第十話【あなたの背後にいる人は】


(+_+;;;; マ,マ,マ,マジッスカ?!

霊感ナースシリーズ: 第十話【あなたの背後にいる人は】




またまたT子の話。

昨年はT子にとって散々な年だった。完治したと思っていた病気が再発したり、無理を
おして一人暮らしをスタートしたら空き巣に入られかけたり、通いなれた道で車の自損
事故を起こしたり。体や頭が重くて気分が晴れない状態。働き過ぎによる疲れで注意
散漫のせいだ…と思っていたが、ある日入院してきた患者から一言目に指摘された。

「あなた最近悪いことが続いてない?祓ったほうがいいよ」

霊感が強くて日頃から信心深かった彼女なので、勧められるまま患者さんの知り合いの
"先生"を訪ねた。少し胡散臭い話のようだが、その先生は知る人ぞ知る霊能力者で、
平常は仕事をしながら、週末に無償で本当に困り果ててツテを頼って来る人々の相談に
のっている方らしい。で、霊視の結果。

「あなたの背後にいる人は、あなたのひいおばあさんの姉か妹。子孫が自分のことを
思いながら墓参りしてくれないのが悲しいって」
「特にあなたの体調不良は彼女が引き起こしている。自分の苦しみを感じてほしいと」

身近な親族の霊が生きている人間に害を及ぼすこと驚いたT子だが、すぐに先生と墓参りを
した。
新鮮なサカキを活け、お線香をあげ、無心で先生とお経を唱えるうち、ぱっと頭の
てっぺんに光を感じた気がした。その瞬間、「ありがとう」という声が耳元に聞こえ、
悲しくないのに堰が切れたように涙があふれ出た。見れば線香の煙がどこまでもまっすぐに
立ち上っている。(生きている者の祈りの心が死者に通じたサインと言われる。)

彼女の現在の体調はすこぶる良く、以前よりさらに過重労働気味なのに文句を言いながらも
パワフルに働いている。背後にいた親族の霊が新たな守護霊となったかどうか、私は
聞いてないが、親族の霊が不満や不平のある時に現れるのは大抵T子かじいちゃんの前で
あることは事実だ。そんな霊の気休めになれば、とT子は母親とともに写経にもいそしんでいる。

※文中の「私」(語り手)は、bittersweetだったりババだったりT子だったりします。
 私や周囲の不思議体験をごっちゃに紹介しているので。ご了承ください。





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