男のくせに

男のくせに

December 16, 2008
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カテゴリ: カテゴリ未分類
正月は実家に帰る。

いくつになっても、当たり前のような顔をして
元気だけど年老いた祖父母に、お年玉をせびる。

実家に帰る道すがら、生まれた町を見て、
大して何も成し遂げていない人生を
いっちょまえに振り返ってみたりもする。

「人は帰る家があるから旅をする」
という文句もあるけれど、

必ずしも土地そのものに由来するとは思わない。

けれど、思い出が生きている町を歩くと
「帰る」という行為の本来の意味の上を
歩いているような心地がするのは、確かだ。


このブログは僕にとって、ひとつのホームタウンであって、
こうやって事故のような形で帰ってくることがある。

いまさら、愚かしい過去を読み返すほど暇ではないけど、
この町はそれなりにたくさんのものを思い出させる。

たかがブログ、されどブログ。
動じないように見える小心者が、
ポーカーフェースで隠し切れなくなった内情を

いつしか人生に大きな一歩を刻むものに変わっていた。

これが無かったら、後にコピーを書いたり、
デザインをしたり、コンサルティングをしたりすることも
きっと無かったはずだ。

何も続けられない自分が、何も生み出せない自分が、


目的に向かって努力する、
という高尚な行為は相変わらず出来たためしがないし、
この先も出来る気はしないのだけれど、
目的を決めて、ちょっとずつそちらに身体を向けてみる。
取れるか取れないか分からない距離にあるリモコンをとる時のように、
少しずつ、少しずつ、でも焦らずに、腕を伸ばしてみたり、
身体を揺らしてみたりする。
すると、いつか、なぜかあんなに遠くにあったものに指先が触れたりする。

狙った獲物は逃がさない、なんてことは言えない。
でも、ある時、どうしても欲しいと思った衝動を忘れないこと。
時折思い出して、ジリッジリッと足元の砂を踏みながら、
身体の向きを変えていくこと。

あの時の衝動は、光の速度で落ちた隕石のように、
落ちたのを忘れた頃に、衝撃波を伴ってわが身を襲ってくるはずだ。

あの日、あの時、これだ!と思ったものが手に入る喜び。
それが人生の快感であって、日々のさざ波の退屈さを
かろうじて押しとどめる抑止力となるものなのだ。


そんなことを、このブログを書いていた僕は、
このブログを通じたり、通じなかったりしながら学んでいた。

だから僕は、未だに後悔することをしないでいる。
待つべきはまだ見ぬ衝撃波の訪れであって、砂混じりに消えていった波ではない。

もちろん、後悔しないと言いつつ、見て見ぬふりをしている可能性はある。
波が流しきってくれるまで、それを見ないようにしているだけのこと、
それほどに失ったものの大きさを悔いていることだって、あるはずだ。


ここに戻ってくると、そんなことをいつも思う。

だから、久々に、足跡をつけてみた。


誰も読まないこの日記に、何の価値も、意味もないけれど、
楽天が潰れてなくなるまでは、残っていてくれると嬉しいような気がする。


さよなら






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Last updated  December 17, 2008 12:30:40 AM
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