第一話 【おじいちゃんの笑顔】


(g _ g)グスッ 

第一話 【おじいちゃんの笑顔】


私は「お遍路さん」で有名な四国の出身です。(最近は台風と民主党元代表のおかげで
少々テレビにも出ましたね)

もう十数年前のことですが… ある晩夢を見ました。

祖父に手を引かれ山道を歩いている5歳くらいの私。そのうち二人の目前に分かれ道が
現れました。右は木々の木漏れ日で明るく、左は真っ暗で先が全く見えない状態。
そこで祖父は握っていた私の手を離し、2人の白装束のお遍路さんについて右側の道へ
進み始めたのです、にこにこと私に手を降りながら。
「一緒に行きたい」そう思っても、目の前に壁があるように私は一歩も前に進めない。
そして祖父の背中は明るい小道の奥に消え、泣きながら目を覚ました私が親から伝え
られたのは、ガンで入院していた祖父の安らかな死でした。

この話には続きがあり… 

祖父のお葬式で一番仲良しの従姉えっちゃんにだけ、この夢の話をしたところ、
「実は私んとこにもじいちゃん来たのよ…」って。
夢の中で6歳くらいのえっちゃんが泣いていると、おじいちゃんの声がしたそうです。
『そんなにお前に泣かれると、おじいちゃん行けないよ』

超おじいちゃんッ子だった私達2人。夢の中の私達は、祖父が体を壊す前の一緒に
過ごす時間が一番多かった頃の姿でした。

去り際のあの祖父の笑顔が今でも忘れられません。


※文中の「私」(語り手)は、bittersweetだったりババだったりT子だったりします。
 私や周囲の不思議体験をごっちゃに紹介しているので。ご了承ください。





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