本盤『ザ・ニアネス・オブ・ユー(The Nearness of You)』は、2003年にミラノで吹き込まれたトリオ盤であるが、ある意味、実に分かりやすい盤であると思う。このように言うと、“真髄を分かっていない”などと批判されてしまいがちなのは承知の上で、敢えて言えば、“これぞジャズ・ピアノ”然とした盤なのである。録音時のマヌサルディは既に70歳近く、お世辞にも若くはない、というかむしろ老齢である。言い換えれば、その経験の積み重ねをピアノで紡ぎだす、そしてその演奏は、“これぞジャズ・ピアノ”とでも言える内容に仕上がっていると思う次第なのである。
1. Speak Low 2. The Nearness Of You 3. Time After Time
5. I Never Knew 6. Ev'ry Time We Say Goodbye 7. The Way You Look Tonight 8. Everything Happens To Me 9. My Heart Stood Still 10. The Wasted Years 11. If I Should Lose You
[パーソネル、録音]
Guido Manusardi (p), Marco Vaggi (b), Tony Arco (ds) 2003年10月録音。