鍋・フライパンあれこれ美味
100万ポイント山分け!1日5回検索で1ポイントもらえる
>>
人気記事ランキング
ブログを作成
楽天市場
1215479
HOME
|
DIARY
|
PROFILE
【フォローする】
【ログイン】
BLUE ODYSSEY
第7話 委員長の恋 act.81~89
司令官「それで………、詳しく話してくれんかね?」
司令官はその声と同じく厳しい中にも優しそうな感じがあった。
彼は挨拶も簡単に済ませて、さっそく本題の話を聞いて来た。
クリス・委員長・神田・豪はなぜかこの司令官に初めて会った気がしなかった。
委員長「………。」
クリスは司令官に正直に全て話した。タイムマシン、予知夢……、クーガとの会話…。
今度はかなり詳しく詳細に渡って話をした。
司令官「その話は全て本当なんだな?」
クリス「はい。僕達が嘘をついてもしかたありません。」
司令官「わかった。ミサイル発射基地の警備を厳重にしよう。」
神田 「それだけ?警備を厳重に?そんだけ??」
司令官「君達はもう帰っていい。」
神田 「そんな!!今の話は全部本当なんや!警備ぐらいじゃあきまへんで!」
司令官「では聞くが……、その予知夢はいったいどれくらいの的中率があるというのだね?
きちんとした実験の検証結果でもあるのかね?」
神田 「そやけど!!この4人がそろって同じ夢を見るという偶然もそんなにないやろ?!」
司令官「夢というものは、その日見聞きした物が反映される事が多い。
さっきの話だと、昼間4人でクーガに遭遇したのではないか?
その時、見聞きした物が4人とも夢に反映されただけだ。」
神田 「そやけど!!」
クリス「では、僕らに何か超能力のようなものがあるか試されては?それがあるとわかれば、僕らの話を信じていただけるのでは?」
神田はクリスの耳もとでささやいた。
神田 「そやけどクリスぅ~~~。そないな力、ホントに俺達にある?」
クリス「わからない。だが、予知夢は今まで結構見て来た。そして当った。今回が始めてではない。」
司令官「ではテストを受けてみるかね?それとももう時間がないのかな?そのクーガという男が来るのはいつだ?」
クリス「わかりません。そこまでは夢から判断できませんでした。」
司令官「わかった。一応調べてみよう。たしかに嘘を言っている目つきじゃないしな。」
こうしてクリス達はテストを受ける事になった。クリスら4人は車で近くの基地まで連れて行かれた。
司令官「ここは軍の”ESP研究所”だ。」
委員長「ESP研究所?」
司令官「超能力という物は軍事に利用できるからね。例えば潜水艦の中の乗員と基地内のシェルターに入った人間がテレパシーで通信が可能になれば、こんな便利な事はない。もちろんそれが夢物語でないのであればの話だが。」
司令官はそこの研究室長をクリスらに紹介した。
司令官「”矢樹博士”だ。」
少し気難しそうな男が白衣を着て立っていた。
男はクリス達4人をマジマジと見たが、挨拶もせずに司令官の方を向き直った。
矢樹 「どうした?」
司令官「急な話だが、この4人をテストしてくれ。」
矢樹 「どこの機関からの紹介だ?」
司令官「いや、私の”独断”だ。」
矢樹 「君ともあろう者が独断だと?珍しいな。なぜ彼らにテストが必要なんだ?」
司令官「この4人の言っている事は嘘とも思えない。だからテストして欲しい。彼らに予知夢を見る力があるかどうか。」
司令官はクリス達の話を矢樹博士に説明した。
矢樹 「彼らが予知夢を見ただって?
君は初対面の人間の言う事をそのまま信じるのか?
それとも君自身に超能力があるとでも?
君の定期健診の時にそれは検査したが、君には特殊能力はまったくない。」
司令官はクリスらをそこに待たせて、矢樹博士だけを別室に引っ張っていった。
司令官「なぜだかあの4人が気になってしかたない。最初に電話で話した時、以前どこかであったような気がした。だが、どこで会ったのかどうしても思い出せないんだ。」
矢樹 「……………………。
実は私もさっき彼らを見た時、以前会ったような気がした。
だが、おそらくテレビ番組の中かネット上か何かで似たような人物を見かけただけだろう。
記憶の真相とはそんなものだ。」
司令官「いや…………、うまく言えないが…………、そうではないと思う。
そんな気がしてしかたない。
とにかくテストしてくれないか?」
スポルティーファイブ 第7話 委員長の恋. [act.81] 304
矢樹と司令官は別室を出て、クリス達の所へ戻って来た。
先ほどの2人の会話はこの部屋で待たされていたクリス達には聞こえていない。
クリス 「………………。」
矢樹は手招きをして4人を別の部屋へと案内した。特に彼は何も喋らない。事務的に4人を導いた。その様子を見て、神田は小声で豪に話した。
神田 「なんやぶっきらぼうな研究室長さんやな?!まるでマッドサイエンティストのイメージそのままや!」
豪 「しーーー!神田さん、声が大きい!聞こえますよ!」
こうしてクリス・委員長・神田・豪は大きな実験室の中に通された。
所狭しといろいろな機器が置いてある部屋だった。それらの機器は見たこともない物が並んでいた。さながらSF映画に出て来るセットのような雰囲気だった。
そこで4人はESPのテストを受けた。
脳波などを計測するセンサーを身体に着けて、超能力…ここでは特に透視能力のテストをした。カードに描かれた色や数字・模様などをカードが伏せられた状態で当てていくテストだ。
驚いた事に、精神を集中すればクリス達4人はめくられる前のカードの内容をかなりの正確に読み取る事が出来た。
1時間ほどして、矢樹は「もういい」と言ってテストを終了させた。
そしてまたクリス達を残して矢樹と司令官はそこの実験室の隣のモニタールームに行った。そこでは検査したデータが集積されていた。この部屋も他に情報が漏れないようになっている。当然、防音仕様で、扉を閉めれば音は外に漏れない。ここでの話もクリス達には聞こえなかった。
矢樹 「結果が出た。まあまあだ。」
司令官「”まあまあ”とはどういう事だ?」
矢樹 「彼らには”能力”がある。間違いない。」
司令官「なんだって?君が認めるとはすごいじゃないか!いままで”能力がある”と認めた人間はほとんどいない。いても”それらしい兆候はある”と言うだけだった。」
矢樹 「私は検査結果をそのまま言っただけだ。4人ともかなり高い数値を示している。
もっともこれは簡易テストに過ぎないが。精密検査をしてみれば違う結果が出るかも知れない。」
司令官「それにしても4人とも簡易テストには合格か?奇跡だな。」
矢樹 「それにその”クーガ”という男の事が気になる…………。あの4人に詳しく話を聞いてみたい。」
司令官「”クーガ”か。この間、ビルに現れた男だな。正体不明のロボットを操って、いきなり都市を攻撃した。」
矢樹 「すぐにミサイル発射基地に部隊を派遣した方がいいだろう。」
司令官「………わかった。」
司令官と矢樹はクリス達がいる部屋に戻って来た。
矢樹 「ところで、クーガはどこに出現したんだって?」
司令官「君たちが見た夢を彼に詳しく話してくれ。」
今度は矢樹は積極的にクリスらに話し始めた。どうやら彼の研究対象としての興味をひいたらしい。
クリス「そこは白い部屋で後にたくさんの計器版が並んでいました。あとは天井等に太いパイプ類も走っていました。」
司令官「絵に描いて見せてくれ。」
矢樹 「それより彼らに基地内の画像を見せろ。そしてクーガの出現場所を特定させるんだ。」
司令官「民間人に基地内部の写真を見せろと言うのか?それは出来ない!」
矢樹 「そのような事を言ってる場合か?
事によると相手は”タイムトラべラー”なんだ。”タイムマシン”が実在したとしたら、今の我々の存在そのものが無くなるかも知れないんだぞ!」
司令官「しかし!今度は君の方が彼らの話を全て信じるというのか?!」
矢樹 「もう時間がないかも知れん。この学生達にかけてみよう。」
スポルティーファイブ 第7話 委員長の恋. [act.82] 305
こうして矢樹にうながされて司令官はクリスらに基地内部の写真を見せた。
クリス達はそれを元に自分達4人の見た夢の記憶をつなぎ合わせた。
そして”4人ともが夢で見た場所”と同じ場所を写した写真が存在した。
それはミサイル発射のコントロールルームの一画らしい。
こうしてクーガの出現場所が特定された。
矢樹 「もし彼が本当にタイムトラベラーなら、自分が捕まる事は知っている筈だ。大人数で警備に当るのでな。」
クリス「彼は”成功する”と知っているからこそ、今回の行動に出たのではないでしょうか?」
矢樹 「さあな。
だが彼も人間だ。単にその先の結末の未来を見るのを忘れたのかも知れん。
人間”成功が続く”と気が緩むものだ。
いや、実は彼は”成功する未来”を見たのだ。そしてそれが”絶対”だと信じている。
確かにそれが”タイムマシンで見て来た未来”なら、一定の信憑性はある。
だが、未来は変えられるのかも知れない。」
矢樹は司令官の方に向き直って言った。
矢樹 「我々が警備している事は絶対誰にも気付かれんようにな。
気付かれればクーガの思い通りの”歴史”になる。」
司令官「わかった。」
矢樹 「それに、いざという時はクーガを撃たなければならない。」
司令官「いいだろう……。それも了解した。やむを得まい。」
矢樹 「彼の命を突然絶つ事が必要になるかも知れない。
それも彼が気付かない内にやらなければ。
そう、クーガ自身に気付かれないようにする事が一番重要だ。
彼に再びタイムマシンに乗る隙を与えない事だ。」
司令官と矢樹博士、それにクリス・委員長・豪・神田はミサイル発射基地に向かった。
そこに着くと、全員基地内の”モニタールーム”と呼ばれる部屋に入った。
ここはミサイル発射の全システムを監視できる部屋だった。コントロールルームも警備員室もモニターを通してサポートできる。コントロールルーム以外で、全員が隠れて待機するにはもってこいの部屋だった。
ここの監視の担当官は2交代制で監視を続ける事になった。そしてまもなく基地内に特殊部隊も配備された。
そして……、待つ事2日。
クリス達には部屋が与えられていた。そこで寝泊りを続けていた。
神田 「ホントに現れるんやろか?早く家に帰りたいわ。」
クリス達は辛抱強く待った。だが、神田だけは独り言を始めた。
神田 「もし、あれが予知夢でなくて”ただの夢”やったら………。俺ら笑いもんや!」
神田 「”あーーー、あれは間違いでした。ただの夢でした”で、すぐにここのオヤジ達は俺らを家に帰してくれるんやろか?」
豪 「……………………。」
その時、突然監視モニター上に何かが現れた。
矢樹 「反応だ!」
神田 「ほら!俺らの言った通りやないか?!!」
委員長「……………………。」
矢樹 「外部マイクオン。隠しカメラによるモニターオン!」
そこにクーガがらしき人物が映った。そしてそれに伴って現れた少女の姿も確認できた。
神田 「あーーーーー!アンナちゃんや!」
アンナがクーガに連れて来られていた。
スポルティーファイブ 第7話 委員長の恋. [act.83] 306
クーガ「ここに間違い無い。では……、ミサイルの発射システムを掌握しよう。」
アンナは手錠のような物を手首にはめられていて、身体の自由が利かなかった。
アンナ「……。」
クーガはアンナの見ている前で得意気に作業を始めた。
アンナがクーガの手元を見ないで周囲の方に視線を走らせると「ちゃんとこっちを見ろ!」と怒鳴った。
クーガはクリス達が夢で見たのと同じように、小形コンピューターを持って来ていた。
それを操作パネルに接続して、ここのコンピューターにアクセスした。
アンナ「………………。」
クーガ「こちらのプログラムをインストールした。これで発射可能になる筈だ。」
矢樹はモニタールームからクーガの声を隠しマイクでひろっていた。
矢樹 「彼は”プログラムをインストールした”と言っているぞ!」
ここのオペレータの女性がコンピューターを操作して確認した。
ナターシャ「間違いありません。新しい入力データが入れ込まれました。」
司令官「なんだって?!ここのセキュリティーシステムはどうした?」
ナターシャ「やぶられつつあります。
ですが、”発射には発射キーのカードが必要”です。」
矢樹 「プログラムを事前に書き換えて置いたんだ。
たとえ彼がハッキングしようと、発射にはキーカードが必要になる。」
司令官はいつもポケットのカード入れに入れている自分のカードを取り出した。
司令官「このカードは司令官クラスしか持っていない。」
矢樹 「物理的にその”カードキー”を差し込まないと、発射は不可能だ。
回線そのものを変更してある。」
すると、モニター上のクーガは、アルミ製の小形ケースから”カード”を取り出した。
司令官「なんだ?あのカードは?!」
ナターシャ「そんな?持ってる筈ありません!」
矢樹 「ハッキング用に用意されたカードかも知れん。」
ナターシャ「ですが、普通のカードでは無理です!」
司令官 「ああ、その通りだ!このカードには特殊なICチップが入っているからな。」
アンナ「そのカードは?」
クーガ「君がわからないのか?
無理もない。歴史が変わってしまったからな。
これは[小川 飛鳥」のカードだ。”スポルティーファイブのカード”なのだ!」
アンナ「………………。」
その様子をモニターで見ていた委員長は驚いた。
委員長「私の?”私のカード”ですって?」
クーガの言っている事に心当たりはない。しかし、心の奥底では、なにか引っかかる物を感じていた。”はっきりしない記憶”のような物が確かに存在した。
クーガ「スポルティーファイブのIDカードは特別なのだ。
重要な任務遂行の為にスポルティーファイブのメンバーにだけ用意されたカードだ。それはどんなドアやキーでも開けてしまう。たとえ、古いロジックやプログラムの物でもな。」
委員長「彼は何を言っているの?」
神田 「さあ?さっぱりわかれへんな。」
スポルティーファイブ 第7話 委員長の恋. [act.84] 307
矢樹 「いかん!」
矢樹は現場に潜む特殊部隊の兵士に命じた。
矢樹 「クーガを撃て!今すぐにだ!」
クリス「でも、今、この位置から撃てば、アンナさんにも当ります!」
矢樹 「コマンドの腕を信じろ。」
クリス「けれどアンナさんが!!」
神田 「俺らもそっちへ行こうや!!」
司令官「現場へか?!危険だ!」
矢樹 「私も行く!チャンスがあれば…、クーガと直に話がしたい。」
司令官「しかし!」
こうして、矢樹とクリス・神田・豪はモニタールームを出た。
司令官「君は残れ。」
そう言われて委員長はモニタールームで皆の様子を見る事になった。
司令官もハンドガンを引き抜いて、矢樹やクリス達の後を追った。
クーガ「こっちに来い!」
クーガはアンナに言った。
そして、差し込もうとしたカードを抜き取り、銃撃を受ける前にロッカーとパイプ類の影に身を隠した。
ナターシャ 「気付かれました。」
モニターを見ていたオペレーターは司令官と矢樹に連絡して来た。
司令官「わかった。」
クーガのいるコントロールルーム内へ進入し、操作パネル等に身を隠しながら矢樹達は少しづつ前進した。すでにこの部屋のいたる所にコマンドがいた。
矢樹は拡声マイクを使ってクーガに呼びかけた。
矢樹 「私は科学者の矢樹だ。君の言っているタイムマシンについて聞きたい。
今、ミサイルを発射すればパラドックスが起きて君まで消滅する筈だか?」
クーガ「なんだって?!そんなのは嘘だ!」
クーガは自分の腕にはめた腕時計を見た。
それは特殊な文字盤が幾重にもはめられた特製の時計だった。タイムトラベラーが必需品とする物だ。
クーガ「もうすぐ、自動的に……………。」
クーガから矢樹への返答はなかった。それで、操作パネルの裏側で床に腰を下ろす矢樹。
矢樹 「待てよ……。クーガはどこから来て、どうやってタイムマシンに戻るというのだ?」
矢樹は考えた。そういえばこの部屋にはタイムマシンらしきものは存在していない。
出現したのは”クーガとアンナ”だけだ。矢樹はその事を司令官に話した。
矢樹 「彼は”平行する歴史”からここに現れた…。
そうだ、司令官!ここの工事を発注した業者に連絡を取れ!そして、”何か歴史の変わる事”をするんだ。ここに”タイムマシン”が無かった聞いてみろ!」
司令官「なんだって?それはどういう事だ?さっぱりわからん!」
スポルティーファイブ 第7話 委員長の恋. [act.85] 308
矢樹 「とにかく、ここの工事を請負った業者に連絡してくれ!急いで!」
司令官はオペレーターのナターシャに言って業者に連絡を取らせた。
運良く、業者の1人とすぐに連絡が取れた。
その工事関係者の話によると…、実は工事をしている最中に”正体不明の機械”を発見していた事がわかった。
それは何の機械だかまったくわからず、しかたなく警察に通報して引取ってもらっていた。
警察もそれを専門家に見せたが、やはりその機械の用途は不明だった。それで政府に連絡した。政府機関はそれを回収して、ある場所に保管した。
司令官「そんな物があったなんて……。」
矢樹 「その”正体不明の機械”とは”タイムマシン”だ!
すぐにそれを爆破するように政府に伝えるんだ!」
司令官「爆破だって?」
矢樹 「使えないようにするんだ!早く!説明しているヒマはない!」
司令官「わかった。」
クリスはいっこうにアンナの開放に応じないクーガに直に話しかけた。
クリス「アンナを返せ!」
神田 「そや!アンタは囲まれとるで!もう逃げ場はない!諦めて出て来るんやな!」
神田は矢樹から借りた拡声マイクでそう言った。
神田 「かーーーーー!一度言ってみたかったで、このセリフ!かっこええわ!」
豪 「……………………。」
クーガは投降には応じず、アンナの腕を引っ張って、コントロールルームの奥の方へと移動した。
クーガ「予定通りなら、もうそろそろ自動的に帰還できる筈だ。」
クリス「アンナ!アンナ!」
クリスの再三の呼びかけに、アンナはクーガへの抵抗を試みた。
さらに後ろへ後退しようとするクーガの手を隙を見て振り解いた。
そして走ってその場から逃げ出した。
司令官「銃撃するな!”アンナ”さんの方だ!」
コマンド達は発砲しなかった。アンナは走る。
クリスと神田は身をのり出してアンナに手招きした。
クーガ「くそ!」
スポルティーファイブ 第7話 委員長の恋. [act.86] 309
連絡を受けた政府機関は、その”正体不明の機械”を政府所有の保管庫の中で見つけた。
保管庫は地下にあったので、急いでそれを搬入用の大型エレベーターに乗せ、外へ運び出した。そして駆けつけた軍の関係者が敷地内でそれを爆破した。
ここは敷地が広い事もあり、また緊急の要請だったので、ここで爆破したのだ。
ナターシャ「郷田司令官!物体を爆破したそうです!今、連絡が入りました!」
そして、その瞬間クーガが……、
クーガ「うわあああああああーー!!!」
と、断末魔のような叫び声を上げたかと思うと………、クリス達の目の前で消滅した。
跡形も無く消えてしまったのだ。1人の人間が透き通るようにして空間の中に消えた。
委員長とナターシャもモニタースクリーンでその様子を見ていた。
委員長「…………。」
矢樹 「消えたか………。」
クリス 「……………。」
アンナは無事だった。
そしてクリス達の所へ走り寄って来たアンナは、真っ先にクリスに駆け寄り、礼を言った。
神田は素通りされた。
神田 「あっ、アンナちゃん、俺には……?」
豪 「……………。」
モニターを見ていた委員長はともかくこれで良かったと胸をなでおろした。
全てがうまくいった。アンナが戻って来た。それに皆無事だった。
そう思った瞬間、委員長の目の前が真っ白になった……。
委員長「あっ?」
何が起こったのか理解できなかった。
それはまるで突然死がおとずれたかのような感覚だった。
委員長はとっさに「せっかくクリス君と知り合えたのに……。」と思った。
そう考えるのが精一杯だった。
すぐに意識が薄れた…………。
============================================================
ふと気が付くと、委員長はレッドノアのオペレーションルームにいた。
そこにはいつものメンバーの顔があった。
クリス、豪、神田、ナターシャ、矢樹、郷田指令。
そして、アンナがいた。
郷田指令・ナターシャ・矢樹はいつものノアボックスの制服を着ていた。
全てが普段と変わらぬ様子だった。
だが、椅子に腰掛けている者は、誰もが今眠りから目覚めたように目をこすっていた。
委員長も眠たい目を開けて、皆の仕草を眺めていた。
委員長「あっ、アンナがいる……。」
その事に気が付いて、委員長は思わずアンナに駆け寄って彼女の両手をしっかりと握り締めた。アンナは少しキョトンとしていたが、すぐに意味を理解したようだった。
クリスも深い眠りから覚めたような顔をしていた。
そして、郷田指令や矢樹も。
郷田指令「なにか……、よくわからないが、長い夢を見ていたような気がする。
それはまるで別世界のようだった…………。」
スポルティーファイブ 第7話 委員長の恋. [act.87] 310
郷田指令はまだ半分目覚めていない自分の頭をフル回転させた。
郷田指令「そうだ、あれは別の平行した時間軸の………、」
矢樹 「その通り。そして今は時間が元に戻ったのだよ。」
郷田指令「だが、感覚的には実感が残っていない。まるで夢から覚めたような気分だ。」
豪 「僕もです。」
委員長「私も……。」
神田 「俺も!」
アンナ「………。」
矢樹はそこにいた全員に向かって言った。
矢樹 「あれは夢ではない。我々は”ノアボックスが存在していない時間の流れ”の中にいたんだ。」
神田 「なんやて?!どうりで………。」
クリス「クーガによって歴史が操作され、ノアボックスの存在が消されたんですね?」
矢樹 「そうだ。ノアボックスの創設者や資金提供者、あるいは国会でノアボックスの創設を推進した議員。予算を通した者。
何を消したのかは正確にはわからないが…、それらの内の何かが消されて、ノアボックスは歴史上から存在しなくなったのだ。」
神田 「なるほど!どうりで俺が”平凡な学生”だったワケや!これでわかったわ!この俺が平凡な人間なんて事ないからな。」
委員長「………………。」
豪 「でも、どうしてあの世界から元に戻れたんでしょうか?」
矢樹 「我々はクーガのタイムマシンを消す事に成功した。」
郷田指令「すると、”正体不明の物体を爆破するように命じた”のは夢ではなかったと言う事か?」
矢樹 「”事実”だ。
そして彼のタイムマシンを爆破した事で歴史が戻った。
クーガはあのタイムマシンで元の世界に戻るようにあらかじめ計画していた。
タイムマシンがタイマーによって自動で動くようになっていたのは確かだ。
それはミサイル発射基地が建つ前からあの場所に送り込まれていた。
おそらく、あのクーガのいた場所にタイムマシンが自動で現れるか、もしくはクーガが自身が自動で元の時間へ転送されるようにしておいたのだろう。
それが、タイムマシンの消滅によって全てが変わってしまった。
”タイムマシンでクーガが元の世界へ帰ってこそ”全てのつじつまが合う筈だった。
だからパラドックスが起こってしまった。あの消滅はイレギュラーだったのだ。
存在しないタイムマシンがノアボックスを消せる筈は無い。
だから、我々は”元いた時間の流れ”に戻れたのだ。」
豪 「そうか!それで帰れたんですね!でも、もしそれが起こらなかったら……、僕たちはいつまでも向こうの世界にいたかも知れませんね。」
矢樹 「どこかで私の残した言葉を見ただろう?」
神田 「?」
豪 「あの言葉ですね。
”もし万が一、緊急な事態に陥り、歴史が変わってしまったら、故意に歴史を変える努力をせよ。そうすれば、連鎖作用により歴史は元の”流れ”に戻るかも知れない。”」
矢樹 「そうだ。あれは私が書き残した物だ。ノアボックスが消される前に用意した。
具体性の無い記述なら、タイムパラドックスにはたぶん引っかからない。だから書き残せた。具体的記述があればおそらく消滅していた。人の名前、機関名、対象物などの記述を書いていればね。
あれは君達や自分自身へ当てたメッセージだったのだ。その言葉の真の意味を理解する事が出来れば、歴史を変える事も可能だった。」
神田 「あれにはそういう意味が……。」
豪 「でも、よく残りましたね。歴史に消されずに。あやうい感じでした。」
矢樹 「もともと私は我々が消される事を予想していた。
そこであの文章を一定時間の経過後に、私のパソコンや複数の場所から自動送信されるようにセットしておいた。君達の目に触れたのはその文章の”生き残り”だ。多くは歴史と共に消滅したと思われる。」
神田 「でも、別の世界に軍関係者として現れた時、直に言ってくれればよかったんじゃないの?」
矢樹 「それは無理だ。おぼろげに感覚は残っていても、あの時は”元の世界があった”記憶は忘れてしまっていた。
あれは”ノアボックスも存在していなければ、ノアボックスがクーガを追っていた事も無かった世界”なのだ。」
委員長「……………………。」
スポルティーファイブ 第7話 委員長の恋. [act.88] 311
矢樹 「実は私があの切迫した状況の中で”タイムマシンの破壊”を思い付いたのも、その文章を読んでいたおかげなのだ。
あの世界にいた時、私のもとへも文章は届いた。だが最初、それがどうして自分の所へ来たのか分からなかった。ただ、おぼろげに”自分自身が何かの警告のために書いた文章”である事は分かった。それはまるで、”タイムカプセルに入れた手紙”のように、何年も前の自分が今の自分に宛てて書いた文章と対面したかのようだった。」
豪 「タイムカプセルメール!確かネット上にはそんなものがありましたね。何年も経った後に自分自身に宛てて書いたメールが自動送信されるという………。」
矢樹 「ミサイル発射基地でクーガと対峙した時、突然その文章の内容を思い出した。それで、”タイムマシン”についてもう一度考えてみる余裕が生まれた。
”クーガがタイムマシンを伴って現れていない”と知った時、それがどこかに前もって用意されていると考えられた。それは”現在クーガがいるその座標の近く”に置かれている方が都合が良い。だからクーガがタイムマシンだけ先にミサイル発射基地建設予定地に送り込んでいるとふんだ。」
クリス「それでクーガはタイムマシンだけあの場所に!」
矢樹 「先にタイムマシンだけ送り込んでも、あれが”時間を移動できる機械”だとは誰にも分からない。あれはこの時代の我々にとってはまったく”未知な機械”だったからだ。」
豪 「それで”正体不明の機械”だと………。まあ、ロボットの形をしてますしね。」
矢樹 「ああ。それに”あれで都市を攻撃する前の時間に送り込まれていた”という事もある。
そして……、誰もその機械の正体に気付かないで保管だけしていた。そう10年程。」
豪 「10年!」
矢樹 「あのミサイル発射基地が建ってからはそれぐらいの時間が流れていた。そして”正体不明の機械”の発見当時はそれを覚えていた者も、時が流れると、その事をまったく忘れてしまっていた。それはクーガにとって好都合だった。」
クリス「クーガはあらかじめタイムマシンでその歴史を見ていた。それらの事も全部………。そして自分の計画が成功すると信じていたんだ。」
矢樹 「それも考えられる。あるいはそのような歴史も”実在した”のかも知れない。だが、歴史は変わった。ホンの小さな気転によってな。それが見事成功した。しかし、今回の歴史の自己修復はかなり低い確率で行われたと言えるだろう。」
クリス 「…………。」
豪 「…………。」
郷田指令「そうだな。ともすれば我々はあのタイムマシンに手も足も出なかった。あのままクーガの支配下に従属していたかも知れんな。」
今回、奇跡的にクーガの計画の阻止が出来た事を皆は認識した。
そして今までの事を思い返していた。それはとても長い時間の流れに感じられた。
皆、自然と無言になった。
委員長「……………………。」
しばらく経って、郷田指令がこの場の重い雰囲気を変えようと口を開いた。
郷田指令「ともあれ、君たちが戻って本当に良かった。いつものように5人そろっているしな。」
豪 「特にアンナさんは今回大変でした。最初は火災現場から落ちていなくなるし、その後の”別の時間軸”ではクーガに連れ去られるし。」
神田「ホンマ!あの火事の時はアンナちゃんが死んだかと思った。2度と会われへんと思ったで!」
アンナは一時的に”自分が死んだ”と聞かされた事に今だ実感が沸かない。本人にしてみれば、”転落”など起こらなかったのだ。
周りの人間にはそう見えたかも知れないが、当のアンナは”火災現場から救出された自分”しか知らないのだ。それでアンナは少しキョトンとして首をかしげていた。
スポルティーファイブ 第7話 委員長の恋. [act.89] 312
郷田指令「君がいなくなった時は本当に皆心配していたんだ。私もあの時は君が”死んだ”と思っていた。」
豪 「前にも言いましたが……、
アンナさんは”もともと僕らに助けられる運命”になっていたんですよ。だから火災現場に遺体が無かったんです。
あの時、アンナさんは”すでにそこにタイムトラベルして来た僕ら”に助けられたんですよ。」
アンナは返答に困って、またクリスの方を見た。
クリスにしても今回の事件では一時的に”消えた”経緯がある。
それはクーガが消したのかも知れないが、結局巡り巡って”神田・豪の活躍によって別の時間軸から救出される運命”にあったのかも知れない。
アンナは本能的に”クリスも今自分と同じ感覚を味わっている”と感じた。
それでクリスの方を見た。
すると、クリスが笑ったので、アンナも笑い返した。そして周りの皆もつられて微笑んだ。
その笑顔から、皆が心から心配してくれていたとクリスとアンナは知る事が出来た。
アンナは自分を真剣に心配してくれる人達がいる事を改めて実感し、しばし幸福な気分に包まれた。そして、アンナにとって、一番今幸福を与えてくれそうな”クリス”の笑顔をそのまま見つめ続けた。
周りにいたナターシャや神田もアンナの”それ”に気が付いたが、アンナは人目を気にせずクリスにだけ目線を向けていた。
神田 「あ・あ・あ………、アンナちゃ~~~~ん。」
委員長はそのアンナの様子を見て「(かなわないな~~~。)」と思った。
委員長「(はあ~~~~~。
またクリス君とアンナが接近してる。
私の恋はまだまだ実らないのかなぁ~~~?)」
気落ちする委員長だった。
豪 「それにしてもクーガはどうなったんでしょうか?」
矢樹 「よくわからないな。調べてみないと。多分、歴史によって消滅させられたんだ。」
郷田指令「だが、我々は”クーガ”という名前や彼の事を覚えている。あるいは彼はどこか別世界で生きているのかも知れんな。」
矢樹 「それは充分考えられる。まあ、後で”クーガ”と言う名を歴史博物館のデータベースで調べてみよう。
だが、タイムマシンが消滅した以上、クーガが仮に生きていたとしても、”別の人物”になっているかも知れない。」
神田 「”タダの学生”とか?」
すると周りから笑いがもれた。
委員長「はあ~~~~~。それにしても今回はあのクーガに翻弄されたわ。
あーーーーー!クーガと言えば!!!」
委員長はクーガに大事なスポルティーファイブのカードを渡してしまった事を思い出した。
思わず委員長はいつもそのカードを入れているポケットを探ってみた。
そこには………、愛用の”定期入れ”が入っており、その中にちゃんと自分のIDカードが戻っていた。
委員長「カードが戻ったわ!!」
委員長は思わず大声で叫んでしまった。それは周りの人間全てに聞こえた。
普段はあまり笑わない矢樹が、それを聞いてにこやかに笑っていた。
そう、歴史が”自己修復”して、IDカードを委員長のポケットに戻したのだ。
矢樹は瞬時にその事を理解していた。
矢樹が笑っているので、皆もふたたび笑った。
クリス「これで、全てが元に戻ったんだ。」
アンナ「そうね。本当に良かったわ。」
THE END
============================================================
ネット小説ランキング>異世界FTシリアス部門>「スポルティーファイブ」に投票
「この作品」が気に入ったらクリックして「ネット小説ランキングに投票する」を押し、投票してください。(月1回)
ジャンル別一覧
出産・子育て
ファッション
美容・コスメ
健康・ダイエット
生活・インテリア
料理・食べ物
ドリンク・お酒
ペット
趣味・ゲーム
映画・TV
音楽
読書・コミック
旅行・海外情報
園芸
スポーツ
アウトドア・釣り
車・バイク
パソコン・家電
そのほか
すべてのジャンル
人気のクチコミテーマ
読書備忘録
イン・ザ・メガチャーチ 朝井 リ…
(2026-07-28 09:12:13)
マンガ・イラストかきさん
ジャパコミは両日とも「J-13,14」で…
(2026-05-08 01:35:26)
この秋読んだイチオシ本・漫画
MIX 25巻
(2026-07-11 19:34:04)
© Rakuten Group, Inc.
X
共有
Facebook
Twitter
Google +
LinkedIn
Email
Design
a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧
|
PC版を閲覧
人気ブログランキングへ
無料自動相互リンク
にほんブログ村 女磨き
LOHAS風なアイテム・グッズ
みんなが注目のトレンド情報とは・・・?
So-netトレンドブログ
Livedoor Blog a
Livedoor Blog b
Livedoor Blog c
楽天ブログ
JUGEMブログ
Excitブログ
Seesaaブログ
Seesaaブログ
Googleブログ
なにこれオシャレ?トレンドアイテム情報
みんなの通販市場
無料のオファーでコツコツ稼ぐ方法
無料オファーのアフィリエイトで稼げるASP
ホーム
Hsc
人気ブログランキングへ
その他
Share by: