出張大魔王

出張大魔王

お代官と越後屋日記 11



その日は素晴らしくきれいな青空の日だった。
朝、藩士達が出勤してくると白川の席に
見知らぬ男が座っていた。
『あれが越後屋か』
心中、複雑な思いだったが皆、笑顔で朝の挨拶をした。
越後屋もやさしい声で返していた。
『やさしそうな声で挨拶してるけど、俺は知っているぞ』
大北だけはうつむいたまま形ばかりの挨拶を交わした。

四国藩の代官、尾田川と中田、通称越後屋という
二人の役者がようやく揃った。


© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: