涼宮ハルヒの憂鬱
アニメを気に入ってついつい購読、
一気に読み終えてしまった・・・お陰で眠い
まず、アニメを先に見ていてよかった
・・・そう思えるほど、主人公のキョン君の声優はマッチしていた。
始まりからお馴染みの戯言めいたナレーション
ハルヒ最大の売りは、キョンのナレーションだと思う。
無論、タイトルにも示されている通り、
この物語の主役は涼宮ハルヒその人だ。
この物語はハルヒを中心に回っていると言っても過言では無いだろう。
にも関わらず、キョン君が主人公だと感じるのは
すべてがキョンの視点で語られているからだ。
いわゆる巻き込まれがた主人公
その巻き込まれっぷりは、此れまで見てきたどの作品よりも堂に入っている。
サンタクロースや、救世主、宇宙人に未来人、超能力者・・・
信じる信じないは人それぞれだが、大っぴらに公言して回ると
まず正気かどうかを尋ねられることだろう。
（尤も私は地球人以外の宇宙人の存在を信じていたりするが）
キョン君（正式名称不明）はそんな事は露ほどにも信じておらず、
仮に存在しても直接近づくような事は臨まない、一般高校生だった。
対して、涼宮ハルヒは違った。
世界中で多くの人間が実感している普通の出来事に興味を持たず、
誰しもが経験することが出来ないでいるような、
面白い何かっ！！・・・ソレをひたすら、がむしゃらに求め続けている。
彼女に言わせると、ソレが宇宙人であり、未来人であり、超能力者の存在で
あったりするわけだ。
美人で、成績もよく、運動神経も高いのであるが、
それでも普通の人類でしかない涼宮ハルヒ
その、たった一人の人間が、１００年に満たない人生を
ヒタスラ面白く、刺激的に送ろうと周囲を巻き込み
もがいていく様は、ホントに凄いです。
何処から出てくるのか、分からないくらいにエネルギーに満ちた
ブレーキの壊れた暴走機関車のようなハルヒが魅力的です。
面白い人生・・・そんなものがあればいいなぁ、とは思うが、
人間は所詮そこそこ平和な生を謳歌するのが真っ当だだろうと考える、
限りなく一般人な思考を持ったキョン君の突込みには
読者も感情移入しやすいのでは無いかと思う。
構成もしっかりしていて読みやすく、
今は２巻を買って読みかけていたりする。
ああ、おもしれ～～～～～～～～
さて、２巻です。
時間の許す限り読み続けてしまい、今は３巻に突入中・・・
まずは、いろいろと書きたい事はあるけれど、
とりあえず、アニメの第一話について・・・
アレは完全にこの２巻まで読んだ人間じゃないと理解できませんね。
（現に、私は１話目はわからず、第２話を見て購読し始めたくらいだ）
ついでに言えば、アニメの１話目の内容は、ある意味本編に出てきません。
２巻、涼宮ハルヒの溜息が映画の編集を行う話であるのに対し、
実際に上映される映画の内容は描写されていないからだ。
故に、このアニメの第一話は完全にファンサービスと思っていいんじゃないかと思う。
初心者は見送って２話目から見るように出来ていたのだと
（その意図が成功しているかはともかく）
終りについてくるオチなんてアニメ見たときには意味不明だったし
（しかし、２巻見終わった後は改めて見てみたい気にもなる）
脱線しました。
さて、２巻の…涼宮ハルヒの溜息の内容は、上記の通り映画編集編
ハルヒのいつもの我儘な思いつきとしか思えない、突飛な行動に巻き込まれ、
ＳＯＳ団（世界を大いに盛り上げる為の鈴宮ハルヒの団）のメンツが、
四苦八苦しながら、必死にフォローに立ち回るという物語だ。
相変わらずキョン君の口調、思考は楽しい。
一言で言えば皮肉屋、ただし常識的な思考の持ち主ではあるし、
戯言めいた突っ込みはするものの、基本的にはハルヒの御盛り役を
買って出ているあたり、人がいいとさえ言える、ツッコミの鏡のような奴だ。
しかも、例えがまた面白い、戯言シリーズの巫女子ちゃんよりも面白い。
皮肉が利いてて、的を得ているし、
とりわけ涼宮ハルヒの表情に関する例えは天才的とさえ思える・・・
好きだなぁ、この性格
（ハルヒ、キョンを除く）ＳＯＳ団の団員↓
宇宙人（正確には宇宙意思による対人用人型インターフェイス）の長門有紀、
未来人かつハルヒの着せ替え人形コスプレ少女の朝比奈ミクル、
超能力者であり、ハルヒ曰く謎の転校生の爽やか青年、古泉一樹、
今回は彼らの組織が決して一枚岩でないことが判明した
水面下でどんな戦いを繰り広げているのかはワカランが、
ハルヒの無自覚な得意能力に振り回される仲間として
キョン君と共に奮闘・・・ＳＯＳ団の常である。
ハルヒが自分の思い描く、楽しい人生を謳歌するために結成したＳＯＳ団。
目的は、『宇宙人や未来人や超能力者を探し出して一緒に遊ぶ』事（←ハルヒは部員の秘密を知らない）
そして、ＳＯＳ団のハルヒを除くメンバーの真の活動は
１．涼宮ハルヒを退屈させない（ロクな事を思いつかないから）
２．涼宮ハルヒの行動に協力する（ほっとくとロクな事にならんので）
３．涼宮ハルヒの行動をフォローする（上記の通り）
唯一のまともな一般人のクセに、
キョン君の重要度が格段に高いのに笑えます。
世界の命運を握っているのは、彼と言ってもいいかもしれない。
涼宮ハルヒの溜息では、
慣れない映画撮影を通して表面化してきた
涼宮ハルヒの問題と、
涼宮ハルヒを廻る勢力の問題、
イマイチ分かりにくかった問題を
キョン君が改めて実感した巻であり、
多くの課題が（キョン君に）課された巻とも言える。
苛められっ子の朝比奈さんを抜いて、
一番苦労してるのが彼じゃないかと思える・・・クジ運悪そうな奴だ。
他にも３勢力それぞれの
特異点、涼宮ハルヒに関する考察や、
涼宮ハルヒに対する方針などが出てきて
１巻の補強といった感が強かった。
物語としては１巻の方が面白かったが、
構成が分かってきたので３巻が楽しみである。
・・・いよいよもって、３巻目
３巻は短編集であり、２巻とあわせて
それぞれの立場や役所をハッキリと定着させるための
土台作りですね。
むろん、此れも面白かったですが、ストーリーが本格的に
動き出すのは４巻目からだろうと予測されるので、
次巻が楽しみです（当然の如く、購入済み）
短編１．涼宮ハルヒの退屈
ヒマを持て余したハルヒが突然、野球大会に出ると言い出し、
団員やゲストを集めて、ぶっつけ本番でエントリーしちゃう話…
この巻を通して思う事は、一つ
ハルヒってキョン君にベタ惚れですねぇ
此れが正しくツンデレって奴なのか！？
キョン君はハルヒにとってヒーローでなくてはならんようで、
ハルヒの満足は勝敗と関係なく、キョン君が
期待通りの活躍をしてくれるかに懸かっている模様
何と言うか、ごちそうさま～
短編２．笹の葉ラプソディー
涼宮ハルヒは一見無茶苦茶を言っているようで
（事実、無茶苦茶を言っているのではあるが）
その実、結構科学的根拠を重視するし、
非常識な行動を起こしつつも、常識的に物事を捉える。
今回の七夕についての考えもナルホドと思えるところがあった。
織姫と彦星…星で言えばベガとアルタイルは、
それぞれ２５光年、１６光年と長い距離を隔てて
地球に光を届けている。
ならば七夕の願いが神様に届くのはそれぞれ
１６年後、２５年後という考え方が出来る。
よって、１６年後と２５年後の願いをそれぞれ短冊に託す。
此れって要は、１６年後、２５年後の目標を掲げて
努力するって事になるのではなかろうか？
そう考えると七夕という行事も中々奥が深いように思える。
ついでに涼宮ハルヒの起源と、
彼女とキョン君の深い繋がりが分かる話でもある。
私的にはこの話が一番メインですね。
他にも２作、話があるが、
長く書くのもなんなので、ソレは省くこととします。
何せよ、ココに来て舞台が完全に整いつつあります。
ますます持って４巻が楽しみです。
原作から飛びますが、
アニメ番の涼宮ハルヒでは、
第４話の次回予告を見ていると、
イキナリ本巻の、涼宮ハルヒの退屈（要するに野球の話）
になっていた。
まだ、メインキャラが出揃ってないのにも関わらず、だ。
出来るだけ原作沿いに進んで欲しいのだが、どうだろうか？
まぁ、見るけど
さて、４巻目・・・
この４作目に当たる『涼宮ハルヒの消失』は
此れまでの作品の中で群を抜いて傑作です。
一度読み始めると途中で、キリの良い所で読み止めることが叶わず、
全部読み終えるまで読み続け、寝不足で頭痛が絶えないくらいに、
ぶっ飛んだ出来ですね。
此れまでの３冊の作品の中で、
ヒタスラハルヒに振り回されてきたキョン君にとって、
本作のストーリーは大きな転換となるでしょう。
言い訳や誤魔化しなんて言葉は、微塵も通用しない、
今まで気づかないフリをしてきた、
曖昧なまま流してきた事実を、
突きつけられるだけなら、まだしも、
選択させられるところまで、追い込まれ、
初めて自分の願望に気づいてしまう。
なんつーか、深いな、ホント
この作品のメインは、タイトルの通り、
涼宮ハルヒと言う存在が消失してしまうことに有ります。
常日頃から無茶苦茶を言い張り、実際に実行し、
団員どころか、世界全てをひっくるめて大騒動を起こす、
傍若無人の迷惑女、鈴宮ハルヒ・・・
彼女の事件に巻き込まれ、常にそのフォローをして回る
そんなキョン君ですが、
ソレがホントに苦痛で、不幸なことであったのかは、
余人の知りうるところでは有りません。
涼宮ハルヒのいない世界は
学校を騒がすような無茶苦茶な日々などなく、
唯唯、平凡で、何事も無い、生活・・・
全く無名のおかしな集団が正規の野球チームに試合を申し込み、
叩きのめすことも無ければ、
学校でバニーガールがヘンテコなチラシを配ったり、
突然、何の前触れも無く南の島に行き、
絶海の孤島に閉じ込められることも無く、
無口な宇宙人も、
泣き虫な未来人も、
スカした超能力者も
何より傍若無人な我儘女も
いない。
炭酸の抜けたサイダーよりも
味気ない生活
馬鹿馬鹿しくも楽しい、
無茶苦茶で傍迷惑でも、
他では絶対に経験できない、
そんな日々を願い、
取り戻そうと足掻く、
キョン君が見所です。
そして、事の原因である『彼女』…
『彼女』の臨んだ世界には、
『彼女』の望んだ願いには、
なんとも、切ない気持にさせられます。
宇宙人でない、長門有希
未来人じゃない、朝比奈みくる
超能力者でない、古泉一樹
日々の生活に埋没する、涼宮ハルヒ、
・・・想像できませんね。
涼宮ハルヒの書評は、
コノ巻まで読み終えて、
下すのが正しいのだと思えます。
何にせよ、大満足
５巻目ともなる本作は、３遍からなる短編集となっている。
１．エンドレスエイト
学生にとって、いや社会人にとっても
夏休みが嫌いと言う人種は希少だろう
いつまでも続いて欲しいような幻想を抱くこともあるかもしれない。
しかし、ホントに終わらない夏が来たら、ソレは・・・
ハルヒの無自覚な暴走により、夏休みの終り２週間を
エンドレスで繰り返すＳＯＳ団の団員たち。
１万５千回もの気の遠くなるような夏休みを、
記憶リセットのおまけつきで、延々と繰り返す。
夏祭り、蝉取り、合宿、怪談、プール・・・
思いつく限りの全てをやっていると言うのに、
何かを遣り残している気がするハルヒを満足させるため、
夏休み課題以上の難問がキョンに迫る。
ある意味怖く、切ない物語・・・しかし、ＳＯＳ団にはキョンが必要ですねぇ
２．射手座の日
ＳＯＳ団発足の瞬間から、酷い目にあっている、
お隣さんこと、コンピュータ研。
大人しく見えた彼らは、密かにハルヒとの再戦を練っていた。
・・・一度酷い目にあっていて再戦する勇気は買うが、
懲りないと言うか、何と言うか・・・もう、ほんと、やられキャラだよなぁ
コンピ研の持ち込んだ自作のＳＦ艦隊戦ゲーム
コンピ研連合軍 対 ＳＯＳ帝国軍
<ユキ艦隊><古泉くん艦隊><キョン艦隊><ハルヒ 閣下 艦隊><みくる艦隊>
ネーミングセンスも流石です。
汚い手を使ってくるコンピ研に、無表情宇宙人、長門の怒りが炸裂。
巻を重ねるごとにほんの少しずつ豊かになっていく長門有希に注目です！！
（といっても、キョンにしか分からない微妙な表情ですが）
３．雪山症候群
冬山の別荘にて合宿
特別ゲストとして
キョン妹、鶴屋さん、猫のシャミセンが参加
そして、いつかハルヒが冗談のように言っていた、
雪山の館に閉じ込められるＩｎブリザードが実現する。
遂に登場する正体不明の強敵の存在
長門の力が通じず、ハルヒのメチャな能力もなく、
古泉の超能力も出番無しに、相も変わらず役には立たないみくる。
全体を通じて思ったこととしては
キョンが尤も信頼し、信用しているのは長門であり、
心のオアシスとばかりに和みキャラクタと化しているみくる
には実際のところ欠片も期待していない（むしろ頼られているし）
常ならば邪険にしている古泉も相談相手として、必要としている。
何だかんだいってキョンのＳＯＳ団依存率もかなりのものである。
（本人は否定するだろうが、キョンが尤もハルヒに依存していると思うし）
前回の『涼宮ハルヒの消失』事件以来、
無意識のうちに長門有希に視線を飛ばすキョンに、
不機嫌な顔をしたハルヒが問い詰める。
ＳＯＳ団内の人間関係も結構固定してきた感がある。
それにしても、キョンの好みであり、
口ではいつも一番だと言っている心のオアシスみくるは、
実のところキョンの心情から尤も遠い人物では無いだろうかと思う。
ってか長門とハルヒの存在がキョンの中で大きすぎるのだが、
新しい敵勢力と思われる何か
その正体はまだまだワカランだろうが、
今後の展開が楽しみである。
・・・そういや今何巻まで出てるんだっけ？
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