音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2022年01月23日
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テーマ: ラテン音楽(411)
円熟と安定の推奨盤


 パブロ・ミラネス(Pablo Milanés)は、“キューバの新しいトローバ(ヌエバ・トローバ・クバーナ)”を牽引したシンガーソングライターである。その人気は、キューバだけにとどまらず、世界各地のスペイン語圏において絶大な人気を誇っている。そんな彼の作品数はあまりに多く、筆者もすべてに達するには到底及ばない数のアルバムしか聴けていないのだけれど、その中でもお気に入りの推奨盤の一枚と言えるのが、1994年リリースの『オリヘネス(Orígenes)』というアルバムである。

 表題の『オリヘネス』(もしくは『オリーヘネス』)というのは、起源・原点・由来などといった意味で、英語で言うと“オリジン(origin)”の複数形である。この名の通り、本盤は1970年代から続けてきた彼の音楽的特徴そのままに1990年代当時の新作として聴かせるものである。歌詞カードによれば、各収録曲は、1993年後半から1994年初頭に録音されたものとのことである。ちなみに、ほのぼのとした油彩の絵が本盤のジャケットにあしらわれているが、この絵を描いたのは、愛娘にして現在ではシンガーとして活躍中のアイデー・ミラネス(Haydée Milanés)。クレジットには、Haidee Milanésという綴りで表記されており、この絵を描いた時は中学生ぐらいの年頃だったということになる。

 注目したい曲をいくつか挙げておこう。パブロの持ち味である美しいメロディと歌声が特に際立っているナンバーとしては、1.「マルヒナル(マージナル)」、2.「ソレダー(孤独)」が特にいい。さらに10.「カンシオン・デ・クナ・パラ・ウナ・ニニャ・グランデ(大きくなった女の子のための子守歌)」も親しみやすい美メロが印象的だが、表題からして、上述の娘アイデーのことを歌にしたものと思われる。

 メロディや歌声の美しさと同時に、パブロの楽曲には、何とも言えぬ寂しさや孤独感、あるいは喪失感やはかなさのようなものを感じさせるものも多い。そういう傾向の強いナンバーとして注目したいのは、4.「カルタ・ア・ウン・アミーゴ・レハーノ(遠く離れた友への手紙)」。サビに向かうにつれて美メロ寄りの曲調に変わっていくものの、8.「エル・ぺカード・オリヒナル(原罪)」の冒頭なんかもこの観点からすると非常に気に入っていたりする。

 作品の数が膨大なのでどの盤から聴けばよいという話をしにくいアーティストかもしれないが、個人的には、ずっと前に取り上げた 『コミエンソ・イ・フィナル・デ・ウナ・ベルデ・マニャーナ』 や本盤『オリヘネス』なんかは“最初の一枚”に好適だと思うのだけれど、いかがだろうか。


[収録曲]

1. Marginal

3. Intercambio
4. Carta a un amigo lejano
5. La ternura que me vino a salvar
6. Sueños
7. Sandra
8. El pecado original
9. Queridos muertos
10. Canción de cuna para una niña grande

1994年リリース。




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【中古CD】PABLO MILANES / Origenes


【輸入盤CD】Pablo Milanes / Hoy Y Siempre Pablo Milanes Los Anos




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Last updated  2022年01月23日 22時16分28秒
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