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BLUE ODYSSEY
『あるモテない男の話』 第2話 11~20
『あるモテない男の話』 第2話 「二階堂には”彼女”がいる!」 act.11
三街道「ああ、シンディー。この店よく来るの?」
シンディー「たまーーーーーーに。お金のある時だけ。
で、それより、二階堂君の話は?!」
三街道「あーーーーーーーーーーーーーーーー!それ!それね。
ヤツの話ね。思い出した」
そう言って三街道はじらした。すぐに話すつもりはない。
こんな美人が自分の話を身を乗り出して聞きたがるなんて、めったにないから。
「二階堂の話をする」と言ってからは、シンディーの自分への接し方に大きな変化があった。それを三街道は感じ取っていた。はっきり言ってしまえば、これまでのシンディーは三街道にまったく関心が無かったようだ。今のシンディーは目を輝かせて、三街道との会話に大いに関心を寄せていた。
そこで三街道は落ち着いて言葉を返した。少し話をはぐらかせながら……。
「それで……、ほら、さっき校内で君と出会って、あの後……、二階堂を探したの?
たしか君、”二階堂を探す”とか言ってただろ?」
シンディー 「おーーーーーーーーーーーーー!!!
探しましたよ!!!
でも、見つからなかった!彼に電話してもまったく出ないし!
ねえ、二階堂君について何を知ってるの?”重要”な話っていったい何?」
三街道「その話かい?確かに重要で価値のある話さ!
そうだね………、
それを教えるには……、
僕と………、
1回デートしてくれる?」
シンディー「はあ?
あのね、私は二階堂君とデートしたいの!
それと、さっきも言ったけど…………、彼を私の両親に会わせたいのよ!!
分かる?アーユーオーケー?」
シンディーは少し怒っているようであったが………、日本人のように眉間にシワを寄せたりはしない。言ってみれば、感じの良い怒り方である。これぐらいの美人ともなると、怒り顔もまた魅力がある。
でも、「彼を私の両親に会わせたいのよ!!」と言うシンディーの言葉には、また軽いショックを覚えた。
しかし……、”今やもうそれが成される事は無い”と知っていた三街道はある意味余裕だった。
三街道「あのさ、シンディー!それは無理だと思うよ」
シンディー「…………なぜ?」
三街道、また条件提示。
三街道「それを教えるには……、
まあ、”デート1回分”だな」
シンディー、大きくため息をする。
それから「話が分かってない」というような大げさな手振りをした。
そこへ注文していた料理が運ばれて来た。
落ち着きを取り戻すシンディー。
手馴れた手つきで、優雅に料理をテーブルに置くボーイ。
男性のウエイターでも、この店のは良い感じである。
そして、シンディーはさっそくパスタを食べ始めた。
シンディーを見ていると、まるで映画女優が映った映画の1シーンのようである。
しかし……、映画のイメージとは違い、シンディーは少しも飾らない。ワリにさばさばと食事をする。三街道が相手という事もあろうが……、色気を出してみたり、飾ってみたり……、という事はまるでなかった。
いたって自然で健康的なシンディー。
三街道はそれとは対照的。ここではこの店の雰囲気に押されているが……、それでも内心何とかミエをはろうと必死だった。仕草1つにもいろいろ気を配っていた。
三街道「(気をゆるめるな!)」
しかし、運ばれて来たパスタを見た時、その気構えも崩れそうになった。
そのパスタは……、彼の想像をはるかに超えて、オシャレで、まるで芸術作品のオブジェのように見えた。
三街道「(こっ、これは食いもんか?)」
内心そうビビッていたが、シンディーの手前、普段と変わらぬような感じで食べ始めた。
三街道「(うまい。実に美味い!……と、言うか、美味すぎて味がよく分からない!)」
シンディー「それで二階堂君の話は?」
シンディーはまた目を輝かせて聞いた。透き通ったブルーアイが三街道を見つめた。
三街道「いいじゃないか、その話は。もう焦る必要もないと思うよ」
シンディー 「……………? どうゆう意味?」
『あるモテない男の話』 第2話 「二階堂には”彼女”がいる!」 act.12
三街道「わかった。じゃ、言うよ。二階堂のヤツは今ごろデートさ。”彼女”と。」
シンディー 「”彼女”?彼女がいるのね?二階堂君には!それはいったい誰?」
三街道「……それが誰かは……………………、あと”デート”1回で教えるよ」
シンディーはそれを無視して、こう言った。
シンディー 「”静香”?」
シンディーは静香の事を知っているようである。
シンディーも手ごわい。女性はけっこう恋敵の情報をしいれている。
やはり女性とは”恋に生きる生物”である。
三街道「いいや」
シンディー 「じゃあーーーーーー、”千草”ね?」
三街道は大きく首を振る。
三街道「”デート1回”だよ!」
シンディー 「私は、二階堂君の事が好きなの!貴方とはデートできないわ!」
シンディーは”二階堂”が好きだと初めて言った。それも力強く言い切った。シンディーの目には真剣さが現れていた。
再びショックを受ける三街道。でも、今の二階堂には彼女がいるのだ!
この事実は三街道にとっては大きな強みだった!
三街道「でもさ…………、二階堂には以前から付き合っていた”彼女”がいるんだぜ!!どうにもならないよ…………」
シンディー、肩を大きく落として落ち込む。急に気持ちが沈み込む。
そして大きな声で「No------------!!」と叫んだ。
三街道「じゃあ、相手の女の子の名前を言うよ。君のために。
ヤツは前々から”加藤れみ”っていう娘と付き合っていたんだ!」
急に静かになるシンディー。
今の三街道の言葉を素直に信じたようだ。
シンディーは少しの間身動き1つしなかった。それからサッと三街道の座っている席から顔をそむけた。頬が髪の毛で隠れて見えなくなったが、おそらく泣いているのだろう……………。
シンディー 「……………………。」
シンディーは小さくため息をついた。そして、こうつぶやいた。
シンディー 「じゃあ、なんで私と2人きりで喫茶室に入ったの……?分からないわ……」
ここで再び三街道の特技、変わり身の術が登場する!
三街道は適度な間を取った。そしてシンディーの感情の起伏が落ち着いてから、こう切り出した。
三街道「まあ、日本人男性にはよくあることだよ。
君も今回良い勉強になっただろ?
まあ、軽い気持ちだったと思うよ、二階堂にとっては。女性と喫茶室入るぐらいは、ヤツにとっては何の意味の無い事だったんだよ。
ほら、今の君と僕だってそうだろ?
でも………俺は違うけどね……。俺の気持ちは…………」
シンディー 「貴方と食事したのは全然関係ない事だけど!!
私にとって二階堂君と一緒にお茶を飲むって事は重要な事なのよ!!!」
シンディーは声を荒げた。それを聞いた他のお客さんが何名か振り返った。
シンディー 「いつから………?いつから二階堂君はその”女”と付き合っているの……?」
三街道「……さあ、さあね。
もういいじゃないか?!シンディー!!
はやく忘れろよ!あんなヤツの事!」
シンディー 「忘れられないわよ!何で忘れられるの?!
私にとって二階堂君は……………」
シンディーは再び泣き始めた。
シンディー 「うう………………。」
三街道「彼は”彼女”がいる身なのに君とお茶を飲んだ。2人きりで。
加藤れみもここの1回生だ。彼女に見られるって事を考えなかったのかなあーーーーーーー?
二階堂のヤツ。
もしも、れみさんがその現場を見たら…………、それを考えなかったのかあ?不思議だよな?
二階堂もけっこうヒドいヤツだなあ!」
シンディー、ハッとして顔を上げる。
三街道「ほっておけよ、あんなヤツ!君もいいように気持ちを持てあそばれたんだ?!!」
それから………、しばらくシンディーは泣いていた。
三街道はそれに付き合って30分ほどそこにいた。
『あるモテない男の話』 第2話 「二階堂には”彼女”がいる!」 act.13
それからシンディーに声をかけた。いくぶん演技を混じえながら…………。
三街道「気をしっかり持てよ。
そうだ!こんな俺でよかったら、いつでも相談に乗るぜ!俺は二股かけるような事はしないから」
シンディー 「フッ、”フタマタ”?!!」
三街道「そう!”同時に2人の女の子と付き合う事”を二股と言う!」
シンディー「そっ、そんな…………、二階堂君が?!」
三街道「でも、事実だろ?!君と加藤れみさんと……………」
シンディー 「うっ……………。」
シンディー、うなだれる。髪がサラサラと横からこぼれる。
シンディー 「……………………」
三街道「電話してこいよ!さびしくなったら。
俺ならいつでも空いてるからさ。じゃ、そろそろここを出ようか?!」
シンディー 「……………………」
そして三街道はテーブルの上に置かれた伝票を取った。
シンディー 「あっ、三街道君!ここはいい!私が払うから!!」
三街道「いいって。ここは俺が払う。でも次のデートの時は忘れるなよ!おごってもらうから」
シンディー 「あっ」
シンディーは少し微笑んだ。
こうして三街道とシンディーは店を出た。
三街道はシンディーを駅まで送って行った。
彼女は二階堂の事で少しショックを受けていたが、決して足元がふらつくような事はなかった。さすが気丈なシンディー。
三街道「(今日はここで別れても心配無いだろう。帰る方向は自分と反対方向だし…。
それに……、シンディーには今度デートしてもらえる雰囲気が感じ取れた……。)」
やがて電車が滑るようにホームに入って来た。それに乗り込むシンディー。
彼女は電車の扉が閉まる直前、顔を上げて三街道ににっこり微笑みかけた。
三街道「じゃ」
三街道はかっこつけて、彼女をプラットフォームから見送った。
■■■ 千草 ■■■
三街道は今の所、勝手に「シンディーとは上手くいきそうな」予感を持っていた。そして、その場でしばらくシンディーとの余韻にひたっていた。
三街道「(うまく行った。そりゃ、二階堂にはちょっと気の毒だけど…………。”二股”なんて言い方……。
でもまあ、バレたらバレたで……………、後で謝ればいいか……?)」
もう時刻は午後3時頃だった。
時間が経つのは早い。
三街道はこれからどうしようかと考えた。
一応、千草があれからどうしているか気になった。
千草の事はずっと高校時代から憧れていた。大学に入ってからは、少々他の女の子に”目移り”もしたが……、それでも三街道にとっては特別の人だった。本当に高校時代はずっと千草の事を見続けていた。
三街道「(千草に電話してみようか……?)」
でも、電話をかけるべきかどうか迷った。
そこで…、とりあえず改札口から外に出た。まだ帰る気にはならなかったのだ。
駅の入り口付近に立って、何気なく商店街を眺めた。
すると……、駅前のオシャレなハンバーガーショップの2階で、なにやら女の子たちの集団がテーブルを囲んでいるのが見えた。
それは1人の女の子を大勢の女の子がなぐさめているような奇妙な光景だった。
明らかに沈んだ女の子がテーブルの右側に座り、その他の女の子は左側にかたまって座っていた。そしてその沈んだ女の子に対して、必死に大きな手振りをしたり、喋りかけたりしていた。
だが、その沈んだ女の子は決して顔を上げなかった。
それにしても、遠目に見ているだけだが……、どれもかわいい女の子のように見えた。
その姿につられて……、三街道はハンバーガーショップに向かって歩いて行った。すると………、今までウインドウに貼られた店のロゴで部分的にしか見えなかったが……、
よく見ると……、
その女の子の集団は…………、
”千草とその女ともだち”であった。
三街道「(あれーーーーーーーーーーーー?!!
こんな所にいた!)」
千草は泣いていた。二階堂が付き合っている事をもう知ったのであろうか?
かなり落ち込んでいる様子だ。
それで千草に会って、その事を直接聞いてみたくなった。
三街道「(でも、その前に………、ひとつ”実験”してみるか…………?)」
三街道はまた”あの作戦”を実行した。
千草の携帯にかけるのである。
さいわい、ここからは相手の姿が見えるが……、向こうからは見えない。まだ三街道が近くにいる事を知らないのだ。
それで千草の自分に対する気持ちが判明する。
三街道はそばにあった大型の自動販売機に身を隠しながら、千草の携帯に慎重に電話をかけた。
プルルルルルルルルル……。
すると……、千草は突然慌てたように動き、サッと手さげのバッグの中から携帯を取り出した。
三街道「(おお!あんなにすばやく!!!!)」
しかし、その着信記録から、誰から電話がかかったのか分かるとガックリしてうなだれた。
そして動作もスローになり、携帯をテーブルの上に置いた。
千草が携帯を握った力はあまりにも弱かった。携帯はバイブの震動でテーブルを激しく揺らしながら、勝手に移動し始めた。
コトコトコトコトコトコト……!
それで、テーブルの端から下に落下しそうになったので、彼女の女ともだちがそれを受け止めた。
そして携帯の着信記録を見た。
その後………、大げさに首を横に振った。
隣の女の子にもそれを見せた。
隣の女の子もその着信記録を見て首を振った。
そしてさらに隣の女の子に携帯を渡し………、その子もまた、大きく首を振った。
それが、その場にいる女の子全員で繰り返された。
その後……、最後の女の子が携帯をまたテーブルの上に置いた。
携帯はまだ鳴っていた。
なのに誰も携帯に出ない。
千草も見向きもしなかった。
三街道「
なんだよーーーーーーーーーーーー?!
いったいーーーーーーーーーーーーー!!!
俺がかけていると誰も電話に出ないのかよーーーーーーー?!!!
」
最悪の”実験結果”だった。
『あるモテない男の話』 第2話 「二階堂には”彼女”がいる!」 act.14
三街道は逆上した!
そして設定をヒツウチに切り替えて、もう一度千草に電話をかけた。
プルルルルルルルルル……。
すると……、千草はテーブルの上の携帯をすばやく取り、その着信記録を見た。
しかし……………、
スローな動作で、再び携帯をテーブルの上に置いた。
そしてまた下を向いた。
女ともだちはその携帯を手に取り、着信記録を見た
そして口々に喋りだした。
その口の動きを見ると……、
女ともだち「そうよね。これじゃ、タイミングよすぎるわよね!
これはやっぱり三街道君がかけて来てるのよね。
二階堂君ならヒツウチを使わないし……)」
と言っているように見えた。
三街道「(
くくくくーーーー!
くそーーーーーーーー!!!!!!!
なんだよーーーーー?!!
俺がかけている可能性があると、電話に出ないのかよーーーーーーー?!!!!!!
)」
そこで、今度は公衆電話からかける事にした。幸い、駅の周りには公衆電話がたくさん設置してあった。
三街道はそこに、残り度数のほとんどないカードを放り込み、千草に電話をかけた。
ピッピッピッピッ!
プルルルルルルルルル……。
プルルルルルルルルル……。
プルルルルルルルルル……。
プルルルルルルルルル……。
プルルルルルルルルル……。
カチャ!
「留守番電話サービスにお繋ぎします」
三街道「
なにぃーーーーーーーー!!!
なんだよ!おい!
ちくしょーーーーーーーーー!!
」
三街道は人目もはばからず、思わず声に出して叫んだ!
三街道「さっきは留守番電話サービスに繋がらなかったよ!
アイツ見かけによらずヒドい事するなあーーーー!!!!
俺の気持ちも知らないで!!!!!」
三街道は大いに怒って、そのままハンバーガーショップに歩いて行った。一応下の1階のカウンターでシェイクを1本買ってから、2階席に上がった。
そしてゆっくりと千草たちの集団に近づいて行った。
まず、女ともだちが三街道の姿に気が付いた。
そして挨拶した。皆、ニッコリと営業スマイルのような顔だ。無理をして微笑んでいるのがよく分かった。
女ともだち「あれーーーーーーーーーーーー?!!三街道君じゃない?!」
今さっき、電話をかけてきた相手の三街道が現れたので、何人かの女ともだちは、横の女ともだちを肘でこっそりこづいた。
それは、
「(ほら~~~~、おかしいわよね?)」とでも言っているような感じだった。
女ともだち「さっき電話して来なかった?」
三街道「ああ、したよ!しましたよ!3回も!!!」
三街道はここぞとばかり、「自分は怒っているんだぞ!」という気持ちをアピールしてみた。しかし、
女ともだち「ああ、そうだったけ~~~~?」
と笑って軽く流す女ともだち。
三街道は自分が軽く見られているような気がした。
「(”男”として見られてないんじゃないか?)」とも思った。
その時、千草もゆっくり顔を上げた。
千草の目は真っ赤だった。泣きはらしていた事は間違いない!
でも、千草は三街道の顔を見ても、何も感情の起伏も示さなかった。
千草 「……………………」
三街道はそれを見て不機嫌になった。
三街道「おい!千草!」
三街道がいきなり呼び捨てで千草を呼んだので、女ともだち達は驚いた。
千草 「ああ…………、三街道君。何?」
三街道「ひどいじゃないか!電話に出ないなんて!」
千草 「え?電話……………………」
千草は”ぼーーーーー”と考えた。本当に力が抜けたような感じになっている。
千草 「あーーーーー、ごめんなさい。”気がつかなかった”の……」
その答えに三街道は大いに落胆したが、表情には出さなかった。
『あるモテない男の話』 第2話 「二階堂には”彼女”がいる!」 act.15
三街道「いやーーーーーーーーーー!いいんだ。別に!
俺、気にしてないから。」
そう言ったものの、その言葉に千草からの返答は何も無かった。
三街道「ところで、今日学校で出会った時、君、二階堂を探していたようだけど……、結局会えたの?」
千草 「…………………いっ、…いいえ。」
三街道「そうかあーーーーーー。やっぱりなーーーーーー。
たくっ!二階堂のヤツぅ!」
三街道はワザと怒ったフリをした。
千草 「それで………………、二階堂君に何度も電話をかけているんだけど……、繋がらないの」
三街道「ああ、それね。
あーーーーーーーーー、まったく、二階堂も見かけによらずひどい事するな~~~~~~。
アイツの事をこんなに想ってる千草に、電話をかけ直す事さえしないんだからなぁーーーーー。」
千草 「……………………。」
三街道はチラチラと千草の反応を見ながら話をすすめた。
三街道「電話がかからないのはね、
たぶん、彼が携帯の電源を落としているからなんだよ。」
千草 「え?」
千草は驚いた様子だった。意外だったのだろう。
「これまで、彼に電話が繋がらなかった事は1度も無い」とでも言うような表情だった。
三街道「まあ、電源を落としていた方が都合がいいからね!今の彼にとっては」
女ともだち「”都合がいい”って…、それ、どういう意味?!」
女ともだち「それに………、”今の彼にとっては”って?」
三街道「ん~~~~~~~。そっかぁ~~~~~~。
君たち、なあ~~~~にも知らないんだね~~~~~~、まだ。
ん~~~~~~。
まず、ここに座っていいかな?」
女ともだち「どうぞ!どうぞ!!」
女ともだちは早速隣の席から椅子を奪って来て、三街道にすすめた。
三街道「あっ、ありがと~~~~」
女ともだちは「三街道が何か重要な情報を知っている」と察知したようである。
こうして三街道は女の子の集団のテーブルに座る事が出来た。
女ともだち「それで……?その”都合がいい”って、どういう意味?」
三街道「ん~~~~~~~~~。
ほら、ヤツにもいろいろプライベートな”都合”ってもんがあってさあーーー。
そういつもいつも携帯の電源を入れとけないワケさーーーーーーー。」
三街道の口調は、普通なら女の子に絶対嫌がられるような感じだった。
にもかかわらず、女ともだちは三街道に絶え間ない笑顔を向けていた。三街道から情報を聞き出そうと必死だったからだ。
女ともだち「そういえば……、三街道君は二階堂君とは同じ高校だったわね?」
女ともだち「二階堂君の事をよく知ってるの?」
三街道「ヤツとはクラスメートだった。それに”ダチ”だったよ。
まっ、他のヤツラよりはよく知っているかな~~~~~~?
例えば………、彼の”女の子の好み”とか!」
女ともだち「キャーーーーーーーーーーー!!!
それ、ホントぉーーーーーーーーーー?!!キャーーーーーーーーーーー!!!」
千草の女ともだちはさらに三街道に関心を寄せた。女の子たちがここまで身を乗り出して話を聞いてくるのは悪い気がしない。しかもかわいい女の子ばかりである。
千草は下を向いていたが、今三街道はここにいる千草以外の全ての女の子たちの視線を一身に集めていた!
そこで三街道は”たっぷり”じらしながら話を続けた。
三街道にとっては実にいい気分である。
千草は泣いていたが、彼女の恋がもう実らない事を知っていたから。
三街道「まあね。俺もいろいろとヤツから聞いてはいるんだがねぇーーーーーーーーーーー。」
女ともだち「何を聞いているの?」
三街道「あっ!
悪いんだけど。
俺、急にのどが乾いたから。
ひとまず何か飲ませて」
三街道は下で買ってきたシェイクをすでに飲み干していた。
女ともだち「あっ、それ、私が買ってくるわ!何がいい!コーラ?コーヒー?」
三街道「あっ、ホットコーヒー!ブラックで!」
三街道はその女の子に200円ほど渡そうとした。
女ともだち「あっ、ここはいい!私が払うから!」
タッタッタッ……!
その女の子は急いで1階のカウンターに下りて行った。
女ともだち「でっ!でさあ!
二階堂はどうして、千草からの電話に出ないわけ?!
何かあるの?
”千草”よ!この”千草”が直接かけているのよ!他の女の子とは違うのよ!
この、かわいくて、魅力いっぱいの千草がかけても……、それでも、二階堂は出ないの?!
なぜ?」
三街道「うーーーーーーん」
また、じらす三街道。
女ともだち「三街道君!はい、コーヒー!」
三街道「ありがと!」
ズズズズズズズズズズズズーーーーー!(音を立てて飲む)
女ともだち「でさあ!
もしか、
もしかよ!
もしかすると……、
二階堂君に……、
”彼女”がいるの?」
女ともだちは、いっせいに三街道の次の言葉に注目した。
三街道「……………………。」
女ともだち「それで…………、電話に出ないわけ?」
三街道はチラッと千草の方を見た。
千草はまだ顔を下に向けたままだった。
三街道は千草の方を向き、気遣うようにゆっくりと喋り始めた。
三街道「二階堂は止めた方がいいよ。この恋は実らない。」
千草は顔を上げた。
その瞳があふれんばかりの涙で濡れていた。
千草「なぜ?」
三街道は、彼女の目をわざとジッと見つめて、これから喋る事は重要だと彼女に思い込ませた。
そして………、
三街道「わかった。じゃ、言うよ。
これ以上、君の沈んだ姿を見たくはないんだけどさ……。
でも、君にこの真実を知っておいてもらいたいんだ!
二階堂のヤツは今ごろデートさ。”彼女”と。」
千草は驚いて三街道の方を見た。
『あるモテない男の話』 第2話 「二階堂には”彼女”がいる!」 act.16
千草 「”誰”と?二階堂君は誰とデートしているの?」
三街道「まーーーーー、それは、知ってるんだけどね。
聞いておいた方がいいの?本当に?」
女ともだち「聞かなくても分かるわ!”静香”でしょ!」
女ともだちは静香を知っていたようである。
女ともだち「まあ、”普通”よりはぜんぜんかわいいよね、”静香”って。それは認めるわ。」
女ともだち「でも、性格も割り合いいいみたいよ。さっぱりしてて。変に飾ったりしないから。」
女ともだち「まあね。でも千草には勝てないわよねぇーーーー。」
女ともだち「まあーーーーねーーーーーー。」
女ともだち「ねーーーーーえ、三街道君!”静香”なの?そうでしょ?!」
三街道「いいや違う」
女ともだちは一呼吸おいて、お互いに顔を見合わせた。
そして、その内の一人が「じゃあ、やはりこれが本命かな?」という表情をしながら言った。
女ともだち「じゃーーーーーーーーーーーーーーーーあ、
”シンディー”ね?!」
女ともだち「”シンディー”相手じゃ、苦しいわねぇ。
確かに彼女、美人でスタイルいいけど」
女ともだち「頭も良いみたいだよ」
女ともだち「でも喋り方に少し天然入ってない?」
女ともだち「それは”日本語でしゃべってる”からそう聞こえるんでしょ?とにかく頭は良いのよ。日本語できるぐらいだから。漢字も少し書けるらしいわよ。」
女ともだち「じゃあ、頭良いジャン!千草といい勝負になるかもね!」
女ともだち「でも、ルックスじゃーーー、ちょっと勝負にならないわねーーー。」
女ともだち「たしかに!”あれ”は違うわよねーーーーー!根本からして。
ちょっと勝負にならないわよねーーーー、どうあがいても。
何着ても似合いそうだしーーーーーー。」
女ともだち「ああいう人はTシャツとジーパンだけでもさまになるのよねーーー。」
女ともだち「おまけにあのブロンド!すごいわよねーーー!」
女ともだち「ねえ、千草!今度、茶髪にでも染めてみるーー?」
女ともだち「それって、よけいマイナスにならない?変に浮かない?」
女ともだち「向こうは地毛だからね」
女ともだち「まあ、ルックスなんて、なんとでもなるよ!テレビでやってるカリスマ美容師のところへ行けばいいのよ!」
女ともだち「でも”シンディー”、性格もいいのよね。わりと喋りやすいし。いつも自然体だし」
女ともだち「ぜんぜん気どらないのよねーーーーー。ミエ張らないし。
会話もフツーの会話できるよ」
女ともだち「そうそう!フツーだよね。しかもフレンドリーじゃん!いい感じに」
女ともだち「でもシンディーの最強の武器って、………やっぱ”顔”だよね?
あの顔!
日本人ばなれ、してるわりに、結構日本人的な顔してるよね!」
女ともだち「そうそう!日本人にウケそうな顔してる!日本人好みというか………」
女ともだち「綺麗な顔よね。あれは」
女ともだち「仮に整形しても、ああはならないわよね。」
女ともだち「なるわけ、ないジャン!”もと”が違うんだから!」
女ともだち「あははははは!」
女ともだち「はあ~~~~~~~~~~。(ため息)
勝負にならないわ~~~~~~~」
女ともだち「ねねっ、聞いた?
”シンディー”、夏休みの大半はお国の実家で過ごすんだって!
親思いなんだよ。意外と。」
女ともだち「げっ!それマジ?!」
女ともだち「駄目だねーーーーーーーー。私、家族思いじゃないわよ!
私なんかだと全ての点で”シンディー”に負けてるわ。」
女ともだち「今回は、あなたとなんか比べてませんてばぁーーーw
”千草”よ。”千草”となら勝負になるかもよ!
このおしとやかさを持つ純和風の千草なら!」
女ともだち「はぁ~~~~~。でも、私、生まれ変われるなら、シンディーみないなスタイルで生まれてきたい!」
女ともだち「顔よし、スタイルよし、センスよし、性格よし!」
女ともだち「はあ~~~~~~~~~~。(ため息)」
女ともだち達はやや話がそれた感もあった。
しかし要するにシンディー相手では千草でも苦しいだろうという話だった。
三街道「(誰も二階堂の相手が”シンディー”だなんて言ってないだろ?!!)」
でも、千草は女ともだちの会話を聞いて泣き出しそうだった。
『あるモテない男の話』 第2話 「二階堂には”彼女”がいる!」 act.17
三街道は千草の悲しむ姿を見て、こう思った。
三街道「(いい雰囲気だ……。俺はこれを待っていた!!)」
そして………、ここぞとばかりに”良い男”を装った口調で喋りだした。
三街道「千草!
悲しむ事はないよ。
君はけっして”負けて”なんかいない!そう、誰にもね。
やさしいし、人に気を使うし………。君は、誰にでも好かれる性格だよ!」
あまりにも自信有り気に、スルスルっと言ってのけた三街道。女ともだち達は、それに驚きを隠せなかった!
三街道「”ルックス”だって最高だよ。こんなかわいい子は他にいないよ」
女ともだち「……………………。 ( ̄□ ̄;)」
三街道「千草はすごく”がんばり屋”だしね。
ほら、高校での文化祭の時の事を覚えているかい?。
確か君が中心になってクラスをまとめて、展示物を作ったっけ?
あの時は、よくあんなクラスを1つにまとめる事が出来たよなーーー。
あれほど仲の悪いクラスは他になかった。
それが、君のおかげで生まれ変わる事が出来たんだ!!!」
女ともだち「……………………。 ( ̄□ ̄;)」
三街道「人をまとめる力もあるし、最後まで諦めないし。君って、すごいよね!」
女ともだち「……………………。 ( ̄□ ̄;)」
女ともだちはアゼンとしていた。
千草 「……………………」
しかし、千草の落ち込み方は激しかったので、女ともだちも我に返って声をかけた。
女ともだち「……………そうそう!がんばればなんとかなるわよ!千草って、”実は”すごい美人だしーーー!」
!
女ともだち「……………そうそう!あたしもそう思う!がんばって、二階堂君をものにするのよ!!」
千草 「無理よ……………」
それだけ言うと、千草はまたうなだれた。
女ともだち「そんなこと無いってばぁーーーー!努力はいつか報われますって!」
三街道「いや、確かに……………………、それは”無理”だね!」
千草 「三街道君………………。」
千草は思わず三街道の顔を見た。
女ともだち「………??????
三街道君、さっきは千草の事、あんなに褒めてたじゃない?!」
三街道「………ああ」
女ともだち「それがどうして”無理”なの?」
三街道はこのセリフだけおどけた感じの口調で言った。
三街道「あれ?君達、知らないの?」
女ともだち「何を?」
そしてまた、口調を”良い男”に戻した。
三街道「二階堂は………。
今、彼とデートしてる彼女とは…………、
”だいぶ前から”付き合っていたんだぜ!」
「
えーーーーーーーーーーーーーーーー?!!
」
女ともだち達が驚く。
千草 「ウソ……。」
三街道「ヤツは前々から”加藤れみ”っていう娘と付き合っていたんだ。
もう…………、かなりになるかもね、付き合い始めて」
千草 「……………………。」
しばらくすると、千草の頬をつたって一筋の涙がこぼれた。
千草 「そんな……
じゃ、二階堂君は、なんで私と2人きりで喫茶室に入ったの……?!!!」
『あるモテない男の話』 第2話 「二階堂には”彼女”がいる!」 act.18
千草が大きな声を出した。普段は大人しい彼女が!
だから………、皆驚いた。千草は感情が高まっているようだ。
しかし、三街道はそこに何の遠慮もなく”とどめの一撃”を射した。
三街道「あいつも人が悪いなぁ~~~~~~~~~~~。
千草に”彼女”がいる事を何も言ってなかったなんて!
まあ、
ヤツにとっては軽い気持ちだったと思うよ。喫茶室に入ったのは。
だって千草、君も僕と2人きりで喫茶室に入った事あるだろ?
それと変わらないよ!
二階堂はたまたま、その時会話する場所をそこにしただけだよ。
それは図書館のテーブルでも、休憩室でも、展望室に設置されたシートでも、どこでもよかったんだ。
まあ、ホントの所は二階堂に聞いてみないとはっきりした事は言えないけどさーーーーーーー。」
そして三街道は無理をして二枚目モードに切り替えた。
三街道「でも、
これだけは言っておくぜ!
俺が君と2人で喫茶室に入ったのは…………、
決して軽い気持ちじゃなかったんだ!!!」
三街道がそう言い切ったので、女ともだち達はまた一様に驚いた。
普通では、こんなに風に言い切れる男はいない。
しかし、三街道の言ってる事は”虚偽”である。
三街道はウソをつく事にまったく恥じらいも躊躇ない男だったのだ。
でも、千草はそれで、以前三街道といっしょに喫茶室に入った時の事を思い出した。
千草 「”三街道君”といっしょに入った事は、何の関係も無いけど……………、」
と、千草は何の抑揚もなく答えた。
千草 「私にとって二階堂君と一緒にお茶を飲むって事は、とても重要な事だったのよ!!」
そしてきっぱりとこう言った。
千草 「だって私は…………、
以前からずっと…………、
二階堂君の事が…………、
好きだったから……。」
『あるモテない男の話』 第2話 「二階堂には”彼女”がいる!」 act.19
三街道はまたもや心のダメージを受けた。
いままで、高校の時以来ずっと想い続けてきた千草に、こうも見事に言って退けられるとは………………。
千草の心の中に三街道は住んでいなかった。
ある意味、三街道の完敗だった。
しかし!
すでにこういう展開には慣れてきて、打たれ強くなっている三街道!
三街道「(だが…………、もう二階堂には彼女がいる!
千草と二階堂の恋は永久に実らない!!)」
”永久に実らない”とまで勝手に妄想を膨らます三街道!
彼の妄想はもう止まる事を知らない。
千草 「いつからなの?いつから二階堂君はその”女”と付き合っているの……」
三街道「……さあ?さあね?
フッ!
もういいじゃないか?忘れろよ!あんなヤツの事は……、」
千草 「あっ、……”あんなヤツ”????!
忘れられないわよ!何で二階堂君の事を忘れられるのよ?!」
三街道「二階堂は”彼女”がいたのに君とお茶を飲んだ。君と2人きりで!
”加藤れみ”さんもここの1回生。学校内で彼女に見られる事を考えなかったのかなあ?二階堂のヤツ。
そうだとしたら……、けっこうヒドいヤツだなあーーーーーー。」
三街道は恥ずかしげもなく静香・シンデイーの時に使ったセリフを繰り返した。
千草の心に「二階堂は”彼女”がいたのに」という言葉が突き刺さる。
三街道「ほっておけよ、あんなヤツ!
結果的に、君もいいように気持ちを持てあそばれたんじゃないか?!」
千草 「……………………。」
三街道があまりにもどうどうと言うので、千草も少し
「………そうかも知れない」
と思い始めた。
三街道「気をしっかり持てよ!俺だったらいつでも相談にのるぜ!
俺はそんな二股かけるような事はしないから」
千草 「ふっ、”二股”??!!」
三街道「ああ、”君”と”加藤れみ”さん!」
千草 「ふっ、”二股”だなんて?あの二階堂君が?!信じられない?!」
三街道「でも、事実だろ?!」
千草 「……………。」
三街道はこうして『静香・シンデイー・千草』の3人に3股をかけようとしていた。
『あるモテない男の話』 第2話 「二階堂には”彼女”がいる!」 act.20
三街道「千草!
俺の所へ電話して来いよ!さびしくなったら!
俺ならいつでも空いてるからさ。
じゃあ、みんな!そろそろここを出ようか?!」
まるでこの集団のリーダーにでもなったかのような口調。
女ともだちは全員口を半開きにしたまま固まった。
千草 「うん」
こうして皆、そのハンバーガーショップを後にした。
帰り際、三街道は駅前のケーキ屋で、千草とその女ともだち達にワリと高めのショートケーキを買ってプレゼントした。
三街道「あーーーーー、君たちの分も今日は俺のおごりだ!
今日は俺にとって特別な日になりそうだからね!」
そうして三街道は女ともだち達にウインクまがいの目配せをした。
女ともだちは、三街道が千草に好意を寄せている事をすでに知っていたので、おごられるままにしておいた。そしてそれぞれ個別にケーキの入った箱を受け取った。
女ともだち「ありがとう」
そして、彼女達も目配せで、「今後は貴方に協力するわ」という表情を返した。これで千草と三街道の恋が実るように協力してくれるらしい。
しかし……、
この女ともだち達は
”三街道が静香・シンデイーにも興味がある”
という事実を知っていた。
いいや、そればかりではない。
三街道は「隙あらば誰でも狙う」性格だと知っていた。
しかし……、今日の三街道の言葉から、
「三街道の本命は千草」
そして……、
「他の女の子を諦め、これからは千草一本に絞る」
…のだと思った。
まさか三街道が3股をしようと画策しているなんて、夢にも思わなかった。
こうして三街道と、千草とその女ともだち達はそろって駅の中に入った。
千草はまだ少し元気が無かった。
三街道は千草と電車に乗った。帰る方向は同じだった。
女ともだち達も、同じ方向に帰る子は一緒に乗って行った。
こうして今日の三街道はワリと賑やかに下校した。
いつもなら、音楽を聞いたり雑誌を読んだりと、落ち着きのない登下校の三街道だった。
ましてや女の子といっしょに帰る時は、人目もはばからず電車の中で騒ぎまっくていた。
だが……、
今日の三街道は電車の中では何も喋らなかった。
三街道「(ここはクールさを演出した方がよい。)」
彼はもうすでに千草のハートを半分射抜けているものだと勘違いしていた。
三街道「(高校時代から数えて、千草と一番長く接し、会話した男はこの俺だ!)」
と彼の中では確信していたのだ。
千草と一番長くいるので、
三街道「(いままで俺は、千草の心の中では”ナンバー2”だったのかも知れない。
しかし、二階堂が落ちた今、俺はトップにのし上がったのだ!)」
とも思っていた。
千草と分かれる駅に着いた時、三街道は「じゃ」と言って先に電車から降りた。
千草の家はまだ遠い。このまま、まだかなり長い時間電車に乗って行かなくてはならない。千草を、彼女の家のある駅まで送って行こうとも考えたが……、それもまた押し付けがましい。
それに、そこまでしなくとも……、今後千草との関係はいい方向に向かう気がしていた。
千草は三街道におごってもらったケーキの箱を持ち上げ、
千草 「ごちそうさま」
と言った。
別れ際、千草が少し微笑んだ。
今日は三街道にとって最高の1日だった。
興奮冷めやらぬまま、自宅に帰り着くなり彼はベッドの上に転がった。
さすがに3人の女の子の会話相手をするのは疲れた。
いや、正確には千草の女ともだち達の相手までもした。
しかし、三街道の心の中は、充実した日を過ごした満足感でいっぱいだった。
三街道「(幸運にも、今日一日で上手く行きそうな恋の種が3つも転がり込んで来た。それに丁寧に水をかけて、大事に育てればきっと芽が出るだろう…………。)」
と、勝手に妄想していた。そしてまた、こうも考えていた。
三街道「(俺はなんてラッキーボーイなんだ。そして……、なんてモテるんだ!!)」
疲れているはずの三街道だったが……、
今日はなかなか寝付けなかった。
続きます。
→
『あるモテない男の話』 act.1
→
『あるモテない男の話』 第2話 「二階堂には”彼女”がいる!」 act.1
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