cmoookさん、お久しぶりです&コメントありがとうございます。
中国に東欧に幅広くご活躍のようで何よりです。

>まさしく、コントロールが難しくて不満がたまっています。
私としては、成果を確実に挙げられるような方であれば、少し大目に見てあげても良いのではないか、などと考えてもいます....
(2006.04.27 17:10:12)

北京ビジネス最前線改め中国ビジネス後方基地

北京ビジネス最前線改め中国ビジネス後方基地

2006.04.25
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日本企業の中国現地法人では、大企業なら部長クラス、中小企業なら総経理(社長)を中国人に委ねています。マネージメントに中国人を登用することと『現地化』は決してイコールではないと思いますが、中国で中国人マネージメントを登用することは、ビジネスの成功に不可欠な必要条件ではあります。

さて、中国人マネージメントの登用の仕方にも、大きく分けると二つの方法があります。一つは、 日本の本社で仕事をしてきた中国人を中国の現地法人に駐在させる、 と言う方法。もう一つは、 中国で採用した有能な現地社員を登用する、 と言う方法です。前者には、日本に留学し日本の別の企業で経験を積んで、日本で中国要員として転職し、ほぼすぐに中国に派遣されるケースなどもありますし、後者には、その現地法人の中で長年働いている社員が昇格する場合もありますし、いきなりヘッドハンティングで幹部に登用するケースもあります。様々なケースがありますが、日本の本社からの派遣か現地での登用か、の二つに分けてお話を進めてみたいと思います。

中国人幹部を日本の本社から派遣する魅力は、何といっても 会社に対するロイヤルティ(忠誠度) ではないでしょうか。これは、日本の本社社員が海外に駐在する場合と同じ待遇であることが前提ではありますが。お給料も評価も、自分の人生も、みんな日本の本社に依存することになりますから、日本の本社にとってマイナスになるような行為はあまりしないはずです。また、 日本本社の企業理念、企業文化、社風などを理解している 場合が多いので、中国の現地法人に日本の本社のそれらを導入する場合は、大きな力になるはずです。さらに、 日本流のビジネスの仕方をわきまえている はずですから、中国における日系企業との取引などにも力を発揮できると思いますし、日本の本社との連絡、報告、交渉においても、うまく行くでしょう。 日本の本社や現地法人の日本人にとっては、比較的安心感がある と思います。


まずは 待遇格差 。日本の本社社員としての待遇と現地法人の幹部としての待遇には、多くの場合、雲泥の差があります。前者の場合、給料は日本本社の体系に基づきますし、海外勤務手当てなども上乗せされるでしょう。さらに、中国での住居や日本への帰国も会社費用で賄われる場合が多いはずです。現地採用の有能な幹部に、現地法人がいくら優遇したとしても、月5万RMBも払える日系現地法人は稀でしょう。年収60万RMB(約900万円)は、中国都市部のビジネスマンの中でもかなり高給取りに属すのでしょうが、同じポジションで日本の本社から派遣された中国人幹部の場合は、いろいろ含めるとこれ以上の報酬を得ているはずです。一般的には月2~3万RMBあたりが限界線でしょう。しかも、日本本社では成果や実績に関わらない(ほぼ)固定給が未だに主流ですが、中国の現地法人では成果報酬制を採用している企業も多いはずです。
日本の本社からどんな待遇を受けているのか、現地法人の社員は知るはずもないだろう、考えるのは少し甘いと思います。 給料や待遇のことなど筒抜けになってしまうのが中国の現状です。 無理に隠そうとすれば、正確でない大袈裟な噂が立つことになるかもしれません。
もちろんその中国人幹部が、現地法人の中で活躍して、成果を挙げ、現地法人のスタッフに評価されているのであれば、大きな問題にはなりません。中国では成果主義が根付いていますから、報酬に相応しいほどの活躍をしているのであれば、"本社待遇”であろうがなかろうが、現地法人のスタッフは納得するはずです。
けれとも、そうで無いケースが意外に多いようなのです。

その原因こそ、皮肉なことに日本流のビジネスの仕方をわきまえていることや、日本本社の事情をよく理解していることの"反作用"だったりします。
つまり、日本に留学したり、日本の会社で働いている間に、 中国の事情に疎くなってしまう 場合が多く、中国の現地法人に赴任しても、現地でのビジネス経験の豊富な現地採用の中国人幹部ほど能力が発揮できず、なかなか成果を挙げられないケースがあるということです。。
中国の変化は日本と比べものにならないくらい速いのです。5年、10年、日本で生活しているうちに、いろんなことが変化してしまいます。許認可や手続きのシステムやマーケットの状況などであれば、日本からでも情報収集できますが、中国ビジネスで重要な"人間関係"の形成に空白期間ができてしまいます。効果的な"人間関係"は主として実践を通して形成されていきます。中国で働いていれば、政府関係者にせよ、取引先にせよ、どんどん人脈を広げ深めることが可能ですが、 日本に居る期間が長いほど、中国での人脈が細くなっていきます。 日本本社から派遣された幹部は、中国人でありながら中国の事情に疎く、有効な人脈をあまり持たない人材と言うことになりかねないのです。ですから、現地採用の幹部よりも成果が挙げられないということにもなりかねないのです。
中国風のビジネスの仕方に馴染めない というケースもあります。日の本社が、日本流のビジネスの仕方を貫き通しほしい、と願ってくれても、"郷に入れば、郷に従え"です。中国で中国人が日本流のビジネスの仕方を貫き通して、うまく行くケースは稀ですし、マイナス面のほうが多いと思います。

こうして、 "待遇の割には使えないヤツ" という評判が現地採用のスタッフの中から沸きあがってくるケースがあります。
こうなってしまうと、日本本社とのパイプの太さが、現地法人の内部での軋轢を生む原因になっていきます。日本から派遣された幹部なら日常的に本社とコミュニケーションできます。相談や報告が"的を得たもの"であれば良いのですが、 自己保身のために、現地スタッフのよからぬ話をレポート するような場合もでてきます。現地採用の幹部のほうはダイレクトに日本の本社とコミュニケーションする機会が少ないでしょうし、日本側も本社から派遣させている中国人幹部の報告を信用しがちです。

日本の本社としてはコントロールしにくい でしょう。

現地法人の中国人幹部。日本から派遣する、現地で調達する、どちらの場合でも、メリットとデメリット(リスク)があります。もちろん、こうしたリスクの心配が要らないくらいの有能な人材が居れば、本社派遣だろうが現地採用だろうが、どちらでも構わないのですが、なかなか見つけることは難しいと思います。





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Last updated  2006.04.25 21:29:59
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ウチの会社は  
cmoook  さん
後者になりますね。
まさしく、コントロールが難しくて不満がたまっています。
いい人いたら是非紹介してください。
バックマージンなしで(笑) (2006.04.25 23:20:57)

Re:ウチの会社は(04/25)  

Re[1]:ウチの会社は(04/25)  
cmoook  さん
ぺきんのぐっちさん
>cmoookさん、お久しぶりです&コメントありがとうございます。
>中国に東欧に幅広くご活躍のようで何よりです。

>>まさしく、コントロールが難しくて不満がたまっています。
>私としては、成果を確実に挙げられるような方であれば、少し大目に見てあげても良いのではないか、などと考えてもいます....
-----
いえいえ、世界の隙間を探しておりますんで。

>私としては、成果を確実に挙げられるような方であれば、少し大目に見てあげても良いのではないか、などと考えてもいます....
確かに、管理側から考えればそうですね。まだ駆け出しなので、ついある一面からの目線で見てしまいます。
これからもご教授お願いいたします。 (2006.04.27 21:47:54)

本社採用中国人の中国勤務はすすめません  
げん さん
中国人幹部のロイヤリティについては、その人物のキャリア観に基づくと思います。本社採用でも合弁を最終地点とする場合は、ロイヤリティは望めないと思います。
またバックマージンなど会社に対する不忠行為ですが、日本に住んでいたから不忠でなくなるというわけではないと思います。日本ではたまたまそういう環境がなかったから手を染めなかっただけに過ぎないと思います。日本に長くいたからといって、だから信頼できるとか、公正であるとはいえますまい。
貴が指摘した問題があり、かつコストパフォーマンスの問題があるため、私は本社採用の中国人の中国出向は薦めたくないですね。 (2006.05.15 12:26:09)

Re:本社採用中国人の中国勤務はすすめません(04/25)  
げんさん、コメントありがとうございます。
ご指摘の通り、日本に長くいたから、本社採用だから、信用できるとかロイヤルティが高いとか、必ずしも言えませんね。 (2006.05.26 14:40:07)

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