ぶたりしあす

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上京放浪紀~情況篇~


田舎で整えられる精一杯のお洒落をして、ダサい田舎者、上京。
意地で買った、一つ大きめのサイズの服が、
小さな身体に纏わり着く。服に着られて、何かを隠す様に。
東京駅。右も左も分からず、地下鉄を使い新宿へ。
雪国より暖かいにも関わらず、どこかから吹いてくる、
寂しい風が、肌も心も凍らせる。
上京後、すぐに生活費の為に働き始める。兄貴に、親戚に、
友達に嘘をつく愚かな自分。
6畳もないアパートの一軒家に二人。手で作れる食事など何もない。
毎日外で食し、インスタントと呼ばれる食品を沸騰させて、
腹を膨らませた。不健康が高じてか、時より貧血を起こす。
自分を傷つけて、人を傷つけて貯めたお金。
目標の為、貯め続けた、カバン銀行。その日の手取りで借りた、
沢山の思い出の詰まった曲、映画達。
寒い日も通い続けた見慣れた道。


・・・工事中。

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