第十六話【ヤギ娘】


(*_*;)ブッキー!

第十六話【ヤギ娘】




母が小学生の時の話です。

当時近所は農家ばかりで、大抵どこの家でも鶏や牛などを飼っていたものでした。
向かいの家でもヤギを一頭飼っていました。

ある日そのヤギが突然狂ったように鳴き出し全く治まる様子がありませんでした。
その家の主人はあまりのやかましさに腹を立て、怒りにまかせてそのヤギを
棒で殴り殺しました。そしてその夜、彼と当時妊娠中だった若妻を含む一家は
そのヤギの肉を食べたのです。

しばらくして生まれた女の子は、不自然に離れた目がただれたように腫れ上がり、
鼻はのっぺりとして、薄い唇は横一文字に大きく、そして手の指が硬く縮こまって
まるで動物の前足のようでした。

近所では皆、「ヤギの呪いだ」と噂しあったそうです。

その娘は家から外に一切出されないまま育てられていましたが、母が妹達と登校中
一度だけその姿を見かけたそうです。女の子らしい花柄の着物にちゃんちゃこを
来て暗い部屋でじっと座っていたその顔がまさにヤギそっくりで、怖さと衝撃は
大人になった今でも忘れられず、それ以来ヤギも苦手になったのだと言います。



★おまけにもういっこ。

親友ナースT子からメールがありました。(なんか面白い=怖い話なーい?とメールした)
「最近の怖い話といえば、やはり、自分が死んだことがわからず、うろうろしている
 患者さんを見たことぐらいかな。その亡くなった患者さんの部屋に新しく入る人は
 同じような死に方をするか、あまり体調は改善しないかのどちらか。そのぐらいかな。」






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