
「増補 チベット密教」
ツルティム・ケサン /正木晃 2008/05 筑摩書房 文庫 261p
ふと気付いてみれば、何回も見ているはずのこの本の表紙は、ペンコルチューデ仏塔の「蓮華網観音」とある。インドの神様がチベット名になったり、中国名や日本名になったりするので、お一方の別な名前であると気付くのが遅れることがよくあるのだが、さて、この蓮華網観音、とはどちら様の名前であろう。ざっくりネットで検索してみたが、この名前では、意味のありそうな情報は手に入れることができなかった。
ところが、この本のp227には、別なマンダラであることは間違いないが、かなり似通った画像があり、そちらには、はっきりと「チャクラサンヴァラ」(ペンコルチューデ仏塔)と書いてある。

この画像を見る限り、表紙の「蓮華網観音」とどこがどう違うのか、よくわからない。だが、表紙の御方をチャクラサンヴァラと断定することは、早すぎるだろう。p233には、さらに「チャクラサンヴァラ」(コンカルドルジェデン)と銘打って、画像がアップされている。

コンカルドルジェデンとは、 「チベット密教の神秘」 正木晃・立川武蔵1997/3 の中で、美しいたくさんの画像とともに紹介されていた寺院のことだ。こちらのほうになれば、左うでに杖を持っているので、 シンプルなチャクラサンヴァラ との類似性に気づきやすい。 比較的最近の本に
「サンヴァラ系密教の諸相」
という本があるが、こちらの表紙を見る限り、交合仏(ヤブユム)ではない。さらには、今から読もうとしている田中公明の
「インド・チベット曼陀羅の研究」
もまたペンコルチューデ仏塔の神々たちについての研究だが、こちらにはチャクラサンヴァラのお姿はないようだ。
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