男のくせに

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July 18, 2007

もてる。

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もてたい。

これは、飢えである。

飢えた獣は、理性を失う。

理性を失った時、人は衝動的になる。

それは、ミスを誘う。

結局、いつまでももてないのである。

テロリズムが成立しない理由と同じで、

もてたい人は、目的が最も成就しにくい手段をとってしまう。

「好きな人には恋人がいるんだもの。」という言い訳をする人は、

誰にも振り向かれないところに、素敵な人などいないのだ。

美味しい果物が食べたくて、ゴミ箱をあさってもはじまらない。

あなたは商品だ。

売れたいと思ってやまない、けなげな消耗品。

でも、“耐久”消費財である。

要するに、２つあると邪魔なのだ。

中には携帯用や別室用に特化するものもあるが、

基本的には２つもいらない代物だ。

メンテナンスだって楽じゃないし、

使ってみないと分からないし、

なにより時間と場所を限りなく消費する。

挑まなければ、売り込まなければ何も起きない。

２台目の洗濯機であるあなたは、

どうやって先代の洗濯機を追い出すのか？

先代が洗濯機で、あなたが洗濯乾燥機ならば話は早い。

しかし、そんな都合のいいことはあまりない。

レベルＥ難度のセールスが必要になる。

どう売るか。

簡単である。

２台もいらない理由は、「負担」にある。

「負担」がないなら、「面倒」がないなら、

１台でも２台でも変わらない。

１台目より手間がかからないなら、

愛着もわくかもしれない。

「好きです。付き合ってください。」

では、死ぬまで干物である。

中２でせいぜい、30代なら狂気である。

「ビン・ラディンです。かくまってください。」

といわれるくらいの負担である。

考えてみて欲しい。

「他人に好かれている」という状況は、

人間にとってまんざらでもない状況である。

その事実自体が嫌ということはない。

それに付随して、所有欲の塊、責任の塊をなげられることが

ひたすらに嫌なのである。

しつこい女も、ストーカーする男も、

嫌われるのはそんな風に容赦なく相手に負荷をかけるからだ。

「好かれている」こと自体は好ましい状態である。

という事実は、私達１億総セールスマンにとって、

見逃してはいけない重要なヒントだ。

これは使える。

できる営業マン、つまり４台目の冷蔵庫を買わせることができる人たちは

こうした点を見逃さなかったり、

自然と嗅ぎつけたりする能力に長けている。

好ましい状態を与えられると、人は気にする。

「あの人は、自分が好きだ」と頭にインプットされると、

あの人を意識の外に置くことができなくなる。

“あの人”を好きか嫌いかは置いておいて、

確実に意識される存在になる。

恋人とは、好きあうということは、

相手の中にも自分を存在させることである。

相手の文脈の中に自分が生きること。

その状態。

つまり、意識の中に置かれているという状況は、

好きの模倣状態となるのだ。

「別に好きじゃないけど、気になる。」

という顧客の状態は、

セールスマンにとっては幸いだ。

ここまできて

「でも結局好きじゃないんだよね‥」

みたいなことをいって、

慰める価値も無い自分を慰めるのはやめましょう。

そんな最低の自慰は、もっと絶望的なブスにでもゆずるといい。

怖いことを言うようで恐縮だけど、

「人を好きになったことがあるか？」と問われれば

僕は「はい。」と答える。

でも、「それは本当か？」と問われると

僕は「よく分からない。」と答えます。

だから、

「もう私のこと嫌いになったの？」

といわれると困ってしまう。

嫌いになんてなるはずがない。

僕は羽賀研二と付き合った覚えもない。

好きでもないやつに合わせて生きることができるわけがない。

「冷たくなった」といわれても困る。

僕はセールスマン。

相手に合わせるタイプの売り方で、

売上げを積んでいくタイプのセールスマンだ。

いまさらそのスタイルを変えられるくらいなら、

とっくに事務職に転職している。

相手に合わせて合わせて合わせたから、

あなたと付き合うことができた。

これは冷たくなったわけじゃなくて、

「合わせること」に専念する必要が

なくなっただけです。

首の鎖から解放されたのに、

そんなことを言って新しい鎖をつけようとするから、

犬は嫌そうな顔をして吠えるのです。

ということで、ＭＶＳ目指して頑張りましょう。

おしまい。

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