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February 22, 2006
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 ミノムシがケムシに言った。

「寒くないのか」

 ケムシは言った。

「寒い」

 それを聞いてミノムシは言った。

「だったらミノを作れよ」

 ケムシは答えた。

「そんなに器用じゃない」

 ミノムシは返した。



「じゃあ、作ってみる」

 ケムシは自分の口から糸を吐いて、ミノ作りを始めた。しかし、甘かった。

 先祖代々ミノなんて作ったことのない体には、細かい仕事は疲れた。

 なので、すぐにやめてしまった。

「あきらめるな」

 それを見ていたミノムシは言った。

「うるせえ」

 ふてくされて毛虫は言った。

「だったら、おれのをやるよ」

 友人思いのミノムシは言った。

「ありがたい」



 しかし、自慢の長い毛が引っかかって、中に入れない。

「あかん」

 ケムシは言った。

「お前関西のケムシか」

 ミノムシは言った。



 ケムシは口を尖らせた。

 そこで、

「毛を切れ」

 ミノムシは言った。

「おれは毛が命のケムシだぞ」

 ケムシは怒鳴った。

「かまうものか、切れ」

 ミノムシは言った。

 そこでケムシは、しぶしぶハサミムシのところへいって、からだじゅう、丸刈りにしてもらってきた。

「これでいいか」

 ケムシは言った。

「ああ、いいぞ」

 ミノムシは言った。

 そうして、ミノムシがケムシにミノを着せてやろうと、ミノを脱ぎだしたとき、

 かあ かあ かあ かあ

 カラスが飛んできて、裸のケムシをさらっていった。

「よくやったぞミノムシ」

 カラスは満足して言った。

「ほら、嫁さんは返してやる」

 そう言って、ひとじちのミノムシの嫁さんを投げて返した。

「なんてことしやがった!」

 ケムシは泣く泣く叫んだ。

「この、裏切り者!」

「悪く思うな!」

 ミノムシはうなだれて呟いた。

 カラスは、ケムシをくわえて、どこか遠くへ飛んでいってしまった。






 それからというものミノムシは、

 ミノの中にじっとこもっている時間が多くなり、

 ケムシやカラスや、そのほかどんな生き物がやってきても、

 すぐ隠れてしまうのでした。










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Last updated  February 23, 2006 12:43:23 AM
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