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BLUE ODYSSEY
少女ロボットの運命
少女ロボットの運命 [act.1]
ある少女ロボットがいた。
外見は8~14歳程度の幼い少女のような感じで、ピンクの髪の毛にピンクの瞳。いつもピンク色のソックスをはき、白いフリルのたっぷり付いたピンク色の服を着ていた。
それはまるで、アニメに登場するキャラクターみたいなスタイルだった。
髪の毛は豊か過ぎるほどの量があり、それもデフォルメされた感じの大きめの髪ゴムで留められていた。目はアニメ調の大きい目。声もアニメ口調。
パッと見は確かに美少女でかわいいのだが……。
このロボットを買ったオーナーは1年ほど前に約600万を出して購入していた。
これは家庭用ロボットで、掃除・洗濯など家事一般が何でも出来た。
また日常会話も得意だった。
「ご主人様~~~~!おはようごさいますぅ~~~~~!」
「ご主人様~~~~~!朝ごはんの目玉焼きをお作りいたしましたぁ~~~」
などと、毎日濃いアニメ口調で喋りまくった。いつもキャピキャピで、喋り始めると止まらない。
このオーナーは購入した当初、このロボットを大変かわいがっていたのだが……、1年ぐらいで飽きてしまった。
そして次の新作ロボット『しっとりタイプ』が発表されると、そのカタログを眺めるのに夢中になった。
『しっとりタイプ』はその名の通り、しっとりと落ち着きのあるデザインのロボット。見ているだけでも、癒し効果のある綺麗な顔立ち。
日本人好みのやわらかい仕草。
……等など、日本の家庭にぴったり来るようなデザインがなされていた。
数日後、ついにこのオーナーはその『しっとりタイプ』のロボットの購入を決めた。
すると、今のロボットにはまったく興味が無くなった。
2台以上ロボットを所有している人もいるが、このオーナーはピンク色の少女ロボットに未練は無かった。
オーナーがその事をこのピンク色の少女ロボットに告げると、このロボットは大きな声で泣き始めた。
この頃のロボットには擬似の”感情”みたいな物があり、オーナーの言う事を”何でもかんでも聞く”という事はなかった。
そうでないと、やはり使う人間に取っても「飽き」が来るのが早い事が分かっていたのだ。
”言う事ばかり聞いてる”と、どうしても自動車と同じく「物」という扱いになってしまうから。
しかしいくら「言う事を聞かない」と言っても、ロボット本体の”電源を落としてしまえば”その限りではなかったが。
そんなワケでロボット達はまるで人間とそっくりの感情表現をするものだから、つい多くのオーナーは、相手を人間と錯覚して対応してしまう事が多かった。それはロボットと長くいるオーナーほどそうなりやすかった。
やがて、ピンク色の少女ロボットはヒステリックに泣き始めた。
オーナーが「黙れ!」と言ったのだが、聞かない。
それでオーナーは怒り出して「お前をスクラップにしてやる!!」と言った。
「それって、私が消えて無くなるっていう事ですか?!」
そしてなおもロボットはヒステリックに泣き声を上げた。
オーナーは、購入時はあれほど気に入っていたアニメ口調も、今はうっとおしいだけと感じていた。
「え~~~~~~~~ん!え~~~~~~~~ん!」
この大きな声はいいかげん近所迷惑だった。
それでこのオーナーは別の部屋から既に使われなくなったゴルフクラブを持ち出して来た。
それに気が付くロボット。
「まさか、それで私を……」
オーナーの目からはもはや情などという感情は消えていた。
その時「ピンポーン!」とこの家のチャイムが鳴った。
鳴らしたのは”私”だ。
このオーナーとはたまにビジネスの話で会う。
今日は約束があって来たのだ。
しかし、いつもは落ち着いているこのオーナー、もう時刻は夜だと言うのに、なにやら興奮冷めやらぬ様子で、ゴルフクラブを握り締めたまま玄関に出て来た。
そこで驚いた”私”は、このオーナーに事情を聞く事にした。
オーナーは”私”をリビングに通した。するとそこで例の少女ロボットが泣いていた。どうもそれは尋常では無い泣き方だった。
そこでオーナーは怒りながら「スクラップ」の話をしてきた。このロボットをそうするのだと。
「それはいくらなんでも可哀想」と”私”。
「こいつの目を見ろ。人間に恨みを抱くような目だ。」
確かにこの少女ロボット、1年ほど前にここにお邪魔した時と目付きがまるで違う。あの頃は純真でかわいい目だった。
それが、今日見ると……、人を怨むような目付きに変わっていた。
オーナーはなおもギュッとゴルフクラブを握りしめていた。
「でも、ロボットとはいえ、そんな事をしてはいけないな」と私。
「口ではなんとでも言えるさ。だがな、実際いっしょに住んでみろ。あの口調や性格にはいいかげん我慢できなくなる!!!それにあの仕草や態度もそうだ!」
オーナーがゴルフクラブを振り上げそうになったので、”私”は見かねて、
「では、どうだろうか?このロボットを”私”に譲ってはくれないか?」
と提案した。するとオーナーは少し冷めた目で、
「いくらで?」と聞いて来た。
「今、金があまり無いんだが……、100万ぐらいでは?」
「冗談じゃない!450万は欲しい!1年落ちのロボットだ。まだまだ使える!」
「じゃあ、無理だ。今の話は無かった事にしよう。そんなにお金がないから。」
私がそう言うと、オーナーはまたゴルフクラブを握りしめた。
そしてそれを振り上げた。
”私”は不思議に思って訪ねた。
「えっ?壊すの?450万になる物を。今、そう言っただろ?」
「450万分壊そうとどうしようと俺の勝手だろ?」
「しかし!!」
その時、オーナーは何やら少し考えた。そして……、
「そうだ!”条件付き”でなら100万で譲ろう!
確か、君は独身で、しかも家には家庭用ロボットはいなかったな。
よし!
では、その”条件”とは……、
このロボット以外のロボットを購入してはならない。
さらに、このロボットが壊れるまで、譲渡・転売・機能停止・処分などを一切行わず、使い続けなくてはならない。
また基本の”性格プログラム”も改変・修正してはならない。オプションは構わんがね。
ようするにこのアニメ調の声と性格は変えてはならないという事だ。設定の変更も禁止だ。
毎日このロボットに”黙れ、黙れ”と言って黙らせてしまうのも駄目だよ。」
「……すると、普通に使っても10年は軽くもつ設計のロボットだから……、最低でもそれぐらいの期間は使い続けなくてはならないという事か……。」
「それに、もし、嫌になれば……、私にこのロボットを返却する事。
ただし、その時はいただいた100万は返さないがね。
そして、その時こそ私はこのロボットをスクラップにする。このゴルフクラブでだ!
どうだ?
我慢比べだよ。
正論や同情を口先で述べても、本当にこのロボットに対して我慢できるのかどうか。
その我慢比べだよ」
少女ロボットの運命 [act.2]
結局”私”はこの少女ロボットを彼から購入する事にした。
なにか釈然としない”いわくと条件が付いた”とは言え、元をただせば一流メーカーの高級な家庭用ロボット。それが100万で買えるなどとは幸運だ。
これから家事がグンと楽になる。ほとんど何もしなくてよくなるだろう。
だが、彼が「もう我慢ならなくなった」と吐いたあのセリフが、妙に”私”の頭の中に残っていたが……。
”私”がその場で、オンライン銀行から彼の口座に入金し、譲渡書類にサインして、そのロボットのナンバーをネットで登録した。
そして、この元オーナーが作成した”約束事”についての書類にも捺印した。
するとこの少女ロボットは急ににこやかな笑顔になった。
「よろしくお願いします。新しいご主人様!!!」
”私”は妙に馴れ馴れしいこの少女ロボットを連れて、元オーナーの家を後にした。
その家からだいぶ離れると……、少女ロボットは前オーナーの悪口を言い始めた。
「あの人はワタシにひどい事ばかり言うんですよ~~~。
もう~~~~!
それは毎日でした!
ワタシに対して全然やさしくないんですぅ!!!」
と、このロボットはやはり口うるさい。
そしていっしょに電車に乗って私の家まで帰るのだが……、
「貴方のような人にもらわれて幸せですぅ~~~~!!」
などと、モロにアニメ口調で喋り始めた。
電車の中では大きな注目を集めてしまい、恥ずかしかった。
自分の家に連れて帰ると、このロボットは掃除、洗濯、料理、買い物といろいろ活躍した。
便利だ。やはり一流メーカーのロボット!
だが、
「ごっ主人様~~~~~!!おっ掃除終わりました~~~~~!!」
等と、とにかくいつも軽いノリで喋られた。
実質的なお手伝い機能には問題は無かったが……、素行には問題有りだった。
だが、前オーナーとの約束で、このロボットの性格や口調の変更は出来ない。
このタイプのロボット、正式名称は『チャーミングピンクタイプ』と言うのであるが、けっこう一般家庭では不評のようで、発売から1年過ぎて、中古として転売されるケースが後をたたなかった。
あるロボットは別の高額な”性格プログラム”に書き換えられて、おとなしいタイプになった。
またあるロボットは中古価格が他に比べて安いので、業者が大量購入し、工事現場の作業用ロボットとして使われたりした。
さらに1年後、このロボットの中古販売価格は120万程度となった。他のロボットに比べてかなり激しい落ち込みようだった。
普通なら”2年落ち”で300万~400万前後の値段を付けてもおかしくない筈である。
”私”はというと、この可哀想な生い立ちのロボットを使い続けていた。確かに”やかましい感じ”は否めないが、まあ、前オーナーとの約束があったから別のロボットに代える気も沸いてこなかった。
「ご主人様に感謝してます!感謝してます!」
このロボットは”私”によくそう言った。
しかし、さらに半年経った頃、”私”は自宅で行っている仕事の関係上、どうしても別の最新式の新型ロボットを購入する必要が出てきた。
いまいる少女ロボットではその作業は不得意だし、このロボットを無理矢理改造し改変プログラムを入れても、結果的には高額になり出費がかさむだけだった。
本来なら、新型を購入して、平行してこのロボットを使い続けてもいいのであるが……、前オーナーとの約束でそれは出来なかった。
”私”は迷った。どうすべきか?
元のオーナーにロボット返すと……、彼がまたゴルフクラブを握り締めそうである。
少女ロボットは言う。
「ご主人様、お願いです。ワタシをあの”暴君”の元へは返さないでください!お願いします!」
少女ロボットの運命 [act.3]
しばらくは、何とか仕事面では我慢していたものの……、どうしても別の新型ロボットが必要になって来た。それが無くては仕事の効率が上がらず、結局大きな損失が出てしまいそうだった。
そんな事があったから、この少女ロボットは時々イライラするような仕草を見せるようになった。
台所で料理する時に、包丁を”コンコン”とまな板目掛けて大きく振り下ろす姿を”私”はたびたび目撃した。
ロボットがキッチンにいない時に、そのまな板の表面を見てみると………、傷で真ん中付近が深くえぐられていた。
そして”私”はついに前オーナーと話し合いをする決意をした。
ちょうど仕事の関係で明日会うことになっていた。その時に話すつもりだった。少女ロボットの今後について……。
明日、前オーナーの家に行く事は、私のスケジュールの全て管理している少女ロボットは知っていた。
その日、なぜか少女ロボットは機嫌が悪そうに見えた。もちろんロボットだから、本物の感情など無いと思うが、なぜかそう見えた。
少女ロボットはいつも美味しい料理を作ってくれるのだが、今日作った料理は初めて不味かった。
その夜……、
疲れていた”私”はベッドに身を横たえた。明日の話し合いの事を思えば、疲れが増してくる。
どうもすんなり話が片付くとは思えない。今どきゴルフクラブでロボットをスクラップにしようなどとは、常人なら思わないからだ。
当の少女ロボットは同じ部屋の隅で、いつもロボット専用のベッドで寝ていた。
薄暗がりの中…、
”私”は眠れずに起きていると……、
少女ロボットが”私”のすぐ脇に立っているのが分かった。
今日、ロボットにそんな命令を出した覚えは無い。
もしあるとすれば、この付近にゴキブリが出たという事である。それを退治しに来たのか?
しかし、この家のゴキブリは全てこのロボットが退治したはず。
すると……、
ロボットは何かキラリと光る物を持っていて、それを上段に構えた。
「あああああ……」
それは”包丁”だった。
「やめろ!」
ロボットの表情は暗がりの為見えない。
”私”は身を起こそうとしたのだが、金縛りのようなものに遭って起き上がれなかった。
「はっ?まさか、食事に何か入れられたのでは?」
”私”の身体からは全身汗が噴出した。
その時、ルームランプのわずかな光が当り、ロボットの顔の表情が見えた。
いつもは明るいその顔が、冷ややかな表情に変貌していた。
「前の”暴君”もそうだったけど…、貴方もそうなのね。
これだから”人間”はまるで信用出来ない。
飽きたらロボットを捨てるのね。私にも感情があると言うのに。
私はどうなってもいいと言うのね。スクラップにされても。」
「違う!違うんだ!」
「言い訳はするなーーーー!!!」
そしてロボットは激しい怒りの表情に変わった。
包丁を高く掲げ、”私”の胸元を狙った。
”私”は叫んだ!
「お前を今まで大切にして来たじゃないか?!」
「裏切れば同じ事だーーーー!!」
そう言って包丁が振り下ろされ、”私”の胸元に突き刺さった。
「はっ」
”私”は起き上がった。
夢だった……。
脇の下と首筋が汗でビショビショに濡れていた。
「(あのロボットは……)」
気になって、側に置いていた懐中電灯を手にした。それは非常に大きな物で、柄は丈夫な金属で出来ていた。柄の長さは30センチ以上。中に入っている乾電池を含めると相当な重量だ。
小さなポケットランプも別に置いてあったが、”私”はなぜかそちらの大きな方を手にした。
ロボットは、今、専用ベッドで寝ている筈。
ここからそのシルエットを見ると……、向こうを向いて背中を丸めて眠っているようだった。
その表情はこちらからではわからない。
”私”は懐中電灯を両手で握り締めて、一歩一歩ロボットに近づいて行った。
そして、その向こう側を向いているロボットの顔にライトを当てて見た。
すると……、
そのロボットは人間の少女のような寝顔で泣いていた。
涙で枕を濡らしていた。
そして人間のように寝言を言っていた。
「ご主人様、ワタシをあの暴君の元に返さないでください~~~。
スクラップにされてしまいます~~~。」
それはまるで本物の少女のようであった。
”私”はカルチャーショックのような物を受けて、その場に座り込んでしまった。
翌日、”私”は前オーナーに追加で350万を支払った。
以前に支払った100万と合わせると総額450万。この少女ロボットを”無条件”で購入した事にしてもらった。
すでにこのロボットの一般流通の中古価格は120万程度。買取価格は40~80万程度にしかならない。
それでも支払った。
それに”私”は、別に仕事用の新型ロボットを650万で買わなくてはならない。両方合わせると大変痛い出費だった。
……しかし、いたしかたあるまい。
”私”にとって、
”彼女”はすでにかけがえの無い存在になっており、その価値は金銭に置き換える事が出来なくなっていたからだ。
THE END
思いついたので書いてみました。
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