失って、ここから動けずにいる夢の無い旅人
自分は孤独だ
いっそ砂に埋もれて全てを終らせたい

砂の中に座り込む
もう立つ気力も無い
「・・・・・・・・。」
ふと前方を見る
誰かが戻ってくる
過去を振り返っているのか・・・・
誰かは俺に向かって手を振る
「見つけましたよ。急に貴方を見かけなくなって心配していたんですよ。」
本当に心底嬉しそうな笑顔
「貴方はここで立ち止まって良い人ではないですよ。1度躓いたからって、全てを諦めちゃいけません。」
そうして自分に手を伸ばす
「貴方が歩いている姿を見て、私は今まで諦めずに歩く事が出来た。それほど貴方は大事な夢を持っていて、輝いていた。大丈夫。貴方ならきっと、また歩けますよ。」
思わず手を伸ばす
その手は伸ばされていた手に取られて、立ちあがらせてくれた
「一緒に歩きましょう。貴方が、もう大丈夫と思える所まで。」
そして前方を指す
自分達が行くべき道を

ここは夢へと向かう砂漠
自分達は夢追い人

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