南に浮かぶ小さなお伽の島 －モルジブ－ 1
私の好きな木は椰子の木、
山より海が好き、
青い青い珊瑚礁の海が好き。
南の海にぽっかりと浮かぶ小さな島、背の高い椰子の木がそよぐ島。
行きたいな、行きたいな、
そんな島に行くのは子供の頃からの夢だった。
モルジブの名前を知ったのは大学生になってすぐだった。
ダイビングの雑誌を見て、海の美しさに魅了された。
”インド洋の真珠の首飾り”と形容される環礁のその国は、珊
瑚礁を土台にできた、2,000近くの小さな島からなる共和国。
そのうち、人が住んでいる島はわずか1割の島だそうだ。
おまけに一つ一つの島は大変小さく、歩いても15分から20分程度。
その中でもリゾートの島は更に限られていて、スタッフとツーリスト
以外は誰も入れない、現世から隔離された全くの別天地、桃源郷とある。
見つけた！これぞ私のイメージする南の島だ！ここに好きな人
と一緒に行くのだと、十代の私は甘い想像を抱いた。
それから更に十数年、本当にその島に行くことができた。
この世で一番、誰よりも愛する人と共に。
つづく
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