黄金色の草原


 もう夕方か......。
“ああ、寝過ごした?”
ものすごく眠くて寝床に倒れこむように沈んだのは覚えている。
 多分、昨晩だろう。
 変な色の月が出ていたから忘れるはずがない。
 なんとも珍しい緑色がかかった月。
 コケでも生えたかカビでも生えたんじゃないかってくらいの色。
 てっきり地震でも来るんじゃないかって、窓を開けておいたのだ。
 いざとなれば、そっから飛び降りる。
 今、その窓からオレンジ色の光が差し込んでいる。
 つまりは、寝過ごして夕方目が覚めたって訳だ。
 目をこすりながら右手を枕もとに伸ばして、ゴソゴソと探った。
 いつも枕もとに時計が置いてあるから、それを見ようと思った。
 しかし、手には何も触れずただシーツを上を撫で回しただけだった。
“またどっかに飛んだのかよ・・・・・・”
とりあえず、布団の中を覗き込み、床の上、机があるであろう方を見てみた。
 その時点でやっとこさ部屋の中が何やらおかしいのに気が付いた。
 まず寝床が床敷きの布団からベッドに変わっていた。
 ピータイルだったはずの床が木目のきれいな木の床に......。
 しかも比較的新しい木目が目に映った。
 机はなくなり、代わりに革張りの分厚い本が3~4冊並ぶ本棚が立っていた。
 部屋全体も何故かやや縮んでしまったみたいだった。
「あぁ、ひでぇな。まだ寝ぼけてんのかよ・・・・・・」
ベッドから降りようとすると、まるでそれを履けと言わんばかりに靴が並べてあった。
 スリッパでもスニーカーでも無いそれは、中世ヨーロッパで履かれてそうな、革靴だった。
“ここはテキサスかい? 冗談!”
きれいに並べて置いてある以上、履くものなんだろう。
 ベッドに腰掛けてそれを履いてみることにした。
 革のような素材のクセになかなか風通しが良かった。
 もっとムアァ~ンとしてても可笑しくないのが革だろう。
 感覚としてはほとんど、サンダル状態。
 足首あたりに出ている紐を締めることで、しっくりくるらしい。
 というよりも絞めないことには、恐らくすっぽ抜ける。
「やれやれ・・・・・・風変わりなこった」


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