男のくせに

男のくせに

February 14, 2006
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カテゴリ: 日記
2月14日。

12月のクリスマスと並んで、この日恋人達は、形式的に食事を共にし、プレゼントの受け渡しを済ませ、ようやく本来の目的であるセックスへ辿り付くというプロセスを、すました顔をしながら着々とこなしていきます。

下らないですね。
嫌いじゃないけれど。

でも、本当に好きなら、2月の9日にプレゼントをあげてもいいし、12月27日にチョコをあげてもいいはずです。
好きな時に、あげたいと思った時に、あげたいものをあげればいい。
したい時に、したいと思ったときに、したいことをすればいい。
だから私は、好きな時に、突然何かをプレゼントします。
プレゼントをもらう人は「何で?何かあったっけ?」と聞きますが、プレゼントに理由や言い訳がいるという発想が、私にはありません。

わがままですが、嫌なら返してくれたらいいです。

それに、チョコ好きが大半を占める女子達が、様々なチョコと堂々と戯れるための言い訳のためにある日だという真実もあります。

女子というのは、本当は、好きな男に「好きでしょうがないからどうにかしてくれ」と言いたくて仕方ないと常に思っているのが、実体の無い「女子らしさ」という幻に包まれてそれを出来ないでいます。
だから、女子には「バレンタインデー」という後押しが必要なのです。
そこで初めて、欲むき出しの本来の姿を、「バレンタイン」というピンク色でハートマークだらけのオブラートに包んで、曝け出すことができるのです。





しかし私は、そんな素敵な日に、思い切り風邪をひきました。
たぶん、極寒の日に薄着で出かけた挙句、疲れ果てて座椅子で寝てしまったせいでしょう。
せっかく東京に遊びに来ていた高校の同級生と久々に会ったのに、叙々苑でお食事だったのに、あまり楽しめないほどの状態になってしまいました。

こんな状況では、バレンタインデーも何もありません。

不幸中の幸いか、今日は晴れるらしいので、とりあえず洗濯だけしてジッとしていようと思います。













そういえば、こうしたタイミングの悪さは、私の人生につきものです。


結果、給食を食べられない間抜けな子のように、食べ終わった皆に見つめられながら一人ハンバーグをほうばることもしばしばです。

大学受験の時も、国立の二次という山場で、人生でもベスト3に入る高熱を出しました。
何を食べても全く味を感じることが出来ず、下を向くと鼻からエビアンが垂れてくる状態。
「このカンニング野郎!」とビンタされないために、いちいち試験官に「机にティッシュを置いても良いですか」と許しを請わねばならない屈辱。
そんな私に複素数平面について考えたり、タイの古代王朝について論じる力は残っていませんでした。





他にも挙げればきりが無いほど、「今だけは‥」というときに限って、「それだけは‥」ということが起きてしまいます。

でも、これは誰もが感じていることなのかもしれません。

人間は良いことと同じように、悪いことも記憶します。
良くも悪くも、印象に残ったことは同じように記憶されてしまうのです。
だから、ある時振り返って悪い記憶を辿ってみると、自分だけが不幸な人間のような錯覚に捉われるのでしょう。

よく、不幸な出来事に遭った人が「何で私ばっかり‥」というようなことを言いやがりますが、それは間違っています。
それは自惚れですし、自惚れることが出来るだけ幸せな部類に入ると言えるでしょう。


だから、今日、誰からもチョコをもらえない人も悲観する必要はありません。
もし君が高校生なら、それはリア王に匹敵する悲劇に感じられるでしょうが、大丈夫です。
2月14日や12月25日には、日本中でリア王が雨ざらしになって叫んでいるからです。


だから、今日、大切な人に想いを伝える人が、その想いを無下にされた時も、落ち込むことはありません。
告白して振られた時の絶望感は、人間が一番耐えられない種類の痛みをもたらしますが、同じ痛みに苦しむ患者が山のようにいることを考えれば少しは和らぐはずです。

私は、「男なんて星の数ほどいるんだから」という、適当な慰めは言えませんが、「あなた程度の惨めな人間なら、3分で1ダースは用意できるよ」と言ってあげることは出来ます。

(「異性は星の数ほどいる」というのは真実ですが、論点のすり替えでしかありません。自分の生きている世界の、極々限られた数の異性ですら思い通りにならない人が、世界の星々に戦いを挑んでも討ち死にするのは必至です。「星の数ほど」とか「世界には」とか言って現実から逃げるのはやめて、今自分が生きている小さすぎる世界の征服に専念しましょう。お山の対象ほど幸せな人生は無いのです。)





結局何が言いたいのかというと、‥何が言いたかったのかな。
風邪だから、構成まで頭が回っていません。


バレンタインデーに素通りされる男子や、バレンタインデーに討ち死にする女子は、自分だけじゃなく他に幾らでもいるということを言いたかった。

「自分だけが不幸だ」なんてのは勘違いだということも言いたかった。

それに気付けば少しは痛みが和らぐから、それだけ痛みに強くなるということも言いたかった。

だから人は、痛みによって強くなると言いたかった。






‥でも、結局は、風邪をひいた僕って可哀相でしょってことを言いたかった。

バレンタインデーより、星の数ほどいる異性より、自分のことが気がかりで仕方ない、自分大好きな自分を確認したかった。


それだけです。


つまんないの読ませてごめん。

許してください。



風邪だし。




おしまい











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Last updated  February 14, 2006 05:10:23 AM
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